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第七話 主役の仕事

「……とりあえず、準備。」

 スイがいつもの調子でぽつりと言った。

「あ、そうっすね。じゃああたしは引き続き小道具とか作っとくんで」

「うん。私も演出プラン練る。」

 作業を始める二人の横で俺はおずおずと右手を挙げる。

「……で、俺は何をすればいいの?」

「あ。そういえば主役いた」

 スイが今思い出したというように俺を見た。千夏が吹き出す。

「そういや、いたっすね。普段いないんで忘れてました!」

「ひどくないか? これも不運?」

 俺はがっくりと肩を落とした。スイと千夏がくすくすと笑う。

「じゃあ、センパイは図書室で演劇の本とか探してきてくださいよ。文化祭まで時間ないんで、参考になりそうなの片っ端から。センパイ、本読むの速いし」

「俺の仕事適当じゃね?」

「……他にやることない」

「ええ……。はぁ、分かったよ。じゃあ雑用係行ってきます」

 せめて頼まれた仕事くらいはやるか。俺はぶらぶらと教室を出る。扉の前で振り返ってちらりと岩センの様子を伺うと、彼は窓辺でうなだれてただ立ち尽くしていた。

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