第9話 サンドリッチメロン
サンドラムの街。
フリーオアシスに警備兵団が向かい、魔物退治を実施した。
魔物サンドスコーピオンは、やはり、魔人ラムによって作られたようで、ラムの魔法陣が発見された。そこから、ミニマム魔物が、出現する仕組みになっていたようだった。
ダオ財務大臣は、魔法のランプを封印した銀の箱を警備兵本部に引き渡した。魔法のランプは、人に対する悪意を持った罪で投獄された。
魔人ラムは、魔力没収の罪となった。
そんな感じで、魔法のランプ騒動は沈静化した。
「ただいま」
「ただいまだぜ」
毎朝の水くみを終えたテーダンとジンリン。
別荘に帰ってきた。
頭が悪くても、水をくんで、売るだけで成り立つ水商人。
砂漠精霊ジンの長老スフィンクスから、もらった職業を続けることは、喜びである。
「商人さん。大ニュースですわ」
留守番をしていたパトラちゃんが、号外を持ってきた。
こちらも、夢に対する喜びの話題だ。
それを広げて見せてくれる。
「サンドリッチメロンが、売り出されたそうですわ」
第9話 サンドリッチメロン
サンドリッチメロン。
砂漠王国の名産品を目指して、首都ニューデザートで、研究されているメロンの品種。
砂漠や地下洞窟の中で、育てるもの。
魔法のランプの効果で、一時的幸運を得たテーダンは、億万長者となり、別荘を持った。
お金もまだ残っていたので、お取り寄せ注文をすることにする。値段は、もちろん高い。
パトラちゃんは、メロンが大好きだ。
大好きなパトラちゃんのためだ。
「パトラちゃんのために買うよ」
「うれしいですわ。商人さん」
見つめ合う。
照れくさいが、不思議と安心感がある。
「水商人テーダンはいるか」
警備兵が、銀の箱を持って訪ねてきた。
魔人ラムを更生させるため、話をしたところ、魔物に刺させてしまったパトラちゃんにお詫びがしたいと言う話になった。
「望みを一つ、叶えたいという」
警備兵は、黄金色のクリスタルと銀の箱を見せる。
「ごめんなさいデース…」
小さく魔人ラムの声がする。
その魔力は、黄金色のクリスタルに封印されている。
パトラちゃんの今の望み。
“サンドリッチメロンを食べること”。
しかし、それは、首都にしかない。
「今、具現化するほどの魔力は無いデース」
でも、魔法のじゅうたんなら、出せるという。
「魔法のじゅうたん…ですの?」
魔法のじゅうたん。
空を飛ぶじゅうたん。それは、首都ニューデザートへひとっ飛びできる。
「魔法のじゅうたんをあげマース。それで、サンドリッチメロンを食べてきて欲しいデース」
黄金色のクリスタルが輝く。
ボワッと。
魔法のじゅうたんが出現する。浮いている。
パトラちゃんが乗る。
テーダンも乗る。
まだ余裕がありそうだ。
ジンリンも乗る。
「じゃあ、気をつけるように」
警備兵に見守られて、魔法のじゅうたんは、空高く飛んでいく。
そのまま、砂漠を抜けて、最短ルートで魔法のじゅうたんは飛んだ。
「冷風の魔法陣付きで、快適ですわ」
「空飛ぶじゅうたんって、すごいよな」
「ちょーすげえ」
パトラちゃん、テーダン、ジンリンは、ほんの数刻で、目的地の砂漠王国の首都に到着した。




