カオスワールド
ガウスたちは見知らぬ三人組と向かい合っていた。
「カオスワールドだと!?」
「ああ、おまえたちはどこかから転移してきたんだろ?いっぺんに三人とは珍しいが」
「なぜ、そんなことがわかる?」
「俺もそうだったし……そう珍しいことでもないからな、当てづっぽうだ!」
「おいおい、テキトーかよ」
「おまえたちは自分の世界のどこかに転移したと思ってるかもしれないが、ここは異世界だぞ」
それを聞いたサラとカストロは呆然としている。
「異世界……そんな……」
「……何か証拠でもあるのか?」
「今すぐに見せられる証拠はないが、すぐにわかると思うぞ……この世界では異世界人なぞ珍しくもないからな」
「何か帰る方法はないの?」
「この世界から別の世界に行けるのではないか?というところはあるが一方通行だしどこに出るかわからん……帰れる確率は低い。ただ死ぬだけかもしれん」
サラは青い顔をしている。
誰か大事な人でもいたのだろうか?
妬けるな……。
「俺のことはムサシと呼んでくれ、そっちのデカい男はハルク、ちっちゃいのがリリスだ」
「……」
「ちっちゃい言うな!」
上半身裸のデカい男・ハルクは俺たちの方を見てうなずいた。
無口なのだろうか?
リリスと呼ばれた少女はムサシに向かってクチビルをとがらしている。
リリスは黒っぽくて動きやすそうな服を着ている。
「他にも聞きたいことがあるだろうし、おまえたちに聞きたいこともあるが、ここでは落ち着かない、俺たちについてきてくれないか?」
ムサシが言ってくる。
何もわからないことばかりだからしょうがないか……。
ある程度、信用できそうな感じもするしな。
俺たち三人がムサシたちについていくと、いきなりでかい車に乗せられた。
「何なんだ?この乗り物は!?」
「すげー速いぞ!」
「わあ!すごーい!」
俺たちの様子を見て運転席にいるムサシが苦笑する。
「これくらいで驚いていたら先が思いやられるぜ、俺自身にも覚えがあるがな」
「覚えがある……ということはおまえも異世界人なのか」
「ああ……とは言ってもおまえたちとは違う世界だろうがな、運転中なのでリリス!質問に答えてやれ!」
「えっー!なんで私が……ハルクは無理か……しょうがないなあ、おねえさんが色々教えてあげる、うふっ」
なんか色々ツッコミたい気もするがここは華麗にスルーする、ムサシやハルクは笑っているが。
色々リリスに質問して、この世界のことが少しわかってきた。
この世界、カオスワールドはなぜだかわからんが、他の世界から転移してきた人が多いらしい。
どこの世界から転移してきた人でもなぜか言葉が通じるという……同じ世界から転移してきたが、元の世界では言語が違っていた場合でもカオスワールドでは言葉が通じるようになったという話だ。
もっとも、人だけじゃなく魔物や物品も転移してくるようだ。
そして、リリスたち三人も異世界人らしい。
それぞれ元の世界は別らしいが。
この世界には冒険者ギルドが存在しないらしい。
代わりにたくさんの人材派遣会社とやらがあり依頼を受けて仕事を請け負っている、リリスたち三人は人材派遣会社『竜の息吹』に所属しているようだ。
今日は俺たちが倒した白い虎の魔物の討伐依頼があって森に来ていたらしい。
「おい!そろそろ着くぞ!」
いつの間にか、外の道沿いにはびっしり建物が並んでいた。
そして、少し古くなった5階建てのビルの横に車を止める。
元の世界の建物にくらべて巨大にビルに驚くガウスたちだった。




