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ニューワールド  作者: 池宮樹
ある男の回想 エルトリン学院時代編
42/46

閑話 童話劇 OOデレラ

皆様のおかげをもちまして1000万Pv及びランキング入りを果たす事ができました。


拙作をこれからもよろしくお願いいたします。


ではまず注意事項を。



本当にあったかどうかは作者にも分かりません。


この閑話に対する苦情は基本受け付けませんのであしからず。


では劇の始まりでございます。

 昔々あるところに、爆破しだすと止まらなくなるという悪癖を持った若干変態という名の紳士が何不自由のない暮らしを営んでおりました。

 ところが彼が2度目(本当は初めて)にもらった奥さんというのがどうしようもないほど色んな意味で駄目な奥さんで、その4人の連れ子(もらい子)もそれはそれは個性的な娘たちでした。双子とかネコ耳とか肌が黒くて耳長だとか。


 さてこの若干変態という名の紳士には、前の奥さんとの間にジオデレラというそれはそれはかわいい男の娘がおりました。髪は黄金、目は紫水晶アメジスト色をしたそれはそれは美しい男の娘で、気立てもよかったのです。……若干問題のある点もあったのですが。


 新しいお母さんが来てからというものジオデレラの生活は随分と変わってしまったのです。このように――




 どうしてこんなことになった! 一体何がどうなったらこんなことに。


「嫌だ~! 絶対嫌だ~! 何が何でも逃げる! 絶対逃げる!」


 俺に今迫るのはかつてない敵たち。フルレギオン35パーティ、冒険者105人の脅威をも遥かに上回る我が人生最強最大の敵に俺は今追い詰められていたのだ。


 そう、その相手とは――






「ほら、ジオデレラちゃん。めったにないいい機会だからこの綺麗な服を着て私に見せなさい。昔からやってみたかったのよね~、ジオちゃんに女の子の服を着せたりするの。だって絶対似合うんですもの!」


 母上、貴方俺の実の母親でしょう! 何で継母役でしゃしゃり出てるんですか?


「ほら、ジオデレラ様! ちょっと悪いお姉さん①である私のいうことを聞いてください! こんな! ご主人様にこんなことができる機会はもう二度と回ってくるはずがありませんから! アリアは生涯にこの一度、この一度だけご主人様のご意思に反します! さぁおとなしくお着替えになってくださいませ!」


「アリア~、お話の筋と流れが違いすぎちゃってるよ~。でもでも私も今日だけ誓いを破らせていただきます! だって双子だし! それに私も見たいし!」


 アリア、そんな物騒なことを口走りながら目を血走らせる子に育てた覚えは俺はないんだけどね? 嬉々として悪いお姉さん①役とか言ってたら駄目!


 そしてエリア、お前もか! 主にブルータス的な意味で! デキムスか! デキムスなのか? ていうかお前が止めなきゃ誰が止めるんだよ、このカオスを! お兄さんはお前だけはと信じてたのに!


「ご主人様、覚悟するニャ~。今宵のリューネは血に飢えているのニャ~!」


「……脱いで? ご主人様。私今日だけお姉さんだから、いいと思うの」


 リューネ! 今はまだお日様は真上にあるぞ? そしてその台詞、お前はどこの辻斬りだ。そして間違いなくよく分かってないのにやる気満々で俺に飛び掛ってくるのやめてくれないかな? 最近ただでさえ手ごわくなってきてるんだから! あ、こら爪を長くするんじゃありません!


 ……シルウィ。お兄さんは今日ほどお前達の教育を間違えてたと思ったことはないよ! あ、こら! 足止めのために弓を引くんじゃありません! 怪我じゃ済まないから、それ! かわいく小首を傾げても駄目ぇ!


 

 誰だ! こんなことやろうとか言い出した奴は! そもそも誰だ! 「シンデレラ」なんてものをみんなに教えちまった馬鹿は!



