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Force  作者: 本願寺 裕真
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『いよいよ、残り10分になりましたね。』


司会者の男性が圭介に言うと、


『現時点で3組ともに2通ずつですね。

では甲板に向かいましょうか、米村さんは館内放送で

甲板船首へ集まるように指示して下さい。』


そう言うと圭介は部屋を出ていった。


『封筒は見つかりましたでしょうか?

残り時間10分です。皆様、主催者の本多よりヒントを与えます。

甲板船首へ御集まり下さい。』


米村はそう言うと館内放送をオフにした。


圭介は甲板船首中央に立ち、3組が現れるのを待っている。


最初に浩平達が来て、次に相島、岸谷の順番で集まった。


全員が集まったところで、


『皆さん、残り10分となりました。皆様、封筒は何通見つかりましたか?』


圭介はみんな2通ずつ持っているのを、


知ってるにも関わらずあえて確認した。


『皆様、2通ずつですね、ではヒントを出します。』


3組とも圭介の次に出てくる言葉を待ち望んでいる。


『まず最後の封筒は3組分、同じ場所にあります。

そして、甲板から下にはありません。』


3組はどよめいている。


『では、残り10分。悔いのないよう、お探し下さい。』


そう言うと圭介は3組の横を足早に通りすぎた。




『3組ともいよいよ最後の1つとなりましたが、

その最後の1つはなんと同じ場所に置いてあるとの事です。

残り時間は10分、見つかるのでしょうか?』


田中雅美の声にも力が入る。


『残り10分、どうします?』


相島は岸谷に話しかける。


相島は予選が始まるまでは、岸谷を住宅ローンの返済の為に


参加したチームとして軽く見ていたが、


予選通過後は岸谷達に一目おいていた。


『3組とも封筒を手にするか、それとも終わるかだから、

ここは皆さん休戦と言う事にしませんか?』と


岸谷が言うと、『賛成!』と香織が言う。


千夏が浩平に


『ここはみんなで探しましょ?お姉さんの言う事は聞くように。』と


笑顔で言う。


健吾もうんうんと頷く。


『じゃあ船尾は私達が引き受けましょう。』と一幸が言う。


『船首は私達が探します。』遥と優子が続く。


『では相島さん達は中央部をお願いします。』と


岸谷が言うと『わかりました。』と相島と香織がこたえ、


3組は一斉に探す場所に向かった。

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