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気に入ったようだな

翌日。


バッドラックとダンスっちまったような一日が無事に終わってくれたので意気揚々と宿に帰って速攻で寝たわけだが、睡魔の姐御が昼過ぎまで離してくれなかった。まったく甘えん坊の姐御だぜ。ふふ。


よく寝たからか、目を覚ますとなんだか凄く身体の調子が良い。

激しく動いたから筋肉痛は覚悟してたんだが・・・まさか翌々日にきたりしないよね?若返ったんだから大丈夫だよね??


声優になってから毎日続けているストレッチをしようと思ったものの、朝起きてすぐにやると筋を傷めるからやんわり伸ばすくらいに留めておく。

そのまま5分ほど体幹トレーニング。息を音にしていくボイストレーニングと順番に行う。

日課って怖いなぁ。異世界だし声優でも無いのに、やらない気にならない。


最後に片足でスクワットして終了。なのだけど、昨日までと比べてやっぱり身体が軽い。

うーん、ゲームみたいな世界って話しだったしレベルアップでもしたんだろうか?


考えても答えは出ないし腹も減ったので飯を食いに行く。


いつもの無目的な食べ歩きではなく、今日は『ベイズ・ベリーズ』へ。

『ベイズ・ベリーズ』は昨日俺が傭兵3人と殴り合いをやっちまった店なので、改めて謝罪と詫びをしに行くのだ。うん、この辺りは実に日本人的である。


「こんにちはー」


今日の昼間もオープンカフェとして営業していたようで安心する。自己満足で猫耳ちゃんを助けて店が営業できなくなってたら本末転倒だからねぇ。

モテ中年は今日も変わらずピンクのエプロンである。あと、なんか女性客が多い。くそぅ。


「昨日はホント迷惑かけまして」

「いや、うちとしては助かったよ、ありがとうな」

「昨日の子にお見舞い持ってきたんで、よかったら・・・」


ダンディな仕草で礼を言う店主に2羽のウズラ肉を渡す。

来る途中で市場に寄って買ってきたのだ。詫びの品とか果物のイメージが強いが獣人は総じて肉が好きだし、鶏脚のパイが好きならウズラだってきっと好物だろうという判断である。


「気が利くな!」


ウズラを受け取った店主の視線が俺の胸元に刺さる。正しくは胸元のギルドカードに。

フェイの勧めでギルドカードの穴に紐を通して首から下げてみたのだけれど、どこかまずかったのだろうか?


「人が悪いなセルシス、お前さん、ゆうべはこんなもん付けてなかったろう」

「あの後ギルドで登録してきたんですよ」

「・・・それでダブルスターだって?何やって来たんだ??」

「特には何も。あーっと、ダーナって赤い髪の女の子と模擬戦したくらいですね。勝てそうだったんですけどギルド長に止められちゃいまして」


ダブルスターってランクの右下に付いてる小さな星の事だろうけど、やっぱりこれって珍しいみたいだなぁ。あんまり目立ちたくないから服の中に入れておくべきだろうか。でもフェイはわかるように出しとけって言ってたんだよなー。


モテ中年の顔がポカンとする。おお、この顔ならモテないぞきっと。もっとやれ。

お客さんの中から、まぁ、みたいな声が出た。ふふふ、高身長で細身のイケメンとか死滅すれば良い。


「登録初日に【緋蜂】のダーナ相手に模擬戦か!?はは!木っ端傭兵3人なんざ相手にならんわけだ!!」


一瞬の間をおいて爆笑する店主。

フェイがいなかったら俺だって怪我してましたよーと言い訳だけはしてみるが効果はあまりなかった。


「そう謙遜するなよ。冒険者でも無かった奴が気概だけでうちの店員を助けてくれたんだ。むしろ誇ってくれて良い。昼飯はまだか?良かったら奢らせてくれ」


日本じゃないし謙遜しすぎも良くないんだろうな。傲慢にならない程度に海外的な思考に合わせていった方が良いのかもしれぬ。

食事の件はせっかくなのでありがたく頂こう。


「タラとレーズンのパイが丁度焼けたんだ」


ありがたくない。全然ありがたくないぞぅ。それは鶏脚とブルーベリーのパイと同様の組み合わせじゃないッスか。

異文化交流失敗の気配しかしねぇ。

ふふ、だが俺はグランディスタにあってもNOと言えない日本人。

嫌そうな顔一つせず食べて見せるぜ。あ、サービスでエールもつけてもらえます?流し込む用に。


両手を合わせて頂きます、のポーズから一切れ取ってガブリと齧る。

うん、タラの塩気とドライフルーツの甘みが混然一体となって・・・・・・・・・。


「美味い・・・・・・?」


あれ、やばい、鶏脚ブルーベリーはプルプルのゼラチンさんが俺の食欲をこそぎ取っていったのに、このタラレーズンさんは絶妙にお互いを引き立てあっている。美味い。美味いぞぅ!

なんだろう、このドライレーズンの甘さと絶妙に噛み合う干した鱈の塩気。砂糖醤油みたいなものか・・・!


「良い食べっぷりだな、こっちは少し冷えてるが、どうだ」


出されたそれは平たく潰したパンに刻んだ焼きリンゴがのってる・・・・・・まさか、こいつぁ。

目にもとまらぬ速さで一切れ取ってがぶりむしゃむしゃ。


おおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおお!

ハチミツの甘さと強いチーズの塩味、やべぇ、鬼美味い。これは美味い!!

っていうかドルチェピッツァだよね!?これ!


モテ中年、貴様の存在を許そう。というかモテろ!なんだこれ、なんだこれ美味ぇ。

こんな美味い物を食べさせるとは俺を殺す気か!


「気に入ったようだな」


当たり前だ!こんな美味い、しかもタダ飯だぞ。タダ飯で美味いとか、もうね。藤岡弘の顔でありがとぅーありがとぅーとか言っちゃうレベルですよ。美味いは正義。大正義。


「ドミを呼んでくるから食べて待ってろ。おーい、ドミー!!小さな英雄さんが来たぞー!!」


ゴベッ!とか力いっぱいむせたけど、気にしない。

なんか変な名前で呼ばれたけど気にしない。

これはそれくらい美味いんだよ!!!

今日になってブックマークと評価を頂いている事に気が付きました!(確認方法すらよくわからず書いてました)

ありがとうございます!!

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