表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/80

45.顔合わせ

太陽暦1305年5月初旬 高白麗


 鶴城の滞在が2週間ほど経った。今回の滞在には朱陽との旅行も兼ねており江政長の入城より早くこちらに来ておったわけなのだが、朱光も朱陽もその顔には笑みがあったようで一安心である。

 我としても家族を蔑ろにするつもりはない。我は海興国の王であると同時に、2人の夫であり、2人の子供達の父でもあるのだ。

 家族を守るため、そして海興国に住む全ての民を守るためこの盟をなさねばならん。

「到着されましたぞ」

「うむ、ではこちらへ案内を」

「はっ」

 鶴城の主である旺家当主の“旺羽鶴(オウウカク)”は側に控えておった者に、我の言葉通り指示を出す。頷いたその者は早足で廊下へと出て行った。

「まさか儂がこの2国の同盟の見届け役になりましょうとはな」

「近陵国との盟であるならば、ぬしほど適役もおるまい。今日はしっかりその行方を見届けよ」

「かしこまりました」

 しばらく待っておると、廊下より複数の足音が聞こえ始めた。今回長会談と同時に行われる顔合わせには、こちらから我の他に朱光と朱陽が、あちらからは江政長と江初淀、そして一ノ妃である“桃木妃(トウキヒ)”が同席する。

 早速朱陽の願いが叶うことになるわけであるが、さてどんな娘が来るのやら。楽しみもあるがやはり心配が勝る。

 聞けば江初淀姫は今年10になったばかりだというではないか。

 婚姻同盟の話を聞いたとき、朱光は未だ13で少々幼いかとも思ったがそれはお互い様であったということであろう。

「朱陽よ、しかと朱光の妻となる者を見定めよ」

「わかっております、旦那様」

 我の後ろにはやや緊張した面持ちの朱光もおる。

 先も言ったとおりまだ幼い。緊張もするであろう。

「お待たせいたしました。江政長にございます」

 開いた扉からは我よりもまだ少し若い青年が最初に入ってきた。見た目だけの印象でいうのであれば、悪くはない。優しげな男だと思った。

「会談の場所を指定したのは我である。待たされたなど思うてはおらぬ故安心なされよ」

「かたじけない」

 そして、政長の後ろにはまだまだ幼い姫がついておった。賢そうな顔をしておる。

「こちらは娘の初淀にございます。そして妻の桃木でございます」

 2人は我らに丁寧な作法で礼をした。印象は悪くはない、王としての立場ではなく、父としても安心することは出来た。あと朱陽次第よ。

「我は高白麗と申す。後ろに控えておるのが長子朱光、そして隣が妻の朱妃である」

 2人もまた礼を返した。

「では顔合わせはこれくらいにして、本題に入らせて頂きます。今回の会談、この鶴城城主である儂旺羽鶴が見届け任とさせて頂きますがよろしいですかな」

「異存ない」

「ありません」

 我らが異議なきことを伝えると、羽鶴は頷きそして再び口を開いた。

 これからが正念場よ。この国の未来のために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