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第十三話 二年前の謎

 書庫の中を見回していると、ファイルキャビネットのファイルがひとつ不自然にはみ出ていることに気づいた。

「これは……学校行事の写真か?」

 俺はぱらぱらとファイルをめくる。これは二年前の記録のようだ。一緒に覗き込むスイが声をあげる。

「……あ、これ1年のころの真田先輩かな?」

 見覚えのある眼鏡に少し長い黒髪。それはわずかに幼げのある部長の写真だった。文化祭に盛り上がるクラスメートの後ろで少し不機嫌そうな表情で写っている。

「部長……」

 胸の奥に重い錨が沈み込むようだった。

「……部長、本当は何を考えてたんだろうな」

 俺はぽつりと呟く。その答えを知る人はもういない。スイが目を伏せて答えた。

「……前から、ハルトくんのこと心配してたみたいだったから。部活に来てほしかったんじゃないかな」

「…………。」

 じわりと視界が滲む。彼の声が聞きたかった。

 次のページをめくって視界に映った人影に俺の手が止まった。

「この人……もしかして、岩センの息子さんか?前見せてもらった写真とそっくりだ」

 スイも目を丸くしてじっと見つめる。

「……ほんとだ。確か二年前に亡くなったって……。真田先輩と同じクラスだったんだ」

「そうだったのか……初めて知った」

 彼は少し困ったようなぎこちない笑顔で写っている。優しそうな青年だ。

 俺は今はいない彼のことを少し兄のように思っている。こうしてじっくりと顔を見るのは初めてだった。

 ぱらりとページをめくると、次のページから何枚かの写真が抜き取られている。

「あれ?何で写真がないんだ?……誰かが抜いたのか?」

「……なんでだろ。変だね」

 スイも首をひねっている。

 誰の写真を、どうして持っていったのだろうか?

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