表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『残憶レプリカ:』プロットver  作者: 毎日馬鹿
参章 ぱらぱらドリーム
PR
39/54

ぱらぱらドリーム003

「意外と強引じゃん。××ってもっと奥手だと思ってた」


「そんなんじゃねぇよ。……いや、見えただろ。警官」


アスファルトを蹴る音だけが、やけに大きく響く。縒木の腕を引いて走る。行先なんて考えてなかった。ただ、今はあの公園から離れなければいけない気がした。


「なんで、そんな必死なの」

走っているくせに、縒木は妙に笑っていた。


「おまえこそ、なんでそんな悠長なんだよ」


今日の縒木は、ずっと薄氷の上を歩いてるみたいだった。少し突けば、そのまま割れてしまいそうなくせに、本人だけが、それを気にしていない。


「そうだね、確かに。捜索願も出されてるだろうし、気づかれたら捕まっちゃうかな。もっと真剣に逃げようとするべきだったのかもしれない。

……でも、君には関係ないでしょ?××は私が捕まったって、君は何の不利益もないんだからさ。だから、なんでそんな必死なの」


「それは……。」


上手く答えられなかった。放っておけばいい。本来なら、そういう話だ。

なのに、掴んだ腕を離す気にはなれなかった。


「もしかしたらさ、さっき警官に見られちゃったかもね。誘拐犯と思われちゃってるかも。あーあ」


一緒に走りながら、それでも口数が減らない。こんなに喋るヤツじゃなかった。それでも、沈黙を埋めるみたいに、彼女は言葉を吐き続けていた。


「ね、××。」


息が上がる。

走ったせいなのか、縒木の言葉のせいなのか、もうよく分からなかった。


「大丈夫だよ。もし捕まっても君は関係ないって、私が勝手に家出しただけだって、ちゃんと言ってあげるからさ」


その言葉だけ、まるで諦めきった人間みたいだった。

縒木が急に立ち止まる。引かれるみたいに、僕も足を止めた。乱れた呼吸のまま、彼女は僕の両手を包むように握る。


──────だから


「家出の、共犯になってよ」

その手は、少しだけ震えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