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[Mission-024]

前回までのMission!


 味方機の戦線離脱! アンノウン機の再来と、悪い事が次々と起きる!

 しかし捨てる神あれば拾う神あり? 戦線離脱したと思われた3番機がまさかの復帰!

 それが功を奏するのか!

[Mission-24]



〈[コルヴァズ]目標到達まであと6分、こちらの掌握完了まで現状が維持出来れば4分以内には完了出来ます〉

〈ちょっと無用な交戦は避けて残りの制御用KRを狙いなさいよ!〉

 そいつぁちょっと無理な相談だ。

〈ウルァァァァァ!〉

 3番機が先行し、アンノウンに対して銃撃を開始する。敵機は動きにくいはずの装甲板の上を、曲芸の様に軽やかに動き回り銃弾を避ける。その機動先に向かって俺は機体を動かし、ダガーを向ける。刃は接触するまでも無く敵の斬撃に弾かれた。やはり動きが速い。振りの挙動なのか、何か秘訣があるのか、刃を弾かれた衝撃は機体の腕を伝い、機体の半身を吹き飛ばすかのような反動が襲って来る。

「重い!」

〈こンのォォォォォ!〉

 3番機がさらにアンノウンに距離を詰めて迫る。接近した分マシンガン集弾性は確かに上がっているのだが、アンノウン機は一瞬機体を沈み込ませる様に屈ませて、直後バネが伸びるように跳ね起き3番機の懐へと入り込んだ。

〈ぐおおおお!〉

 刹那に無数の斬撃を受けて、3番機が装甲板の上に膝をつく。叩き切られた方腕が彼方へ散っていった。装甲が無いため方腕を犠牲にしたのが功を奏したらしい、主要機関に刃は達していない。

 その間に俺は機体の姿勢を立て直し、再びアンノウンへと刃を振るった。今度は刃をなるべく機体の重心上に。高周波ダガー同士がぶつかり激しい音と火花が弾ける。敵は俺の刃を軌道を反らしつつ引き付けるように受け流し、俺の攻撃の隙を無理やり引き延ばす。そして振り向く様に刃を振るって来た。とっさに俺も片腕を盾にして主要機関を守る。

 このわずかの交戦で俺とフレックスは互いに片腕を失い、機体は稼働限界間近。対して敵は無傷……悪い夢を見てるみたいだ。

〈くっそ……〉

 フレックスは諦めず、残った片腕でマシンガンを構える。

 俺もまだ諦める気はないが、しかし今の一撃で方腕のフレームが損壊、銃撃と違って装甲板の上と言う不安定な場所でダガーを扱うには、片手では厳しい。

 その時、突如としてアウンノウン機が急に横へと慌てて動いた。

 直後にその場所をワイヤーネットが通り過ぎる。モニターの後方視野を確認すると、ミサイルの先頭、制御に残った敵のKRがバズーカを構えてこちらを向いていた。それが俺達をまとめて狙った物なのか、それとも不意な乱入者の傍若無人を戒める一撃かは定かではない。ただ一つ言える事は。

〈このチャンス逃すかってンだ!〉

 残弾を撃ち尽くす勢いで、3番機が掃射する。敵はネットを避けた挙動の状態でさらに銃撃を避けるしか無い。無論その程度は曲芸の如き身軽な挙動で避けて見せるアンノウン機だろう。だがしかし僅かに生まれた動揺まではカバーしきれまい。

「その身軽さも考え物だな!」

 俺は咄嗟に敵の着地予想地点の装甲板の連結部を高周波ダガーで切り裂いた。身軽な動きも、この不安定な装甲の上では命取りとなる。ミサイルの上に居続けるには、動いた後に装甲板にしがみ付かなければならない。動きが大きければそれだけ装甲板の連結部に加わる力も強くなる。結果として連結部を断ち切られた装甲板ごとアンノウン機は宙へと浮き上がった。

 アンノウン機は他の装甲板に手を伸ばすが、その手を俺の投擲したダガーが制する。一度バランスを崩したらもう終わりだ。

 そのままアンノウン機は装甲板と共に、眼下の蒼へと落ちていった。

 アンノウン機が恐ろしいほどの加速能力を持っていようとも、この大気圏外軌道型弾道ミサイル[コルヴァズ]の巡航速度を単機で出せるはずも無い。そのことは予め内部に潜んでいた事からも推測出来る。

 慣性の法則は無慈悲だ。一度でも加速を止めた者は、外部から新たに力を加えられなければ振り落とされてしまう。

 言ってしまえば孤独である事が、アンノウン機の敗因と言えようか。

〈うそ……アンノウン機、作戦範囲から、消失……え、勝った?〉

〈いえ目標まであと2分18秒、ミサイルの機能停止が成功条件です〉

〈ほらよ〉

 気づけば、3番機が不用意にこちらを覗き込んでいた敵KR最後の一機をマシンガンで蜂の巣にしていた。先ほどの援護には感謝するが、まぁこれも任務の一環なので仕方が無い。

〈[コルヴァズ]の機能完全掌握、減速を開始します〉

 制御を失って、ミサイルの速度は落ち次第に高度が下がっていく。やがて蒼へと落ちて行く事だろう。

〈3番機と4番機は直ちに離脱してください、安全圏まで退避するのが成功条件よ〉

 ナビゲーターに言われて、俺は何となくフレックス操る3番機へと機体を向けた。

 後は離脱するだけなのだが、生き残った者同士、ここはアンノウン機を撃退出来た事を労うなり喜ぶなり何かするべきだろうか?

 どうも相手がフレックスじゃ、そう言った素直な言葉が出てこない。向こうも同じ気持ちの様子で、特に何も言わず、残った腕で俺の機体の肩を叩いた。

 すると既に限界に来ていた俺の機体の腕が、肩口から砕け散り、そのままミサイルの装甲板を転がる様に飛んで行った。そして運の悪い事に動力部へと引っかかるように入っていく。

「あ」

〈へ!?〉

 瞬間、ミサイルの動力部が異様な音と共に爆発し、それが内部のミサイル等に誘爆したらしく次々と連鎖爆発、画面が真っ白に輝いた。


 直後に[Mission Failed]とモニターに表示された。



[アルカの手記-024]


「何だまた失敗したのか」

戦士(エイン)の分際で嘆かわしいですな〉

「先の機星との戦闘も敗走だったしな、もしかして我の戦士(エイン)って弱い!?」

〈いえ姫様、あやつの肩を持つわけではありませんが、流石にそう決めつけるのは早計かと〉

「ではなんだと言うのか? 我の戦士(エイン)ならば常勝不敗の精神で居てもらわねば困るぞ!」

〈今までの戦闘を見てみましても、基本的に乱入者や情報不足等の外的要因による敗北が占めているように感じます〉

「つまり?」

〈奴が弱いのではなく単純に不運なのではないかと〉

「まて、それはありえん。我が戦士(エイン)に選ばれると言う誉を受けたのだぞ! これ以上の幸福があると言うのか!」

〈だからかと……いえ、無論私も姫様と思いは同じでございます!〉



[続く]

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