おあそび
フレアますよ。
「シャアッ!!!」
「そらっ!!!」
何時間戦っているのだろう。奴の戦略を越えてやると啖呵を切ったは良いけど、やはり一人でダンジョン主を相手にするのは辛い…
ナナは大丈夫だろうか…
「シャッ!!」
「ぐっ!」
それに度重なる岩攻撃や尻尾で身体中傷まみれ…。恐らくナナの回復も期待出来ない…。せめてリノアがいれば…
「シャアッ!!!!!」
「しまっ!!」
やってしまった。奴の頭を切り裂こうと飛翔した私に尻尾が高速で迫ってくる。狙いは超正確で回避は不可能。空中では踏ん張ることも出来ずガードも不可能。詰みだ。
やっぱり考え無しに突っ走るもんじゃ無いですね…。ごめんなさい、皆さん。
そして、私の意識は途切れた。
…
…
…
…
…
蛇は『愚かな人間を返り討ちにしてやった。』そうほくそ笑んだ。自分はダンジョン主といっても喋ることは出来ない。
だが、その頭脳、戦略は他の幹部や人間と同等、もしくはそれ以上だった。
始めに回復役となるナナを潰したのも、崩した天井がナナの真上に崩れるように調整してやったこと
残ったミリノも攻撃がまともに当たればやられると読んだ上でのヒット&アウェイ。
当然蛇にここまでの知性があると考えていなかった二人は見事にやられてしまった
目の前で壁に埋まる勇者を見下ろして蛇は歓喜の叫びを上げる。
「シャァァァァァァ!!!」
自分が勇者を倒したのだ。後は亡骸を抱えて我が王の元に連れていく。それだけで自分は魔物の英雄だ
考えれば考えるほど笑いが込み上げてくるのも仕方がないだろう
だから気が付かなかった。
勝利の愉悦に浸り、自らの最大の長所である思考を止めてしまったせいで背後から迫る、この世界で最も恐ろしい魔物に対する対応が遅れてしまったのだ
「シャッ!!」
「さあ、君はどうするの?この状況?」
声が聞こえた途端、振り替えることはせず、瞬時に地面に己の自慢の武器である尻尾を突き刺し、岩を撒き散らす
そのまま前進。壁を打壊しながら距離をとる。当然その間も岩を投げるのを止めずにだ
何なのだろうアレは。蛇は考えた。
岩を投げる際視界の端に写ったのは緑の髪の毛をした、人間の少女だった
他の幹部であればただの少女と侮っただろう。しかし、彼は優れた知能こそあれど立派な獣。獲物の強さを見誤ることは絶対にしない
アレは自分より強い。いや、アレは強さと言うより…
そう思考を進めようとした瞬間、鼻先に鋭い痛みが走った
これ以上先に掘り進められないのだ。石にでも当たったか?それはあり得ない。
第一彼の力は岩盤すらも貫けるだろう。
故に目の前に存在する壁は岩盤よりも固いということになる
しかし、それを彼の頭脳が否定する。こんな浅い場所にそのような鉱石が存在する筈がないと…
ではこれはなにか?それを考察することはもう出来なかった
先程の鼻先とは比べ物にならない激しい痛みが彼の尻尾を襲った
「キシァァァァァァァッ!!!!」
っと絶叫を上げ自身の尻尾を確認するべく振りかえろうとする。しかし、その行為は更に痛みを増やすだけで終わった
何かが彼の尻尾を貫き、張り付けにしているのだ
ギリギリ視線だけを尻尾に向ける、それは枝だった。たった1本の枝が大地を抉る彼の体を拘束しているのだ
確認した後すぐに体にも枝が刺さる
「キシャアッ!?」
すぐに別の場所にもまた別の場所にも。四方八方至るところから枝が伸び、彼を貫いていく
もちろん自然の物じゃないだろう。そうなるとこんなことが出来るのはただ一人…
「げーむおーばー」
「できればちゃんと戦って欲しかったかな」
…
…
…
…
「あーあ。」
レベルアップ!そんなふざけた言葉が脳裏に響く。こんなカスに私は苦戦してたんだ。少し期待はずれ。やるならもう少し待った方が良いかもね
僕はそう考えながらボスの部屋に足を運ぶ。
そこに寝転び、意識を落とす。
また会おうね、私。おやすみなさい
少し雑ではありますがポズインスネークはここで終わりです。




