レイヤー42 災害を引き起こす魔法
崩れたのは日常だった
警報。
研究所が揺れる。
観測器が振り切れる。
研究員が叫ぶ。
「何だこれは!」
洋蔵の顔色が変わる。
「因果干渉の反動です」
一拍。
空が歪む。
魔力が噴き出している。
濃霧のように。
だが生きている。
「漏れてるのか」
「噴出です」
短い返答。
「高濃度魔力災害」
外から叫び。
暴徒。
錯乱。
発狂。
兵が仲間に刃を向ける。
「精神汚染……」
別報。
人体変異。
魔物化。
局所崩壊。
研究員が絶句する。
「禁忌の代償か」
「実証されました」
静かな返答。
沈黙。
「止められるか」
「やります」
洋蔵が図面を広げる。
新しい魔法陣。
攻撃用ではない。
浄化陣。
「これは」
「安定化術式です」
魔力流を分散。
汚染を吸着。
浄化する。
別の装置。
巨大な容器。
「何だこれは」
「畜魔力装置」
「汚染魔力を溜める?」
「隔離します」
即答。
「捨てられないので」
一拍。
復旧隊編成。
観測班。
浄化班。
封鎖班。
吸収班。
研究員が呟く。
「軍じゃないな」
「災害対応です」
静かな返答。
「魔法で壊して」
一拍。
「魔法で直すのか」
「責任です」
浄化陣が起動する。
暴走魔力が沈静化していく。
霧が薄れる。
狂乱が止まる。
研究員が低く言う。
「兵器の次が災害復旧か」
「文明です」
短い返答。
「両方必要なので」
円が更新される。
生成。
封印。
規制。
災害。
浄化。
安定化。
復旧。
研究員が呟く。
「最強の魔法は」
洋蔵が答える。
「後始末です」
修正より新規作成の方が楽な場合がある




