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才能なし!?

 今日で研修を始めてから7日たった……俺の前でクレイ先生が苦々しい顔をしていた。

 俺は初級魔術のファイアーボールを無詠唱で放つ練習をしていた。

 だが、炎の玉を指の先に作り出すのだが、飛んでいかずそのまま空中にとどまった後に消えてしまった。

 身体の中の魔力を意識したことがない俺は、思った以上に魔力のコントロールに苦戦していた。

 炎の玉を無詠唱で作り出すことができるようになったのも最近だ、それもクレイ先生によると詠唱による場合より2倍もの魔力を使っているようだ。


「魔力だけは膨大だが、要領はよくないな君は。今までそういう努力をしたことがないからというのもある。成長が見られないわけではないが、研修期間は14日と決まっている。ランス社長には研修期間内でとりあえず使えるようにしてくれと言われているからどうしたもんかな?」

「すいません、ご迷惑をおかけします」


 俺はかなりヘコんだ。


「いや、私も決して要領がよかった方ではないからな。君の気持ちはわかる。まず、炎の玉を飛ばすことは考えず、炎の玉の大きさを小さく威力を高く収縮することを意識して、安定して炎の玉を出す、その練習は毎日するように!一つずつやっていこう」


 俺の要領が悪いのを見て、できることを一つずつやっていこうということだ。

 出来の悪い俺を放り出したりしないクレイ先生に感謝だ。


「ありがとうございます。がんばります!」

「さて……それはそれとして後7日で即戦力として働いてもらわないといけないからなあ、そうだ!君は呪文を詠唱しながら他のことはできるかね?」

「んー、試したことがないからわかりません」

「君の魔術は詠唱さえきちんとしていたら、魔術に集中していなくても自動的に発動するようだから、例えば剣を持って戦ったまま詠唱ができれば隙がないだろう?」

「なるほど……考えたことありませんでした」

「そこで私が作ったこの武器をあげよう!魔力銃だ!」


 クレイ先生は見たことのない形の物を取り出した。

 なんだろう?どうやって使うのかな?


「君は銃を見たことがないのだな?こうやって使うのだよ」


 クレイ先生が銃口を少し先の地面に向けて引き金を引くと地面が少しえぐれた。


「魔力を衝撃波に変えて撃ち出す武器だ。正直、魔力効率はあまりよくないので失敗作だよ。無詠唱で魔術を使えるならいらない。だが君なら呪文を詠唱しながら使えるんじゃないかな?試しに撃ってみたまえ」


 クレイ先生に渡された魔力銃を少し先の地面に撃ってみる。

 ドガッ!さっき、クレイ先生が撃った時より大きく地面がえぐれた。

 おおっ!結構威力あるな!


「さすがに魔力が膨大なだけあって威力が違いますね!」


 クレイ先生は少しあきれた顔をしている。

 少し考えた顔をして言った。


「試しにこれもつけてください。呪いの胸当てです」

「の、呪いの胸当てですか!?」

「それは前に試着した連中が言ってた名前です、本当は『テンタクルス・ジャケット』といいます」


 でも、呪いのって言われてたものって……。

 俺がためらっているとクレイ先生は苦笑しながら言った。


「魔法植物で作った胸当てで、攻撃に対して自動防御、反撃する。消費魔力が大きすぎるのと装備者の魔力が少なくなると、周りの魔力を吸い取ろうと暴走することがあってな……呪いの胸当てなんて言われたのです」

「えっと……それは失敗作というのでは?」

「ははっ、それでお蔵入りになっていたのですが、君なら大丈夫です。きっと使いこなせます」


 おいおい、使いこなせなかったらどうすんだよ?と思ったが、クレイ先生の目が怖いので装着する。

 クレイ先生が石を俺に投げつけてきたが、背中からツタが伸びてはじいていた。

 なるほど、自動で攻撃を防いでくれるわけか……これは便利だ。

 少し魔力が吸い取られる感じがあるが、これくらいならたいしたことはない。


「魔力を吸い取られるでしょう?大丈夫ですか?」

「はい、これくらいならたいしたことはありません」

「……さすがだな。慣れたら、ツタを手足のように使えるぞ。まあ、魔力を消費するのでとりあえずは防御専用にするといい」

「わかりました!」

「よし!これから呪文を詠唱しながら、魔力銃で的を狙う練習をするぞ!」


 こうして俺のスパルタ研修は続くのだった。

 


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