第二十六話 疑念
次に俺たちは倉庫に入る。ここには図書館棟の外の花壇の世話をする用具がしまわれているようだ。
園芸用土やリールに巻かれたホース、植木鉢などがある。壁際に台車がしまわれていた。
「……ん?この台車……何かおかしいような。」
書庫の台車とは違い、人を乗せられるほどの大きさではない小さな台車だ。その時、違和感に気がついた。
「あ……車輪が一つ足りない!これじゃ使えないな」
「……あれ?ほんとだ。斜めにガリガリ進みそう」
台車から車輪を外すなんて、誰にでもできることじゃない。少なくとも何か道具が必要だ。俺の頭に一人の顔が浮かび、俺は眉を寄せた。
その時、スイが声を上げる。
「……あれ?この倉庫、何か足りないような……」
「……何か足りない?」
スイは首をかしげる。
「……前にお花のお世話した時、ここにブルーシートがあったはずなんだけど。」
「ブルーシートか……。」
俺は棚の裏や高いところを見る。しばらく探していると、棚と床の隙間に畳まれたブルーシートが押し込まれていた。
「……なんでこんなところにブルーシートがあるんだ?」
俺はそれをゆっくりと開いてみる。綺麗に折り畳まれたそのブルーシートの内側は、血に濡れていた。
「……血だ。」
「……! そっか……。死体をくるんだりしたのかな?」
スイも驚いた様子でブルーシートを眺める。赤黒い血が何かを物語るようだった。




