↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋する乙女の副作用  作者: 紅葉ういろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/35

ファンクラブ再来

 この日はたまたま、美男綺麗(びなんきれい)と港未来(みなとみらい)が揃って部活へと足を運んでいる最中のことだった。


 「不戦の約定(やくじょう)解かれ申した!!」


 そんな時代がかった台詞(せりふ)と共に、突如(とつじょ)として十一人の男子生徒たちがふたりの前へと現(あらわ)れた。


 「えっ!? なになに、何なのこの人たち!?」


 状況を全く理解できない港は、狼狽(うろた)える。


 「はぁ⋯⋯またおまえらか⋯⋯」


 一方で美男の方は鬱陶(うっとう)しげに息をつくだけで、あまり慌てる様子は見られない。


 「久しいな、美男殿。今回、拙者たちはお主らに最終勧告(さいしゅうかんこく)をしに来たのだ。そして⋯⋯えーっと⋯⋯誰だっけ?」


 思い出せないといった様子で、甲賀(こうが)は首を傾げた。後ろに控えていた男子生徒のうち一人が、フォローするようにこそこそと耳打ちをする。


 「あいつは港未来ですよ、甲賀さん」

 「あーそうそう! そうだったな⋯⋯ごほん。そして港殿にも、同じ用向きなのである」


 甲賀が改(あらた)めるように言う。


 「お主らへの罪状を申し上げる。えー、男子禁制の女子の花園である麻雀部への部活見学に行ったこと罪(ざい)。以上!」

「なにさその罪。そりゃあ入りづらかったけど、男子が見学しちゃいけないなんてことはなかったよ? きみたちも行けばよかったじゃないか」


 港が呆(あき)れたように言うと、後方に控えていた男子生徒たちから次々(つぎつぎ)とやいのやいのとヤジが飛んだ。


「リア充は死ねぇー!」

「白雪(しらゆき)たんと姫乃(ひめの)たんを穢(けが)すなーッ!」

「汚物は消毒だー!!」


「港殿には自己紹介がまだだったな、拙者は甲賀と申す。我々(われわれ)は茨白雪(いばらしらゆき)たんファンクラブの集いであり──そして、今ここにいる全員がこの桜木(さくらぎ)高校の風紀委員を務めている」

「嘘でしょ? この学校ほんとに大丈夫なの??」


 甲賀の淡々(たんたん)とした自己紹介に、港は信じられないものを見るような眼差しを向けた。


「これまで美男殿はあくまでも姫乃たんの彼氏、という立ち位置を守ってきていたので我々も目を瞑(つむ)っていたが──⋯⋯」

「オイ、まったく瞑れてなかっただろうが」


 前回のはた迷惑な大挙(たいきょ)を思い出した美男が口を挟んだが、甲賀は気にする様子もなく続ける。


「しかし! 此度(こたび)、美男殿は停戦協定をついに破ってしまわれた。あろうことか、姫乃たんを介して白雪たんにまで接触する始末。これはもう、とうてい許されることではないのだ⋯⋯!」


 わなわなと震える甲賀に、美男は呆れた顔をして答えた。


「変な勘繰りをされても困る。オレは茨とは一言も喋(しゃべ)ってない」

「そういえばぼくも、話した記憶がないや。⋯⋯というか男子だけ避けてるとかじゃなくて、女子も含めて三ノ宮さんとしか会話らしい会話はしてなかったよね」


 港が美男に同調するように言うと──


「尊(そん)ーーー!!」


 という同じ言葉を口にしながら、バタ⋯⋯バタ⋯⋯バタバタッ⋯⋯と、十一人の男子生徒が満足気に次々と倒れていった。この隙にと、港と美男はその場から退散する。


「結局あの人たち、なんだったの?」

「さぁ⋯⋯? オレにもよく分からん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。