↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/10

第4話 大富豪

 サンドラムの街。オアシス水売り屋。

 砂漠の警備兵たちに囲まれていた。

「お兄ちゃ〜ん」

 テーダンとジンリンが荷車で帰ると、妹のオキミが飛びついてきた。

 パトラちゃんが見つかったらしい。

 店番をしていたオキミが、自分の部屋に寝泊まりさせていることをしゃべってしまったようだ。

「パトラさん。怒られてたよ〜」

 パトラちゃんの父親の財務大臣が怒ったのだ。

 サンドラム美術館にあった魔法のランプ。

 それが、光り輝いた時、パトラちゃんは、自分の望みを叶えたいがために盗んで逃げたのだ。

「パトラちゃん。大丈夫かな」

「マブイねーちゃんだったけど、強欲だったな」

 テーダンとギョロ目で面白顔のジンリンは目を合わせる。

「俺たちなら、返すよな」

「そうだぜ」

 魔法のランプを、美術館に返すのだ。

 テーダンは、愛用のショルダーバックから、魔法のランプを取り出す。

「パトラちゃんって、女の娘からもらったんだ」

「返すぜ」


「おお。魔法のランプか」

「パトラさまから、話は聞いている」

「お前たちは、悪くないから安心してくれ」

 警備兵たちのもとに、魔法のランプを返却する。



 第4話 大富豪



 財務大臣ダオ・ミト。

 砂漠の王国の財政、金銭の管理を任されている大臣。

 一人娘のパトラちゃんには、厳しく。英才教育をしてきたが、ほとんど習得することもなく、のんびりとして頑固な女の娘にしてしまった。

 魔法のランプを任されるほど、王国で信頼されている人物だが、娘パトラちゃんの盗っ人騒ぎで、とても怒っている。


 テーダンとジンリンは、パトラちゃんから、会いたいと言われて、財務大臣邸にやって来た。


 だきっ。


 テーダンは、来て早々とパトラちゃんに抱きつかれた。

「え?え?」

「わたくし、婚約するなら、商人さんがいいですわ」

「婚約?パトラちゃん?」

 盗っ人パトラちゃんは、落ち着いた人間になるように、父の財務大臣に婚約をするように言われた。

 相手は、大富豪の息子なのだが、パトラちゃんは、商人テーダンと婚約したいという。


「パトラ。お前は、本当に我がままに育ったな」

 ダオ財務大臣があきれている。

「商人さん。わたくしと婚約しましょう」

「うわ。うわ」

 女の娘に耐性の無いテーダンは、あわてている。

「…お、お前、僕のパトラさんの何なんだ!」

 背の低い男の子に、文句を言われる。

 ホルス・ジアム。14歳。

 大富豪である。

 サンドラム美術館の館長の息子で、数多の美術品コレクションをしている。

 魔法のランプも、その中の一つ。

「パトラさんとは、僕が婚約するんだぞ」

「パトラちゃんの婚約者なのか」

 テーダンは、パトラちゃんを押し返す。

「パトラさん。僕から、離れないでね」

 小さい婚約者ホルスは、パトラちゃんと手をつなぐ。


「幸せそうだな。パトラちゃん」

「本当だな。幸せそうじゃねえか」

 テーダンとジンリン。同時にうなづく。


「商人さん」

 パトラちゃんは、テーダンに手を伸ばしてくる。

「パトラさん」

 婚約者ホルスは、それを引き戻す。

「わたくし、商人さんがいいですわ」

 うなだれた後、顔を上げる。

「商人さんに魔法のランプをあげたいですわ」

「え」

「ああ、魔法のランプをもらってくれるのか」

 財務大臣も、喜んだ顔をする。

「それなら、婚約を白紙に戻そう」

「ええ?」

 大富豪は、何を考えているかわからない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。