理解できるとは思ってないけど
十一日目、昼。
軍人さんが迷子です。
私は、昼から人通りが多いが、なんとなく妖しい雰囲気の道を歩いていた。
ぱっと見、子供がいない。
土曜の昼に子供を全く見かけないことがあっていいのか。駄目でしょう。
自問自答して、挙動不審になりながらも先に進む。
「ねえ、そこの子」
掠れた声が誰かを呼ぶ。そのままスルーしようとすると、ぽんぽん、と肩を叩かれた。
「ね、君。ここに来るの初めて?」
声をかけてきたのは女性。たぶん二十歳前後。
「はい」
「もしかしてお腹すいてる?」
「すいてますけど」
正直に答えると、女性は笑って、
「あたし店やってるんだ。そこで何か食べてかない?」
そう言った。私はこくんと頷くと、女性の後を追った。
「綺麗ですね」
「そう? ありがと」
女性は嬉しそうに笑う。バーみたいなそうじゃないような場所。
普通にこぢんまりした綺麗なところなのに、お酒の量が半端じゃなく多い。
「ねえ、君成人してる? そうならお酒どう?」
成人してはいない。だけど、お酒を出すところなら客層は成人以上。
だから、私は成人もしくは十八歳くらいに考えられてるのかも。
「ええ。私弱いんで、軽めのください」
にっこり笑ってみる。
今夜(今日?)は飲みまくってやる。軍人さんのばーか。
最初に出されたのは、お菓子みたいな色合いの可愛らしいお酒。
飲むと甘くて、ついつい飲み干してしまった。
女性はそれを見ると目を細めて笑う。
「おいしーでしょ、それ」
「はい」
「うちの人気のやつなんだ」
「そうなんですか」
ふわふわする。
勧められるままに一杯。また一杯。
飲んでいるうちに、頭がぼやけてきた。
「どうしたの?」
女性の声が、遠くで聞こえた。
暗闇の中で、私は泣いていた。
正確に言うと、泣いている私を上から見下ろしていた。
泣かないで。
声を出そうとしたけれど出ない。
泣かないで。
手を伸ばしても触れることはない。
どうして、泣いているの?
どうして?
「千早!?」
聞きなれた声が聞こえた。
誰だろう。
「千早、起きて。大丈夫か?」
私をがくがくと揺さぶる。
うるさいなぁ。
そんなにしなくても、もう起きるよ……。
ぱっと目を開けると、そこには軍人さんの顔のドアップ。
口を無言でぱくぱくさせると、軍人さんは困った顔をした。
「どうしてこんなところにいるの?」
軍人さんは私の額に手を当てた。
「顔真っ赤だよ」
そして奥に叫んだ。
「寝かせるところない?」
「あるよー」
奥から聞こえてくるのは、女性の声。私がお酒を飲んだお店の。
「もう、駄目じゃない。ちゃんと未成年なら未成年って言いなさい」
女性は私を覗き込んで言う。
軍人さんは私を持ち上げると、奥に向かって歩きだした。無言で。
心なしか、顔が険しい。
びこーず作者VS登場人物あとがきこーなー(・∀・)アハッ
作者:どうもお久しぶりですー。
ザシャ:お久しぶり、じゃないよ。どんだけ放置したと思ってるの作者。
作者:だってーうそつきがー。
ザシャ:だってじゃない。正直に言え。
作者:そこで軍人モードONになるの普通?! おかしいよ!
ザシャ:さっさと言え作者。
作者:わかりましたよ……ザシャさんを悪人にしたくなくて試行錯誤してましたよぉ……。
ザシャ:よく言った。というか俺が悪人になるわけないじゃない。
作者:まあ……そうだけど……。
ザシャ:ってことで次回は、新しい登場人物が二人登場するよ。
作者:うん……それ言うの私の仕事なんだけどね……。
ザシャ:とりあえず作者が消沈したのでここまで! またあした!




