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[Mission-073]

前回までのMission!


 SE隊員と共に異星人に挑む事となった昴流。

 KRⅢで果敢に挑むも敢え無く撃墜されてしまう。

 墜落の際に何とかアルカ達に転送して貰い、何とか秘密裏に機星へと乗り換える事に成功した。

 さてここから本気の戦いが始まろうとしていた。

[Mission-073]



 気が付くと俺は、第9機星(ソラ・ソード)の操縦席にいた。

 素早くコンソールに指を走らせ機体状況をチェックする。システムオールグリーン。傍らに新兵装のテイルランスを抱え、ファルアタートの転送射出口にて臨戦態勢だ。

「アルカ何時でもいけるぞ!」

 呟いて制服のポケットを漁るがそこは空っぽであった。

「……しまった置いてきちまった」

 携帯端末をKRⅢの操縦席に置いてきた様だ。BGM無しで戦う事に悩んでいると、アルカから通信が入った。

〈うむ、よくぞ戻った我が戦士(エイン)よ、だがすぐに出撃は出来ん〉

「どういう事だ?」

〈説明は私が行いましょう、我々の艦[ファルアタート]の転送機能はあくまで長距離航行用の技術を転用しただけ物も出あり、短距離の連続転送には対応し切れていない。つまり一回の使用事にインターバルを必要とする、今御前を操縦席に移動する為に使用したので機星を転送木で出撃させるにはもう暫くの時間を必要とする〉

「そんな悠長に待っていられるか! 今すぐ格納庫を開け!」

〈機星を全速力で移動させればそれだけ最大出力での戦闘時間が短くなる、あまり推奨出来ぬ話でございますな〉

「ならせめて皆の様子は分からないのか!?」

〈それくらいならば〉

 画面上のマスコットが何やら双眼鏡を覗き込むような仕草を下あと、モニターにウィンドウがいくつか表示され、それぞれに出動したSE隊員の戦闘状況や基地に居るCクラスの様子などが映し出された。恐らく基地内の監視カメラなどの映像を引き込んでいるのだろう。

『そんな……昴流! 応答して昴流!? 駄目……反応が、無い……』

『だ、大丈夫だよハハハ。この位でくたばるような奴じゃないさ!』

『と、ともかく救助隊の要請を!』

『今外は戦闘中だ! 戦いが終わるのを待つしかない……』

 基地内では妙にシリアスなムードが流れている。

 一方で戦闘に参加している隊員達も。

『くそ、隊長に続いて訓練性まで!』

『しかし攻撃が通用しないってのにどうすれば!』

『まだだ! ここで諦めたら基地の皆まで!』

『わ、私の……所為なのか?』

 ああもう、居た堪れない。こっちの都合であえて撃墜されたのだが、残った皆には申し訳ない事をした。

 いつの間にか戦闘は、基地のある島まで及んでいた。各所に設置された迎撃装置などが砲撃を加えているが、全く効いている様子はない。

 むしろ早々にこちらの攻撃は解析され、基地からの援護射撃がKRの退路を塞ぐ様に立ち回られている。

『我々の攻撃を逆手に……!?』

『B1(ブラボーワン)!?』

 新たにもう一機が爪の餌食となって虚空に散った。

 獅子型機は残った機体に向けて、こうなりたくなければ引くがよいとでも言わんばかりに咆哮を上げた。勿論選ばれし地球防衛軍(SE)隊員が、気圧された程度で任務を放棄する訳が無い。果敢に攻撃を続けるが、一機また一機と爪や牙や翼状の機関によって絶ち切られ撃墜されて行った。

「くそっ、っていうか何で機星が俺達の居た基地をわざわざ狙うんだ!?」

 普通侵略に来た異星人なら、首都とか兵器工場とかもっと主要な場所を狙う物なんじゃないのか? 確かにここは軍の基地ではあるが、その手前には物凄く目立つ軌道エレベーターがある。攻撃されると人類にとって非常に困る代物が目の前にあるにもかかわらず、それを無視してこんな小さな島の、軍隊に攻め込む異星人の戦術が俺には全く理解できなかった。それに関して、アルカが推測と言うかむしろ確信めいた口調で答えてくれた。

