33/42
第三十三話 梯子の先
俺とスイは一緒に屋上へ上がる。その途中、俺はふと天井へ視線を向けた。天井の鉄骨で何かがきらりと光る。手を伸ばすと、そこには消えた台車の車輪が工具で取り付けられていた。俺の中で、岩センが屋上へ運ばれた方法が一気に形になった。俺は静かにそれを見つめ、そして視線を外す。
屋上へ上がると千夏の後ろ姿が見えた。彼女は入り口に背を向けて景色を眺めている。栗色の髪が寂しげに風に揺れていた。
「……千夏」
俺はゆっくりと声をかける。聞きたいことや言いたいことは山ほどあるのに、不思議と気持ちは落ち着いていた。
「来たんですね、センパイ」
千夏は振り返って哀しそうに微笑む。眩い日差しに照らされて、俺と彼女は屋上で対峙した。
「……単刀直入に言う。岩センを殺した犯人は――お前だな、千夏」
千夏の顔から笑みが消えた。
「センパイ……。」
俺は一つ息をつき、もう一度千夏を見据える。視界の端でふわふわの金髪が揺れた。
「社会準備室の筒。血のついたブルーシート。屋上への梯子の上に設置された車輪……全て繋がったよ。」
俺は息を吸った。
「さて――」




