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外れスキル【分身】は装備も増やせたので、追放された俺は一人軍隊でダンジョン配信したら企業案件が止まりません  作者: 月影光貴


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第2話 数の暴力

数こそ正義

 俺は近くの地下鉄の様な入り口をしたダンジョンに着いた。昔はこれに入るのにわざわざギルドまで行って許可証を取って、門番に見せていたらしい。


 だが今はこのライセンスをピッとするだけで駅の改札の様に入れるのだ!


——

Fランクダンジョン

第18入口

【現在の混雑率】

29%

【推奨人数】

1~4人

【推奨ライセンス】

F~E

——


 電光掲示板にはそう示されている、俺は機械にライセンスをかざした。


 ピッ


——

【Eランクライセンス確認】

神楽那由多

年齢19歳

スキルランク:E

スキル:分身

入場を許可します。

——


 それと共にこんな表示も出て驚いた。本当に配信は流行っているのだなと。


——

□配信しますか?

YES

NO

——


 無論、YESだ。


——

DiveONと接続しました。

配信開始。

——


「えっ!? これもう始まっている〜??」


 ポケットに入れていたカメラは宙に上がり、俺を捉えている。横にホログラムでコメント欄が見えるらしい。

 その上でコメントも機械音声が読み上げてくれる機能もあるらしいのでオンにした。


〈おお!遂にか!てか結構厳つい見た目なんだな〉


〈さあ、この前の数の暴力戦法を見せてもらおうか〉


 またあのCランクの人かな……まあ見返してやるさ。


「お楽しみに!」


 カメラに寄って笑顔を見せた。そして奥に進むとスライムが1匹いたので、流石にドローンではなくブレードで切り伏せていきながらコメント欄と会話。


〈いつ数の暴力見せるんだ〉


〈1匹くらいは高校生でも殺せるからやらんやろ……〉


「いやー、そうですね。流石に1匹には……」


 そう言った時に目の前にバグを疑うかの様に普通のスライム、赤いゴブリン、黒いスケルトン達が通路や溜まり場を埋め尽くしていた。

 稀に起こるモンスターハウスってやつか!? だが、これは普段ならピンチだが今は好機だ!


「コメ欄の皆お待たせ。見せてあげるよ俺の『数の暴力』を!」


 この声で全魔物のヘイトがこちらを向く。そして自分を3人増やす。

 

「——分身」



「そんでドローン全機発進! さぁ、無双の始まりだァ!!!」


 背中の母艦がプシューと音を立てて全てのハッチが開かれた。

 1機。

 2機。

 3機。

 ……

 8機。

 

 それが4人分。

 合計32機。

 瞬く間にダンジョン内の空を黒いドローンが埋め尽くした。

 

〈なんだと!?自分だけじゃなく装備まで増えるのか!?〉


〈それに分身の手には本体と同じ武器を持っているぞ!〉


〈32機!?!?〉


〈背負っている装備までコピーすんのかよ!!〉


〈分身スキルってこんな使い方できたの!?〉


〈こんなの企業が放っておかないだろ〉


〈スクショした!!!〉


〈クリップ保存したわ、切り抜き投稿するわ〉

  

 そして、ドローンの前面に青い魔法陣が出る。そこからEランクの規模では収まらない魔弾の雨が流れた。

 スケルトンの骨は削れていき、スライムは弾けて、ゴブリンは穴だらけ。


「あははっ!! かかって来なよ! 4人相手に勝てるならな!!」


 なんとか近づいたゴブリンを斬首し、スライムを蹴り上げてドローンで撃墜。

 逃げていく魔物も、無数の魔弾の魔の手からは逃れられない。


「全滅だァァア!!!」


 最後のスケルトンは集中砲火を受けて炭化した、だが通路の奥から次々と魔物が押し寄せた。


〈何匹いるんだよ……〉


〈逃げた方がいいんじゃない?〉


 それを聞いてもこの昂りを抑えきれず前進を選ぶ。


「殲滅だ! ドローン! フォーメーションBだ」


 ドローンは空中での配置が変わり魔物達をドンドン吹き飛ばして行く、ゴブリンは次々と吹き飛び、魔弾の雨に呑み込まれていく。

 俺自身もエネルギーブレードで切り尽くした。


「お前たちはどうする事も出来ないッ!」

 

 防御するための盾すら貫通し最後のゴブリンも撃退し尽くした。 

 そして少し息を落ち着かせるとコメントの音声が聞こえた。


〈うぇっ、グロい……〉


〈那由多くん戦闘時にはキャラ変わるのね……〉


〈てか普通のゴブリンとスケルトンじゃなくね?〉


 その機械音声を聞いてハッとなり冷静になると目の前は死屍累々。ドローンは殲滅を完了すると母艦に戻っていき、分身も解いた。


「すみません……まともに魔物と戦ったのって実は初めてで……」


〈初陣でこれかよ……〉


〈初陣でバーサーカーになるなwww〉


〈さっきまで厳ついけど好青年だったのにwww〉


〈強いからSNSで転載したらバズるかも〉


〈やったな!おすすめ急上昇入りしているぞ!〉


〈既に登録者5000人突破やんけ!〉


 そうしていると長文で目を引くコメントが流れた。そのアカウントには星マークがあった。


〈我が社、神代工業の企業案件にご興味はございますか?新兵器のテスターを募集しています。ご興味がございましたら弊社まで連絡をお願い致します〉


 そのコメントが流れた瞬間にコメントは湧き立っていく。まるでミュージシャンのソロライブの様に。


〈カミシロってマジかよww那由多くん勝ち組じゃん!〉


〈嘘だと思ったら星マークあるからモノホンやんけ!!〉


〈カミシロの武器はいいぞ〉


〈ダンジョン初配信で伝説作っていて草〉


 俺はポカンとした、名は確かに聞き覚えはあるがこんなに言われるほどにすごい案件だとは無知ゆえに理解できなかった、父の言う通り配信をして良かった……


「あはは……ありがとうございます! この後、早速連絡したいと思います! ……でもその前にボスを倒さないとね」


 そう笑って言った時だった、奥の道の方から5人くらいの探索者が駆け込んできた。


「生存者がいるぞ!」

 

 だが彼らは一歩踏み出したまま固まる。

 床一面に転がる魔物の死体。

 焦げ跡。

 穴だらけの壁。


「……は?」

 

「これを……一人でやったのか?」


 その言葉と同時に、コメント欄は爆発した。

 

〈これ、本当にEランクか?〉

 

〈バケモンじゃねぇか〉

評価よろしくお願いします

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