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45歳DTPデザイナーは36協定違反で異世界出向  作者: 洋蔵
異世界でもやり方次第で出来ることがある
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レイヤー40 正しさと間違い

その正しさは

争う相手がいなければ

証明することができないのではないか

封印指定資料。


最終階層。


研究員が言う。


「禁呪を封じれば終わりだろう」


洋蔵が首を振る。


「終わりません」


「なぜ」


「理論が残るからです」


静寂。


一枚の紙。


そこには術式ではなく空白。


「……何もないぞ」


「消しました」


「何を」


「魔法理論です」


沈黙。


研究員が固まる。


「失わせるのか」


「はい」


「そんな魔法があるのか」


「必要なら作ります」


短い返答。


「厄災の根を絶つために」


一拍。


「継ぐのでなく」


「忘れさせる」


静かな断定。


研究員が低く言う。


「進歩に逆らうな」


「維持です」


即答。


「進歩ではない」


別の紙。


法はない。


戒律もない。


ただ伝承。


「これは」


「不文律です」


「曖昧だな」


「だから残ります」


沈黙。


「書けば破られる」


「文化なら残る」


研究員が黙る。


「争いも消せばいい」


洋蔵は否定する。


「危険です」


「なぜ」


一拍。


「争う相手がいなければ」


間。


「正しさを証明できない」


静寂。


「……敵は必要か」


「鏡です」


短い返答。


「間違いを知るための」


沈黙。


研究員が呟く。


「平和って何だ」


洋蔵が言う。


「止まることではない」


一拍。


「壊れないことです」


最後の紙。


神格化禁止。


人による絶対権限禁止。


神性付与禁止。


「ここまでいるか」


「必要です」


即答。


「人は神を作ってはいけない」


研究員が見る。


「なぜ」


洋蔵は静かに答える。


「正しさが固定されるから」


長い沈黙。


円が最後に更新される。


生成。

変換。

予測。

因果。

封印。

倫理。

忘却。

均衡。


研究員が小さく言う。


「最強の魔法は何だ」


洋蔵は答える。


「間違える自由を残すことです」


静寂。


「……魔法じゃないな」


「はい」


短い返答。


「文明です」

疑う余地もなく

間違った正しさのない世界

それは平和なのだろうか

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