 ……あぁ、俺だ。



◇◆◇◆◇◆◇◆



 話は随分前に遡る。まだ俺やマリエルに懐きたてだった頃の4人に寝物語代わりに覚えていた童話や昔話をしてやったのが始まりで、それは瞬く間に屋敷中の人間に広まった。


 そのうち楽しくなってきた俺は劇でもやってみたら面白いかもなぁということを愚かな事にみんなが揃った食事の席で言ってしまったのだ。本当に馬鹿だった、あの日に戻って殴りたい。


 そうしたらどこがどうなったのか……聞きつけてきたんだよ、あいつが。もう言わなくてもその後の展開は分かるだろ?



 地獄の劇作者様の登場だよ、馬鹿野郎め。



◇◆◇◆◇◆◇◆


 と、まぁこんな風に哀れジオデレラは毎日毎日継母やその娘達にいじら、いじめられてかわいそうな毎日を過ごしておりました。


 と、そこにある日その国の王子様が盛大に舞踏会に催すということでイヂワルな義理の姉たちは美しい服を着飾って舞踏会の準備をしていましたが、可哀想? なジオデレラは毎日掃除ばかりしていました。




 あ~、やっと場面が変わった。頼むからさっさと舞踏会に行ってくれ。さて問題はこの後の展開だ。はっきり言うと誰が王子様で、誰が魔法使いかだ。



 ……最悪のキャスティングしか思いつかん。



 ていうか普通なら俺が王子様で、マリエルがシンデレラで、最後に俺がマリエルにガラスの靴を履かせてハッピーエンドだろ! 何で俺がシンデレラなんだよ! スキル全力全開で逃げたいのは山々なんだが、何だろう? この絶対に逃げられない感じ……。


 分かる気配だけでも、4つ。何となく引っかかるのが5つ。逃亡防止のためにシランのとこの短剣職どもが周りに詰めてやがる……。


 不幸だ……。まったく何でどこかの黒髪つんつん頭の主人公の口癖を俺が言わなきゃならんのか……。



◇◆◇◆◇◆◇◆



 そんなジオデレラの思惑はどうでもいいので先に進めさせていただきます。不敬ではないか? ……愉しいことが優先に決まっているではありませんか。


 そんなつらい思いをしていたジオデレラですが、本当は武道会、ゴホン、失礼。舞踏会に行きたくて仕方ありませんでした。


「行きたくねえよ!」


 ……五月蝿いですよ? ジオデレラ様。あんまり騒ぐようなら麻痺スタンさせますからね? MPの続く限り。


 ……まぁよろしいでしょう。お話を進めます。


 そんなある日突然彼女? の前にその泣き声を聞きつけた魔女が現れました。





 場面がまた変わった。そしてそこに現れたのはまさに想像通りの人物。予想通りってことがいいとは限らないという事の証明といえるだろう。人間分かっていたっていやなものはいやなんだから。というか役で魔女というよりあんたはリアルに魔女だと思うのは俺だけじゃないはずだ。


「はあ~い、お久しぶり~♪ 少年、元気だった? あら~♪ かわいいわね。ねぇ、その女装は私に食べられたいって意味に受け取っていいのかしら? もちろん性的に」


 とにかくまずその格好はどうにかならなかったのか? まさか魔法使い御用達の三角帽子に黒のマイクロビキニとマントで出てくるとは……。あんた、それじゃ魔女を通り越して痴女だよ、まったく。


 だからこいつとうちの子達は接触させたくなかったんだよ。御伽噺の魔女っていうのはもうちょっと露出がないものだと思うんだがな? 子供への情操教育的に。悪影響が出る! うちの子に! PTAに訴えてやるって、PTA代表の我が母上、貴方が一番喜んでどうするんですか!


 まったくそれもこれもシランのせいだ! 普通のシンデレラなら俺も楽しかったのに! 後で一発殴る! 返り討ちにされて神殿送りになろうとも! 男にはやらなくてはいけない時があるのだから!


