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第5話 ランプ効果

 サンドラムの街。オアシス水売り屋。

「再び、よろしくお願いしますわ」

 パトラちゃんが、お辞儀をした。

 引き続き、妹オキミと同室で寝泊まりすることになった。

 今度は、財務大臣公認なので連れ戻されることも無い。

「パトラちゃん。魔法のランプ。俺がもらっていいのか?」

 テーダンは、輝いていない魔法のランプを持っている。

「ですから、魔法のランプは、秘密があると言いましたわ」

 微笑むパトラちゃん。

 財務大臣邸で、魔法のランプの所持者は、テーダンに正式譲渡された。

 魔法のランプの所持者は、幸運が舞い込むことになる。

「だから、幸運が手に入るのなら、手放したくないんじゃないのか」

「父たちは、十分幸せですわ。大富豪ですもの」

 パトラちゃんは、テーダンの元に歩み寄る。

「新しい所持者が幸せになっていくことが、きっと父の望みなのですわ」

 魔法のランプの所持者は、移り変えていく。

 それが、ダオ財務大臣の望みだった。



 第5話 ランプ効果



 魔法のランプの所持者は、幸運になる。

 どんな望みも叶える魔人ラムの影響下で、幸運なことが起こっていくのだという。


「あれ?」

 テーダンは、水売り屋の店内で、コインが落ちているのを見つけた。

 年代物の旧金貨だ。

「すげえ。いきなりの幸運だぜ」

 面白顔のジンリンが、ギョロ目で見ている。

「いや。落とし物だろ。警備兵に届けないと」

「真面目だぜ。テーダン」


「あ。そうだ。お兄ちゃ〜ん。宝くじ買ってみな〜い」

 妹オキミが、手を上げる。

「そうだな…。試しに買ってみるか」


 サンドラムの街。警備兵交番。

「金貨の落とし物なんだけどさ」

「うむ。預かろう」

 テーダンは、警備兵に落とし物の古い金貨を渡す。

「魔法のランプの所持者になったらしいじゃないか」

「あ、はい」

「悪用は、するなよ」

「はい」

 交番の帰り道。宝くじを買った。



 テーダン。

 1等100万ゴールドを当てる。


「ま、まさか…」

 驚きを隠せないテーダン。

「魔法のランプ効果ですわ」

 夢見がちに、ささやくパトラちゃん。


 テーダン。

 幸福の青い鳥を見つける。


 テーダン。

 幻のツチノコを見つける。


 テーダン。

 巨大ダイヤモンドの原石を見つける。


 テーダンは、三日間で、億万長者になった。

 家の金庫には、札束が入りきれないほどになった。

 お金をたくさん持つことは、不安だった。

 使おうということになる。

 テーダンは、フリーオアシスに近い場所に空き家を見つける。そこを、別荘として現金払いして手に入れた。


 サンドラムの街。テーダンの別荘。

「ここが、俺の家…」

 放心状態のテーダン。

「魔法のランプパワーは、すげえな」

 ジンリンは、ソファでくつろいでいる。


「これで、貴方は、もう働かなくてもいいですわ」

「…」

 立ち尽くすテーダン。

 それに、すり寄るパトラちゃん。

 お金がたくさん手に入った。

 働かなくていい?

 毎日、ジンリンと楽しく、水くみに行くのをやらなくていいって、何だ。

 あれは、生き甲斐だ。

 止めたくない。

 何で、いきなり“リッチ”に、なったんだ。

 魔法のランプ効果なのか。

 止めよう。

「ジンリン」

「おう。わかってるぜ。テーダン」

 魔法のランプを手放そう。それ一択だけだった。

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