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異界の鏡  作者: リーグス
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白の想起

 一人として、味方は居ない。

 

 誰も彼もが、食料を求めて奪い合う敵。

 

 飢えに急かされ背後を襲い、満たされることのないまま次を求めて彷徨い歩く。

 

 道に転がる死体の仲間に、ならないために。

 

 

 

「────おい、こいつで何匹だ?」

「五ッスね。ちょうどいい数なんじゃないスか?」

「そうだな。……ガキの癖に一丁前に噛みついてきやがって。お陰で持って帰る手間が増えたじゃねえか」

 縛られ横たわった私の前で喋る二人の男は、捨て子・みなし子ばかりのゴミ溜め区域では見ない健康的な肉体を持ち、綺麗な服を身に纏っていた。

 会話から察するに、どうやら人を攫いに来たらしい。

 捨てられてばかりの場所から何かを拾っていくなんて、珍しい連中だ。

 まぁ、何にしろ彼らの仲間を二人殺した私は、ろくな目には合わないだろうな。

「ま、こんだけ強けりゃ、あの人たちも文句はないでしょ」

「だといいが……。仕える身ではあるが、王族貴族の考えることは分からん」

 ……王族?

 その単語には聞き覚えがあった。

 街に子を捨てていく者たちが、よくその名を口にしていたからだ。

 あのクズどもが居なければ、と。


 

 

 


 生き抜いてやる。

 私は、死体(アイツら)にはならない。

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