 そんなことを考えていたら、また心を読まれた。こいつもか! 俺の周りには妖怪しかいないのか?


「ねぇ、シランを殺ルなら私も協力するわよ? とりあえずうちの団員今すぐ全て呼び寄せるわ」


 一気に血の気が引き、ちょ、ちょっと待て! こんなくだらない事で妖怪大戦争勃発は勘弁してくれ! と俺があわてて言うとニヤニヤ笑いながらこうのたまいやがった。


「や~ね~、冗談よ、冗談。殺ルなら、いえ殺レルならもっと早くに息の根を止めてるから今更急いでやらないわよ?」と。


 ……頼むから俺が関係ないところでやってくれと痛む胃を押さえながら思うしかない俺であった。




 その後、セクハラをされまくりながら何とかカボチャの馬車と馬と綺麗なドレスを用意してもらった俺はおとなしく舞踏会に向かう事にしたのだった。


 あ? 何だって? ドレス恥ずかしくないのかだと? ヤケクソだよ、バカヤロー。


 

 ……馬役をやらされてるアルドレさんとワトキンスさんが哀れすぎて俺だけ我儘言える状況じゃねぇんだよ、バカヤロー。



◇◆◇◆◇◆◇◆



 あっはっは。おぉ、これはこれは失礼致しました。


 そうしてジオデレラはカボチャの馬車? で舞踏会が開かれているお城へと向かいました。


 え? 貴方は舞台に上がらないのか? ですって? 


 お客様、私は踊るよりも踊らせるほうが得意なのですよ。ええ。



 また場面が変わり舞踏会が始まった。


 ここに至るまでに一つだけいいニュースがあった。シランは舞台に上がらない。そしてミリーさんは既に登場済み。つまり腹黒ツートップは王子様じゃないはずだ。つまりこれは諦めていたマリエル王子様フラグの成立なのか? というかマリエルは何してるんだ? 彼女がいればこんな馬鹿騒ぎが起きるはずがないのに。もしかしてどうしても王子様がやりたいから止めなかったとか? 


「ちょっと貴方」


 もし、そうなら……。


「ねぇ、そこの貴方よ、貴方!」


 マリエルの嫁になら俺は喜んでなるともさ! 男の面子? 何それおいしいの? 惚れた女以上に俺に優先するものはないんだよ!


 そう思えばちょっとテンションあがってきたぁ! 待っててね! マリエル!


「聞いているのかしら! ジオ・パラケルスス・ラ・テオフラストゥス!」


 誰だ? こんなこっぱずかしい格好をしている俺に向かって本名で呼びかける馬鹿はと思って振り向くとそこには何故か宝塚なオスカルさんが。


 美しいブロンドの髪を後ろに流しタキシードに身を包んだ彼女はまさに麗しの君だった。


 なんというか……女子高なら間違いなく毎日ラブレターの嵐だろうなと思わせるその姿にさすがに俺も当たり前のことしか聞けなかった。


「サーペンディア嬢、どうしてここに?」


「今の私は女じゃないわ! 殿方よ! やっと私に気づいたわね、ジオ・パラケルスス。さ、さぁいいからいらっしゃい、仕方がないから、ダ、ダンスに誘ってさし上げるわ」


 そういってまるで作り物のように美しい白い手を俺に差し伸べてくる。


 ……何でこんなおふざけに彼女が参加してるんだろうね? よくわかんねぇやと思いながらおふざけに付き合ってくれた彼女の顔を立てるためにその手を取ろうとしたその瞬間――

 

「皆のもの! 王子様である!」


 そう舞台に声が響き渡った。


 何ていうか間が悪いよね、彼女って。





 そうして王子様が出てくるのを待つ俺。何故か突然舞台が暗くなったから顔がよく見えないんだけどあれがマリエルなら今回の苦労が全て報われる!


