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異界の鏡  作者: リーグス
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幕間 静かな街

 クレーターから数キロ離れた位置。

 遠くに響く轟音を聴きながら、アルカナは一人、真夜中の住宅街を歩いていく。

 雪はもう止んでおり、踏みしめた白い地面が茶色く(にじ)む。

「……二人目の魔女が現れたみたいだね」

 独り言は白い息と共に街の静寂へと消えていく。

 先程まで魔女を追いかけていた者たちの騒がしさは既に無く、真夜中の街として正しい形になっていた。

 ただ一つ、違うのは−−−−


「こっちの用も終わったし、そろそろちょっかい掛けにいこうかなー」

 

 その街に、住民は居ないこと。

 

「あ、その前に体を綺麗にしないとか」

 

 彼女の手は真っ赤っか。

 路地裏に()()()()()人たちと同じく真っ赤っか。

 誰も彼も目を見開いて、乾いた瞳で眠ってる。

 (はえ)の羽音も気にせず眠ってる。

「おっ風呂、風呂、風呂〜♪」

 

 彼女は、誰の敵でもない。

 敵だった者たちは息絶え、残ったのは情報不足の役者たち。

 誰に対しても敵対する意思は無く、誰に対しても味方をするつもりは無い。

 感情の(おもむ)くままに行動するだけ。

 

 彼女は、誰の敵でもない。

 今のところは、まだ。

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