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第3話 砂漠のフリーオアシス

 サンドラムの街。オアシス水売り屋。

「わたくし、追われる身なので、ここに寝泊まりさせてくださいな」

 パトラちゃんは、魔法のランプの権利をくれると言う。

 寝泊まりする場所の提供が欲しいと言う。

「アタシと相部屋で良いなら、寝泊まりしていいよ〜」

 妹のオキミが、ウインクする。

 居候が増えたということでパトラちゃんを受け入れた。


 開店の看板を出す。オアシス水売り屋の営業開始である。

 すぐに、夫婦のお客さまが来た。

「飲み水を二人分ちょうだいな」

「はい。2ゴールドになります」

 オキミが、お客さまの水袋にタルの蛇口から、水を入れて売っていく。

 その後も、続々とお客さまが押し寄せた。

 大盛況である。

 今日は、特に暑い。

 離れたところにあるオアシスの水は体力回復効果があり、どの層のお客さまにも売れまくる。

 在庫も、常温保存が可能であり、オアシスの元値は無料。大もうけである。


「ジンリン。俺たちの頑張って運んでくるオアシスの水、売れまくるよな」

「おう」

 テーダンとジンリンは、喜び合う。

 魔法のランプなんていらない。

 今、十分に大もうけしているのだから。



 第3話 砂漠のフリーオアシス



「では、魔法のランプをお渡ししますわ」

「あ、ありがとう。パトラちゃん」

「次に光り輝く時に、お使いくださいな」

「あ、ああ。わかったよ」

 テーダンは魔法のランプを手渡される。

 次に輝く時までに、どんな望みを叶えたいか決めなくてはいけない…か。


 早朝。

 タル二個を、ゆっくり店内に運ぶ。

 反対に、カラになったタルを、外の荷車に乗せる。

 テーダンは、頭に、ターバンを巻く。

「商人さん。お出かけですの?」

 気づいたパトラちゃんが、駆け寄る。

「ああ。パトラちゃん。朝の早いうちに一回。水くみに行くんだ」

「オレも一緒だぜ」

 面白顔でギョロ目のジンリンも、ターバンを巻く。

「お気をつけくださいな」

「え」

「商人さんは、今、魔法のランプの所持者ですわ」

「あんまり、外に出ない方がいいってことか?」

 魔法のランプを、誰にも渡さないため、隠れるべきか。

「商人さん次第ですわ」

「どうしよう」

 テーダンは、困ってしまう。

 とにかく、愛用のショルダーバックに魔法のランプを入れてある。

 いつも通り、離れたオアシスまで、行き来するだけなんだから、大丈夫だろう。

 出かけることにする。


 サンドラムの街離れ。フリーオアシス。

 無料で、水をくめる、水売り屋に福をもたらす水場。

 先日、水が飛ぶように売れたのでタルを四個持ってきた。

「オアシスには、いつもお世話になってるよな」

 水くみ係のテーダンが、木のバケツで、フリーオアシスの水を丁寧にくむ。

「オアシスのおかげで、オレたち大もうけだぜ」

 魔法補助係のジンリンは、それを見守る。

「魔法のランプなんかいるかな」

「我がままだぜ。テーダン」


「“望み”って、何かあるかな。ジンリン」

「そうだな。オレたちには…ねえな」

「無いや」

「あれか。返しちまえばいいんじゃねえか」

 ジンリンの言葉に、テーダンもうなづく。

「俺たちに不要なものだよな」

「それだぜ」

 二人で、ニヤリと笑う。

 財務大臣に魔法のランプを返そう。

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