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獣の決意
あと少しだけ、もう少しだけって思ってしまったんだ
最初は、少しの間だけのつもりだったのに。
もう少しだけ、あの人の妹でいたいって。
「おねえ……ちゃん?」
気を失っていたラマは、地面に落とされた衝撃で目を覚ます。
そして、自身の上に覆い被さって倒れる、血だらけになった姉の姿を見た。
「なんだ。まだ生きてたのか」
真上から聞こえる、聞き覚えの無い男の声。
視線を声のした方へ移すと、自身を見下ろす酷く冷たい瞳と目が合う。
ボロボロの衣服に身を包んだその男は、静かに腰の剣を抜き放つ。
そして、躊躇うことなく鋒を二人に向けて振り下ろした。
「…………」
男は地面に突き刺さった自身の剣を見ても、何も言葉を発さない。
無言のまま引き抜き、攻撃を避けたラマたちへと歩き迫る。
──……ここまで、かな。
ラマは腕の中で眠るノアの前髪を優しく撫でると、ゆっくりと地面へと下ろした。
「……ごめんね、お姉ちゃん」
分かっていた。
二人は助からないと。
故に、ラマは決意する。
姉のために、自身の命を使う決意を。
獣が、雷の牙を立てた。




