『新たな啓示』
その日の夜、早瀬からLINEが届いた。
「うん?」
僕は勉強中だったが、その手を止めてスマホのロックを解除してLINEのアプリを立ち上げた。
——
「今日の敷戸さんと戸田くんのことだけど、あんなに仲が悪かったなんて知らなかったわ、こうくんは知ってた?」早瀬。
「あーうん、少し前に戸田からその話聞いたんだよ。」僕。
「そうなのね。あの様子だと何か事情があるように私は見えたんだけれど、なんで二人は仲が悪いのかこうくんは知ってる?」早瀬。
「いや、理由は知らないんだ」僕。
「そう……私ね、やっぱり軽音楽部へ敷戸さんに来てもらいたいって思うの」早瀬。
「どうして?」僕。
「根拠はないんだけれど、敷戸さんが来てくれれば、きっと10月の文化祭は盛り上げられる気がする」早瀬。
「ぐっ(厳つい猫?スタンプ)」早瀬。
「そっか、少し考えてみるよ」僕。
「うん、ありがと、こうくん♡」早瀬。
「私は寝るね」早瀬。
「おやすみ(厳つい猫?スタンプ)」早瀬。
「おやすみ(スタンプ)」僕。
——
僕はスマホを置いて、暫く今日の出来事を思い出していた。
(正直仲の悪い二人のことは僕には関係ないことだし気にする必要もないんだが、早瀬に言われると無視することも出来ないな)
「ねぇ、聞こえる?」
そんな考え事をしていると突然脳内で声が聞こえた。
「今キミが考えてる件だけど、課題として啓示されたよ」
「はぁ!?うわっ!」
「……あの二人の関係を戻すことが課題ってこと?」
僕は思わずついた肩肘がガクっと崩れて、頭をぶつけそうになった。
「そう、戸田さんと敷戸さんは今のままでは二人が死ぬまで仲違いをすることになるんだよ。だからキミが介入してその仲を戻してもらいたいんだ」
ルカはゆっくりとそして淡々と僕に説明する。
「毎回思うが一体課題と僕の夢にどんな関係があるんだ?」
「その関係性については説明出来ないんだよ、ごめんちゃい(テヘ)」
コイツ、面倒臭いこと聞くと急に態度を変えて馬鹿にして来るな。
「とにかくキミの課題は——戸田さんと敷戸さんの仲を取り持つこと。——それを一学期が終わるまでに行うこと」
「それとキミは関係ないって言ったけど、関係があることは覚えておいて、じゃあね~」
「はぁ……」
少し眠かった頭はさっきのやり取りで目が覚めた。
まだ明日の予習も終わっていない……勉強するか。
僕は再びペンを取り、教科書をめくった。