  

 ……そう思っていた時期が俺にもありました。



「やぁやぁ、美しい少年少女の諸君。今日は僕のために集まってくれてどうもありがとう! というわけでみんな仲良くしよう!もちろん性的な意味で!」



 現れたのは掟破りの1人2役のド変態でした。



 即座に回れ右をした俺は《スプリント》を発動して即座に逃げ帰りましたよ! お約束どおり靴が脱げたがそんな事は気にしちゃいられない!


 サーペンディア嬢、一緒に逃げてやれなかった俺を許してくれ! 逃げないと喰われるんだ! 間違いなく!



◇◆◇◆◇◆◇◆



 そうして家に帰ったジオデレラはいつものように部屋に閉じこもり、いえいつものような生活に戻ったのですが王子様はその時一目見た彼女が忘れられませんでした。そうして国中にお触れを出し、彼女のはいていたガラスの靴(Cグレード装備)をもって国中の女の子に手を出しながら探して回ることにしました。

 

 まったくあの女はやりたい放題楽しんでいますね。後で少しお説教をしなくてはならないかも……ってあれ? 何故彼女が? 彼女は前もって『爆炎』殿に頼んで実家へ里帰りしてもらっていたはずなのに。


 ……逃げるとしましょうか。こういう場合逃げるが勝ちですから。置き土産はミリーがいれば事足りるでしょう。では皆様、このお話はここまでと言うことで!





 ずらりと並んだ今回はっちゃけた奴らの前に女神様が陣取っておられる。但し、いつもの慈愛の女神様じゃない。颯爽とメイド服に身を包んだ怒りの女神様だ。マジでカーリー神も裸足で逃げ出すぜ、こいつは。だって背後に何か見えるんだもの。スタンド的な何かが。


「さて奥様、どうして私の不在中にこのようなことをお許しになったのですか? 理由をお聞かせ願います」


「あ、あのね、マリエルちゃん。あ、足が痛いの。少しのばしてもいいかな~って」


 母上のその声に他の者たちも声を上げようとするが……。


「駄目です。もちろん貴方達も駄目です、アリア、エリア、リューネ、シルウィ。最近私も甘やかしすぎていたようですね、とりあえず後でしっかりお仕置きしますがとりあえずはそのままです。


そして、初めてお目にかかりますね? ミリアルド様とおっしゃいましたか。初めまして、私はジオ様にお仕えするメイドのマリエルと申します。さて貴方は何をお考えなのですか? ここにはこの4人を初めとして幼い者が少なからずおります。彼女達に悪影響が出ないようにこうしたばかげた事を止めるのが私たち大人の義務だと思いますが貴方はまるで裸のような格好で何をなさっておいででした?」


「え、え~とはじめましてマリエルちゃん。え~とちょっとしたおふざけと言うか何というか……」


 いや、うん、その。あの『ギーレンの魔女』が小さくなってるよ、うん。



 そして全員正座のまま延々と続くマリエルのお説教。マジ怖いんですけど。



 まぁつまりだ。今回の結論は、『マリエル最強』ってことだな。俺も怒らせないようにしないとな、うん。


 目の前の惨劇を見ながらそう思う俺であった。



 


 いや、危ないところでした。まったく彼女は恐ろしい……、どうして帰ってきたのか見当もつきませんね。とりあえずお茶でも飲んで落ち着くとしましょうか。ん? 誰か来たようです……。



 外におられたのはメイド服に身を包んだ黒髪の少女でした。しかし裏街の者達もその彼女の放つ規格外の闘気に全員動く事すらできていません。



 ……目が合いましたね。……どうやら私も年貢の納め時のようです。



 後で聞いた話ですが、何となくジオ様が泣いている気がして急いで戻ってきたそうです。本当に彼女は恐ろしいと思います。


 ……足も痛かったですしね。

いかがだったでしょうか?


ま~ぶっ壊し放題ですね、色々w


ではこれからもこんな感じでよろしければよろしくお願いいたします。


ご意見、ご感想、誤字脱字の指摘など幅広くお待ちしております。


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