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『残憶レプリカ:』プロットver  作者: 毎日馬鹿
壱章 もぐもぐキューカンバー
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5/54

もぐもぐキューカンバー005

「いやぁ、想像以上だったよ」


涙が滲む僕とは対称に、こいつは楽しそうだ。

しかしもし、黒い手が僕の幼なじみであったとしても、理由がわからない。


「そして差し詰め、朝から少年がやってた釣りは、その思い出のブレスレットを探したマグネットフィッシングだったって訳だ」


彼は僕が持ってきていた針のない釣竿を指さす。


図星だ。


人の気持ちを逆撫でるやつが上手いんだろう。

片や皿谷 潜は落ち込む僕を見て背中をさすってくれている。優しい子だ。


「右手に少女抱えて、足は幼なじみに引っ張られ、考えてみれば少年、君はモテモテじゃないかい。いいなぁ生まれてこの方俺は女性に運が無かったからね、羨ましい限りだよ」


だろうな。

とは流石に言わない。


そして最終的に引っ張りあげたのは中年男性のお前である。

命の恩を感じるシーンが、まるで台無しだ。


「整理できた。落とし所も見えた」


「なにも分からないんですが、結局この黒い手がどう皿谷ちゃんと関係があるって言うんです?」


「あるよ、大アリだよ。オオアリクイだよ。分からないのかいアリクイ君」


誰がアリクイだ。あんなあほ面に見えるのか。


「分かりやすく教えてくださいよ。一体あなたは何なんですか。何を僕らに隠しているんだ」


苛立ちを込めて少し強い声色。

……しまった。


皿谷 潜に威圧感を与えていないだろうか。少女の家庭環境はきっと。


「落ち着いてくださいよ、アリクイさん」


ぬぅ、お前もそっち側か。


「元気だねぇ、アリクイ君。慌てなくていい。きっと君も納得すると思うよ。黒い手の事とも、そして君の幼なじみちゃんの事も、そして」


「僕がやってたキューカンバーフィッシングの事も」

彼はキュウリの着いた竿を振って、笑った。

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