〈我が戦士(エイン)よ、恐らくだが機星はC(キューブ)の反応を追ってきているのだ〉

 そう言えば異星人達は電波以外の、S粒子反応とか生体波動とか独自のエネルギーを探知していたんだった。

「って事は俺を追ってるって事か?」

俺の持つC(キューブ)を追ってきているなら分からなくは無い。しかしその場合今だに基地をしつこく狙う理由が分からないのだが。

〈いや思い出せ、もう一つあの場にはC(キューブ)があったはずだ〉

「……観言のか!」

〈そうだ、第10機星(ソラ・グリフォン)は間違いなく機星に搭載されていないC(キューブ)の反応に惹かれてやってきたのだ〉

「ならなおさら、急がねぇと!」

 だからそれは呪われた品だぞって忠告したんだがな。しかし今さら言っても仕方の無い事だ。

〈焦った所で仕方が無い、ここは心を落ち着けて期を待つしかないぞ〉

 確かにアルカの言う通りだ、焦ってここから飛び出した所ですぐに辿り着くわけじゃない。その分のエネルギーロスも痛い。ならば転送可能になるまで待機した方が、この後の戦闘に全力を注げると言う物なのだ。

 理屈は分かっているのだが。

「焦燥感ばかりはどうしようもねぇ……!」

 表示されたモニターでは、唯一残ったメイ機も敵の攻撃をついに避けそこね主翼を破損、そのまま機体の制御を失って不時着した。あの様子ならパイロットは無事だろう。

 そして煩わしいKR機を全て叩き落した敵は、満を持してとばかりに基地へと向き直った。いくら軍用の基地とはいえ相手は異星人の機動兵器、それも全長18mの現代兵器を一切寄せ付けない化け物である。体当たりだけでも容易く破壊出来るであろう。

『退避命令が出ました、基地内の隊員は直ちにシェルター区画に避難を!』

『大丈夫です。隔壁内ならばミサイルの直撃にも耐えられます』

 基地のモニターでは隊員の避難が急遽行われていた。

 Cクラスの面々は予め隔壁内に通されていた様だが、あの機星の狙いが観言ならばこの様な隔壁など容易く食い破って行く事だろう。機星を前にしてこの場に安全な場所などないのだ。

 獅子型機が基地に向かって駆け出すと同時に。

〈よし我が戦士(エイン)よ転送の準備が完了した、敵の目の前に転送してやる!〉

「急げっ!」

 喋ると同時に俺はブースターを全開にし、機体を加速させた。





[アルカの手記-073]


「うむ、これは効く!」

「あー、やっぱ遊ぶにしても身体は疲れるっスからねー、こういうマッサージが癒されるっスー」

「現地のマッサージなどどれほどのものかと思ったが、ふむぅこれはハマる!」

「いやーファルアタートにもこういうの欲しいっスねー」

「そうだな、しかしこれで心身ともに癒され、明日からの激務に専念できると言う物だ」

「え、姫様の激務って一体?」

「何だ激務であろう、日夜姫と言う役職を背負って生きておるのだぞ!」

「まぁそういう意味では、この何物でもない位置観光客としてのバカンスは有意義だったわけっスか?」

「そうだな、まぁ地球ではあまり姫様姫様言われて持て囃されないからちょっと寂しくはあるが」

「そういうもんスか」

「さて、ではこのマッサージが終わったらバカンスも終了とするか」

「そうっスね、あらかた楽しんだし、こういうのは適度に切り上げるから貴重な時間になる物っスよ」

「しかし、戦いを離れこうして緩やかに過ごすのも悪い事ではないな、また時間を置いて今度他のばっかんす先にも向かおうではないか!」

「いいっスね、そういうご褒美が待ってると、日々の生活にも張り合いが出るっスよ!」

「さて、では来週でいいか?」

「いやもうちょっと時間置きましょうっスよ……」



[続く]

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