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怪を喰む  作者: 毎日馬鹿
もぐもぐキューカンバー
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もぐもぐキューカンバー007

先ずは何から話せばわかりやすいかな、あの〝黒い手〟それとも〝俺が何者なのか〟それとも〝怪異〟について?何もかもが少年が知らない物だろうけど、それでもおおよその推察は着いてるんだろ?

〝黒い手〟〝俺が何者か〟そのどちらを語るにしても「怪異」の存在を知ってもらわないと理解できないだろうから、先ずは〝怪異〟について語るとしよう。

〝怪異〟と1つに括ったような言い方をしたけれど、これは人とは基本的に交わらないそれでいて傍にいる隣人のような物の総称だ。常にソイツらは近くにいて、〝何か〟が起きない限りは関わりを持たずに一生を終えることができる。もちろんその方が幸せだ。深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗く。連中はそれでいてどうしようも無く理不尽ときてる。疫病神みたいなもんだね、〝怪異〟は見ざる聞かざる言わざるが吉なんだよ。

そして〝俺が何者か〟について。端的に語るならそれらの〝怪異〟を理解し必要なら分解再構築を行う、怪異の収集家って所だな。慈善事業じゃないよ、しかもサラリーマンだ、上司は怖いし、大物相手だと死にかけることなんてザラだし、ブラック労働もいい所だよな。

さて、ここまで着いてきてるかなアリクイ君。ここまで語れば後は君の想像通りだとは思うんだけど、折角だおじさんの語りをもう少しだけ聞きたまえよ。

〝黒の手〟もとい、君の幼なじみ、もとい〝河童〟の話をしよう。そもそも〝河童〟とは何だと思う?頭に皿乗っけて亀の甲羅を担いだUMA?それはまた典型的な河童像だね、河童像って河童なのか象なのかわかんなくなる面白い言葉だね。でもアリクイ君が言ってくれたソレは当たらずとも遠からずではあるんだ、しかし君の幼なじみは頭に皿をつけてないし甲羅も担いでないし肌の色も緑じゃない。じゃぁ河童じゃないじゃないかと言われれば、そうじゃない。元来河童は水神の零落した姿だとか言われてるんだけど、これもそうじゃないんだ。河童の特徴から考えて見ようか、なんだと思う?頭の皿?亀の甲羅?ツルッとした緑色の皮膚?ギョロっとした目玉?尖った口元?やや小柄な体躯?やっと繋がってきたみたいだね、アリクイ君は顔色がわかりやすいから君と話してると楽しいよ。川に居て人型の小柄な体躯は、人間の子供しかいない。流された人の死体は岩場に頭部が当たり毛が剥がれる事が多かったと言われてる。数日経った人の体は血液が回らず紫に変色していく。口元はふやけて、目玉は飛びで、おおそんなに叫ばないでくれよ。ほらモグリちゃんが怖がっちゃってるじゃないか、折角君が助けたんだちゃんと大切にするべきだと思うけどね。だから、水死体の怪異〝河童〟なんだよ。

そしてやっと今件だ。長かったね、後ちょっとだよ。この川の河川敷を歩いていたら何かに引っ張られて川に引き込まれそうになった、そういう報告がここ1年で20件以上挙がってるんだ。それもその半分はこの街に住む19歳前後の女性。あとは被害者の交友関係と水死体で関係性を洗ってしまえば浮かんでくる。そう、今回の渦中は君の幼なじみだ。

彼女はきっと寂しかったんだろうね、いや、今も人恋しいんだと思う。おおよそあの引き込んだ先の、暗く静かな川底に彼女の残りがまだあるんじゃないかな。だってそういう性格だったんだろ?

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