表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【蘇生スキルで世界最強へ】 無能だと思っていたスキルが進化して最強になりました 〜蘇生スキルを手にした俺は蘇った仲間たちと共に冒険者ライフを楽しんでいく〜  作者: ああああ
第三章 深淵に潜む絶対

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/49

ep.33 【炎怒】フレム=シーラ


剣を引き抜き、魔族と対峙する。

胸の奥でざわめくのは恐怖か、それともたかぶりか。──いや、今の俺は確かに自信に溢れていた。あのジルベルトを倒せたからだ。

圧倒的なまでの差があった存在を、かつて無能と蔑まれた俺が打ち倒した。その事実がある。


もう、あの頃の無力な俺じゃない。

クルエラの反射速度と回復能力。リノの膂力りょりょく龍殻ロンディラ。そして、多分だけどヴェルの力だって僅かながら宿っているはずだ。

今まで積み上げてきた経験と、スキルによる力の強化。【武闘王(バトル・マスター)】を倒したという事実とそれによる自信がある。だったら──目の前の魔族だって、俺ひとりで倒せるはずだ。



「はんっ、いけすかねぇ人間だなァ……!」



赤髪の魔族が燃える剣を肩に担ぎ、舌で牙を鳴らす。熱が乾いた落ち葉を舐め、ぱちぱちと音を立てた。



「かかってこいよォ!」



一歩詰めた瞬間、炎の刃が閃く。低く潜り、袈裟斬りを紙一重で外す。焼けた空気が頬を裂いた。踏み込みざま、切っ先をあばらの隙間へ滑り込ませる──が、弾かれる。重い。腕にのしかかるのは熱と圧だ。



風の弾丸(ウインド・バレット)!」



奴への目くらまし。圧縮した風弾が炸裂し、魔族の顎がわずかに跳ねた。隙だ。迷わない。



水の流刃(ウォーター・スペッズ)!」



掌を払う。刃のように締まった水線が細剣みたいに伸び、炎の軌跡を割る。触れた炎が鳴って、蒸気が爆ぜる。舌打ちが聞こえた。



「チッ……水かよ。めんどくせぇ!」



油断の色が、一瞬だけ瞳に浮かんだ。前へ刃を重ね、斬り上げるように重心を押す。足裏が土を踏む。利き手の脇を絞り、返す刀で首筋に狙いを移す。熱波の壁が押し返すが、水の大壁(ウォーター・ウォール)を薄く張って正面から向かい打った。


届く。いける──!



「……っら!」



金属音。火花。魔族の喉元に浅い赤が走った。ほんの紙一重、だが確かな傷だ。



「がっはっは……!」



魔族が笑う。驚きより、愉悦が勝っている顔。



「人間のくせに、力も切れも悪くねぇ。魔術も中々の威力じゃねぇか」



刃が光る。熱が一段と濃くなる。赤い瞳が形を変えて、獲物を見る目になった。



「だがなァ、調子に乗ってんじゃねぇよ!」



叩き込まれる横薙ぎの一閃。受け流し、半歩外へ。間髪入れず風の弾丸(ウインド・バレット)で目くらまし。斜め下からの突きを瞬時に合わせていく。感触が軽い。だが確かに通っている。押し切れる。呼吸を合わせ、視線でフェイント、足でリズムを狂わせる。低位魔術は全部、剣の線に沿わせる。やれる。押せる。押してる……!



「……おらぁぁ!」



首に一閃。決めにいく。刃が喉元を薙ぐ軌跡に乗った、その瞬間ときだった。



「来い、フレム=シーラ!」



低く呟いた魔族の前で、炎が爆ぜた。青白い灯が生まれ、めらめらと人型を縁取る。子どもくらいの背丈か。目の代わりにある空洞は、まるでこちらを見ているようだった。音も匂いも、ただ“燃える”という事実だけに置き換えられたような存在。


刃が、奴の首を裂く──はずだった。


切っ先が熱に溶け、半身の刃が空を切る。



「……は?」



耳の奥で遅れて爆ぜる音。視界が白に塗り潰された。皮膚が剥がれる。いや、焼け落ちる。呼吸をした瞬間、肺の内側が燃えた。龍殼(ロンディラ)が鈍く鳴り、表皮を覆うはずの光の龍鱗がひび割れていく感覚が走る。間に合わない。青白い炎が眼前に迫り、全身を貫く。



「……ぁ……!」



声にならない。膝が落ちる。視界の端で、魔族が退屈そうに欠伸あくびをした。



「どうしたァ。もう終わりか?いきがってた割に大したことねぇじゃねぇか!」



「……く……ぁ……」



喉が焼けて声が出ない。青白い影が首をかしげる。無言のまま、掌をこちらへ向けた。火が花みたいに開き、世界がまた白くなる。


……ああ、俺死ぬのかな。


魔族の声が遠い。



「やれ、フレム=シーラ!」



音が切れ、匂いが消え、光が遠のく。最後に見えたのは、青白い炎の影と、燃える赤い線だけだった。





「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、ページ下の評価☆☆☆☆☆5つ星をよろしくお願いします! 「面白くない……」「ここおかしくない?」など思った方は、ぜひ感想にてご指摘してください! どちらも私の向上心を後押しする材料ですのでどんどんお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