レイヤー41 世界の理を壊す魔法
ヒトの形をしているのだから
神様はヒトに創造されたもの
もしサルの形をした神様がいたら
ヒトはその神様を敬わないだろう
封印庫。
黒い資料。
閲覧制限。
研究員が言う。
「まだ上があるのか」
洋蔵が答える。
「規制です」
「倫理じゃなくて?」
「法です」
一拍。
紙が開かれる。
禁忌指定一覧。
「寿命延長」
「禁止」
「蘇生」
「禁止」
「魂転写」
「禁止」
研究員が笑う。
「夢がないな」
「世界が壊れます」
即答。
「時間操作」
「禁止」
「次元創造」
「禁止」
「無から金を出す」
「禁止」
沈黙。
「全部ダメじゃないか」
「理を壊すので」
短い返答。
研究員が眉を寄せる。
「瞬間移動は」
一拍。
洋蔵は別紙を出す。
「条件付き許可」
「使えるのか」
「死ぬほど重いですが」
静かな返答。
「対価を払えば」
「通ります」
「物質複製は」
「等価交換なら合法」
「錬金は」
「既存術式です」
研究員が笑う。
「線引きが細かいな」
「必要です」
「なぜ」
洋蔵が答える。
「全部できると」
間。
「世界に意味がなくなる」
静寂。
別紙。
魔導コンプライアンス条項。
第一条
生死への恒久干渉禁止
第二条
因果改変禁止
第三条
保存則違反禁止
第四条
現実基盤侵蝕禁止
研究員が低く言う。
「魔法にも法か」
「むしろ必要です」
「剣より危険だから」
一拍。
「……神の領域に入るなと」
「はい」
静かな肯定。
円が更新される。
生成。
封印。
倫理。
均衡。
規制。
研究員が呟く。
「最強の魔法って何だ」
洋蔵は言う。
「越えないことです」
コンプライアンス違反は良くない




