[Mission-018]
前回までのMission!
異星人の兵器をようやく使いこなし始めた昴流、敵の攻撃を見事に躱し、会心の一撃を叩きこむ!
果たして勝負の決着は!?
[Mission-018]
そのまま頭部へと刃は達し、装甲を容赦なく切り裂いていく。そのまま一刀両断するかのごとき勢いだったが、何故か剣は無数の粒子へと解けて手元から搔き消えてしまった。
「なっ!?」
それに伴って、コクピット内にアラートメッセージが流れる。同時に機体が何だか縮んでいるようにも感じた。どうやら最初の卵状態に戻っているようだ。
「どうしたって言うんだよ!?」
後もう一歩で倒せるところだったのに。慌てて宇宙服に問いかけると。
『うむ、エネルギー切れだの』
妙に落ち着いた様子でモニターの一画を指さした。そこに描かれているメーターは確かに残りわずかのような表示をして赤く点滅している。
『ソードの生成維持には60%のS粒子を必要とする、見よS粒子残量が残り3%だ、その為に機体が休止状態になったのだ』
「燃費悪ぃな……」
『そもそも第9機星は短期決戦に着眼点がおかれている。その代わり機動性や攻撃性能に置いては他の機星の追従を許さない。ちなみに稼働時間は全開出力で2分45秒だ』
「短けぇよ! ウ○トラマンにすら若干負けてっからな!?」
『それは時間内に決着を付けられなかった貴様が悪い!』
「だから制限時間とかそういうのがあるんなら事前に行っておけてっての!」
『何だと戦士ならそれくらい事前に把握しておけ! 残り残量僅かなのに恰好を付けるからてっきり何か策があるのかと思ったではないか!』
「ああもう、ほとんど動かねぇぞコレ、どうすんだ!?」
機体は手も足も丸く収納して、まさしく手も足も出ない状態だ。辛うじてブースターで移動は出来そうだが、それほど速度も出なさそうだ。
モニターでは、こちらの攻撃で転倒した敵がゆっくりと起き上がろうとしていた。もはや音声による通信はしてこない。蜥蜴の如く長い首が鎌首をもたげ、頭部のスリットから漏れる輝きが殺意を帯びている様にも見える。その様子から見ても、次の一撃は容赦無く止めを刺そうという意思が伝わって来るかのようだ。
「何か緊急用の補助エネルギーとかねぇのか!?」
『まぁそう慌てるな』
いやむしろ何でこの状況でお前はそう落ち着いて要られるんだと突っ込もうとした時、宇宙服が見つめる空の先が妙に明るい事に気が付いた。
『間に合ったか』
宇宙服の呟きと共に、画面端にマスコットが顔を覗かせる。
〈お待たせしました姫様! ファルアタートようやく到着でございます!〉
『遅かったなスミス、よし回収を急げ! 眼眩まし後にすぐこの場を離脱する』
〈はっ! ジャミング・ソングで攪乱を開始します、同時に短距離転送を行いますので機体を動かさないようにお願いします〉
マスコットが言い終わる前に、上空に突如として巨大な浮遊物体が姿を現す。その外観は翼を生やした魚といった見た目で、これもまた俺の知っている航空機や飛行戦艦とは似ても似つかなかった。
状況から見ても、これが彼女等の母艦なのだろう。
飛行戦艦は登場と同時に、夜空が昼間に変わるほどの膨大な量の粒子を放出した。
機体のモニターには無数のノイズが走る。
次の瞬間、軽い浮遊感と共に視界が暗転した。
[アルカの手記-018]
「ええい、実に惜しかったな」
〈全くです、後もう一歩と言う所で〉
「これもすべて、機体の残り燃料を考慮しなかった奴の責任だ!」
〈まぁあやつにも多少の非はありますが、重要な事を教えなかった姫様の責任は何処かにございましょうか?〉
「んん? 私か? 私は完ぺきだった。この危機的状況を私の機転一つで切り抜けられたのだ、これはもういう事は無いだろう」
〈全部他人に委ねているのに、まるで全ての采配が自らの手腕であったかのような振る舞いには感服する他ございませんな〉
「まぁ良いではないか、無事切り抜けたのだから。それまでの事をくよくよと悩むよりも、前を向いて進むべきだ!」
〈しかし次に襲ってきたらどうしましょうか?〉
「んん? まぁ何とかなるだろう」
〈やはりそれは無計画なのでは……?〉




