走るぞ!ダンジョン!
フレア
です。
やあ!私はナナ!現影使い戦!以上!
突然の地響きに顔を変える。
誰かが戦っているのだ。
本当は乱入されれば面倒だから全部片付けるつもりだったのだが…行くしかないだろう。
ゴーレムにバナナの皮を投げつけ転倒させる。モンスターを下敷きに倒れたゴーレムの上を走り、また次のゴーレムへ…
そうしてモンスターとの戦いを避けながら奥の部屋へ走る。
それでも追い付いてくるウルフは冷凍バナナで氷漬け。ゴーレムは砕いて…
そうこうしながら走っていると廊下の奥に扉が見える。
しめた!扉があるのはありがたい!!
勢い良くドアの中に入った私はまた同じように勢い良くしめる。
幸いドアは外開きで奴等の突進では開かず、モンスターのぶつかる音だけが響いた。
片手に冷凍バナナ、もう片手に普通のバナナをゲームに出てくる盗賊のナイフのように構えながらゆっくりと辺りを見回す。
現影使いの姿が見えないようだが……そうして壁に目をやる。
「ッ!!!」
思わず声が出そうになった。
まず回りは極普通の子供部屋。体育館位の広さがあるのを除けばな。
だが問題はその壁だ。壁にはびっしりと生きた人間が影に吊るされていた。
おまけに目に生気がない。
一体どれだけ放置されてたのか…
この世界に来て初めて、モンスターの残酷さを思い知ったかも知れない。
っと部屋の真ん中に設置されたベッドの上に、見覚えのある赤髪が見える
「うーん!うーん!!」
「…リノアか?」
「ナナ!!ちょっとこれ解いてくれない?」
リノアの体には先程のダークウルフのように影が引っ付いていた。
「無事だったのか」
「うん!なんかいきなり凄い音がして目が覚めて……」
音…そういえば音の正体は一体…
「早く解いてよー!」
「あぁ…すまない」
でもこれどうやって取るんだ?
とりあえず冷やしてみるか…
私は影に冷凍バナナを当ててみる。
「ちょ!冷たっ!冷たい!」
意味がないみたいだな。
殴るか?
私は冷凍バナナで影を殴る。
「いたっ!いたい!ちょ、ナナ!痛い!」
これも駄目か…。
まさか現影使いを倒さないと解けないのか?
「ちょっと無理そうだな…」
「そ、そんなぁ!!これ以外と体が締め付けられてて痛いんだよー!」
んなこと言われてもなぁ。
「もうちょっと!もうちょっと確かめてみて!!」
うーむ。私はとりあえず影に触れてみる。すると…
「うわっ!」
「なっ!」
先ほど身に付けたネックレスが光を放つ。
「あ!解けたよ!!」
そして、気がつけばいつの間にか影が消滅していた。
「は?」
意味がわからん。どう言うことだ。
手で触れる。と言うのが解放条件だったんだろうか?だとしたら緩すぎる……
なんて、考えていると辺りが急にざわつき始める。
「今、あの人影を消したの?」
「ほんと?」
「助けて!俺も助けてくれ!!」
「娘を!娘を助けて!!!」
「お母さんに会いたいよ!助けてー!!」
回りの壁に縛り付けられた人間たちがざわざわと騒ぎ始めたのだ。
仕方がない、解放してやるか…
っと考えていた瞬間
「させないよ」
シュッ!と槍が飛んでくる。
「あ!アイツ!アイツです!私にあの変なのつけたの!」
知ってる。
「ッ!アイツが来た!」
「ここまでか…」
「また駄目だった…」
「うえーん!」
おいこら外野、勝手に諦めるな。もう既にアイツのモンスター共は攻略済み。二人係なら負けることもない
「…やるぞ」
「ええ!?いきなり!?」
「だ、駄目じゃない…勝手にお人形さんを元に戻しちゃうなんて…」
「私はお人形さんじゃないよ!!」
「こいつらもお前が連れてきたのか?」
「そうよ…す、凄いでしょ?私の…お人形たち」
「ふざけるな。早く解放しろ。」
「嫌だよ…せっかく集めたんだもの。そ、そんなこと言うなんて悪い子だね…。私がお仕置きしてあげる!!!」
「来るぞ!!」
現影使いは自身の影から鞭を作り出し、横に凪払う。
「ッ!」
勿論私たちはジャンプで避ける。
「わっ!なに!今の!?」
「詳しく説明してる時間はない!影に気を付けろ!!」
すぐに次の攻撃が来る。天井付近の壁の影から大量の槍が作り出される。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
「同じ手を食らうか!!!」
私は降り注ごうとする槍に向けて冷凍バナナを投げつける。そして、放たれた槍は冷凍バナナに着弾(着槍か?)した瞬間、爆発。全ての槍が凍りつき、重さが増した槍はそのまま真下に落ちる。
「!?」
そして、瞬時に状況を理解し、奴の背後に回ったリノアが杖で奴を!!
「ッ!」
とは行かなかった!奴は影を纏い、攻撃を防いでしまった。
「かったい!!」
「足元に気を付けろ!!」
「え?うわ!あっぶない!!」
そして、案の定リノアの足元に影を作り出す。
「アレに触れるとまた逆戻りだぞ!」
「なんでわかるの!?」
「ミリノがやられた!」
「え?あっ!そう言えばミリノちゃんがいない!!」
今かよ!!!
「ミリノ…勇者様が!?」
「嘘だろ…じゃあさっきのって…!?」
「そんな…」
会話内容はわからないが悲観的な雰囲気に包まれてるのが伝わる。
ミリノってこんな有名だったのか…
そう気を取られた隙を狙ってか、すぐに別の影から槍が放たれる
「うわっ!?」
「あぶねえ!」
更に下からは針だ。
攻撃を避けると自然に現影使いから距離を取ることになってしまうのだ。
開いた空間を埋めるように、大量のダークウルフが現れる。
「グルルル!!」
「また出た!」
「問題ない!」
出てきた瞬間に冷凍バナナを投げつけ、氷像に変える。
幸い無駄に広いこの部屋では遠慮なく冷凍バナナが使える。
「何匹出しても無駄だ!」
「何匹倒しても無駄よ?」
氷像を踏み台に再びリノアが現影使いに接近するも再び影の壁に隔たれてしまう。
そして先程と同じように槍と針だ。
そして離れたところでウルフが生まれる。
「もう!キリがないよ!!」
本当にどうするか…この状況。
デザートコーナー!
「髪」
「そう言えばお前たちって特徴的な髪の色してるよな」
「それ貴女が言っちゃいます?」
「って、そう言えば私も黄色か」
「私は地毛だが、お前たちはどうなんだ?」
「私も地毛ですね。」
「私もz」
「ちなみにリノアさんはカツラですよ。」
「え?」
「ほう?ちなみに地毛は?」
「虹色ですよ。しかも発光します。」
「え?」
「マジか。眩しくないのか?」
「本人は気にしていませんが私がムカつくのでカツラを着けさせました。」
「なるほど。」
「全部嘘だからね!?」




