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第三十一話 日常
俺は頭をかいて落ち着きを取り戻そうとする。
「……あー……岩センの件の調査の途中だったか。二階の教室は全部調べたんだよな」
「おお……よく覚えてたね。私は忘れてた」
「こら、忘れるなよ」
いつものやり取りが戻ってきたことに、俺は内心で安堵した。
「確か岩センを最後に見たのは、部長の死を知らせに走った時だった。あの時岩センは……」
そこまで言って、俺はあの時感じた違和感を思い出した。
「そうだ!あの時、岩センは既に白衣を着てたんだ。一体どうして……?」
「え、白衣を……?んー、何か隠したいものを持ってたとか」
「そうかな……隠したいからって、ぶかぶかの白衣を着てたら怪しまれると思うが……。」
あの時、立って壁にもたれていた。大きな白衣が体のラインを隠すようだったのを思い出す。
「念のため、あの時岩センが立ってた場所を調べてみよう」
そう言って、俺たちは二階へ戻った。その足取りは、先ほどよりいくぶんか軽くなっていた。




