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第154話 結ぶやり方(4)

7月2日午後2時40分、刑務所の正門に救急車が1台停まった。


サイレンは鳴らしていなかった。外出許可書の移送手段欄に、そう書かれていた。民間救急車(非緊急)。


後部ドアが開き、ストレッチャーが降ろされた。四つの車輪が正門前の歩道ブロックの上でがたついた。


同行の医療者として看護師が一人、車から降りた。看護師長だった。看護記録に「目分量」と括弧書きを添えた人。


班長が正門の内側で搬入台帳を持って待っていた。


班長はストレッチャーを見て、台帳の品名欄を見て、またストレッチャーを見た。車輪を数えた。四つだった。


班長は台帳に小さく確認の印を付けた。ストレッチャーの上の子供は見なかった。


台帳にないものを、班長は数えないのだった。数えない代わりに、班長は子供の方へ、帽子を一度直した。


接見室のドアの前に相談員が立っていた。厚いファイルを両腕に抱えたままだった。


相談員はストレッチャーが通り過ぎる時、ファイルを胸にさらに押し付けた。ファイルがストレッチャーより先に入ってはいけない、というふうに。


* * *


接見室の椅子は二つだった。一つはその日の朝に外されていた。


妻が真ん中の椅子に座った。ストレッチャーは妻の左側に置かれた。妻の肩の横。


俺は妻の右側の椅子に座った。


相談員はドアの横、刑務官の椅子の後ろに立った。相談員のための椅子はなかった。彼はファイルを片腕に載せて持っていた。


看護師長がストレッチャーの頭側を少し起こした。子供の顔がガラスの方へ向いた。目は閉じていた。唇の間から前歯が見えた。半分だけ。


ガラスの向こう側のドアが開き、七番目が入ってきた。手首の包帯は解かれていた。


彼は椅子に座らなかった。ガラスの前に立った。そしてストレッチャーの上の子供を見た。長いこと。


「小さくなったものだ」


彼が言った。誰に言ったのでもなかった。


「ここへ来た時は、リンゴ箱の上で爪先立たねばガラスに手が届かなかった。今は寝ていても届くであろう」


妻が看護師長を見た。看護師長がうなずいた。


妻が子供の手を毛布の外へ出した。小さな手だった。妻はその手を持ち上げ、手のひらをガラスへ向けた。そしてガラスに当てた。


手のひらがガラスに触れた。妻の手が子供の手の甲を支えていた。


子供の手は、一人では立っていられなかった。


七番目がガラスの前に膝をついた。


子供の手のひらの高さまで下りるには、そうするしかなかった。彼は額をガラスに当てた。子供の手のひらのすぐ横に。一枚のガラスを挟んだまま。


刑務官がボールペンを取った。そして置いた。記録用紙の要約欄は空だった。今日は最初から空のままにしておくつもりだ、という顔だった。


* * *


頭の真ん中で、あの子が言った。四番目に。


「この子の中に時計の音、また出る。チッ、て鳴って、止まるの」


七番目が目を閉じた。彼の手がガラスの上へ上がってきた。爪の下が黒い手だった。その指先がガラスの上で子供の手のひらの輪郭をなぞった。触れないまま、ガラス一枚の向こうで。織り目を探す手つきだった。去年の秋、織り目のない鉄の棚の上で見せた、あの手つき。


「見つけたぞ」


彼は言った。額をガラスに当てたまま。


「この空の織り目だ。俺の縫い目に埋まっているのと同じ織り目。この子の中にも、同じ織り目が半分残っている。これから俺の側の半分をほどく」


そして彼は俺を見た。目だけを上げて。額はガラスから離さなかった。


「時間。俺がほどく間、その一瞬を捕まえていてくれ」


その言葉を、俺は知っている。去年の秋、この部屋で彼は同じことを言った。あの時、彼はあの子を縫い合わせる側で、俺はその一瞬を捕まえた。秒針が一目盛りも進まないように、長く。あの日、俺はそれをやった。あの日以来、俺の線はひとりでに上がっていった。


俺の指先が音を探した。


反射だった。あっちで11年かけて体に刻んだものだ。誰かに「捕まえていてくれ」と言われれば、考えるより先に指先が音を探す。接見室の音。壁時計の秒針。換気口。刑務官のボールペンが記録用紙の上に寝る音。相談員の腕の下でファイルがわずかに滑る音。看護師長のスニーカー。そして一番小さな音。ベッドの上の子供の中で、鳴ったまま止まっている拍子。


その拍子を捕まえればよかった。白い部屋で、測定の日ごとにやっていたことだ。簡単なことだった。織り目に逆らうことは、いつだって簡単だった。


俺は、捕まえなかった。


* * *


その理由を、あの時すべて分かっていたわけではない。ただ、いくつかのことが一度に浮かんだ。


グラフ用紙。一番上まで五マス。この前の4月、あの子の声が四番目に届いた日、俺の線はマスを一つ越えた。今日、1分を捕まえれば、また越えるかもしれない。


借りた時間。彼は借りたものを返そうとしていた。返す瞬間に俺が止まれば、そのわずかな間はまた誰かが借りた時間になる。今度は俺が借りたものになる。返す場所で、新しく借りる勘定だった。


そして、彼が去年の秋に俺へ言った言葉。織り目に逆らうのがどれほど簡単で、従うのがどれほど難しいか、その手が俺よりよく知っているであろう、と。


俺の手は知っていた。従うということを、やったことがないと。


白い部屋でラーメンが予告もなく目を覚ました日、俺はその音を全部聞いて、捕まえなかった。ゴムのナイフが鎖骨を打った。痛かった。あの日、俺がしたのは聞くことだけだった。今日もそれだけにしようと決めた。聞くだけ。


「おじさん、今言おうか言うまいか、迷ってる」


その子が言った。四番目に。たった一度。


七番目の目が、俺の上で止まった。刑務官が顔を上げた。彼女は子供の手の甲を支えたまま、動かなかった。相談員はその声を聞いていなかった。相談員は、部屋の全員が急に俺を見ているのを見て、ファイルを開き、何かを探し始めた。この収容者がこんなふうに注目される場面が、記録にあったかどうか。


俺は言った。


「捕まえません」


七番目が俺を見た。怒らなかった。問いもしなかった。その目がごくわずかに大きくなって、元に戻った。最初にこの部屋で俺を見た時のように。


「聞くだけにします。俺の順番どおりに進ませます」


七番目は長いこと黙っていた。それから、額をまたガラスに付けた。


「では、その順番を一緒に数えてください」


彼の頼みは変わっていた。捕まえてくれという言葉が、数えてくれという言葉になっていた。


数を数えるのは、会社に通っていた頃から俺の得意なことだった。マスを数えること。日を数えること。白い部屋で指を使って、妻の誕生日まであと何日か数えていたこと。


* * *


七番目がほどき始めた。


何がほどけているのか、俺には見えなかった。


ただ、聞こえた。


壁の時計の秒針が一つ進んだ。また一つ。その秒針は、いつもよりゆっくり動いているように聞こえた。


俺はその秒針を掴まなかった。指先がむずむずした。蛇口の前で、水滴が今にも落ちそうなときのようだった。


俺はそのむずむずを両手で押さえた。自分の手を、自分の手で。


七番目の息が長くなった。額の触れているガラスが曇った。その曇りはすぐに消えた。


爪の下の黒いものはそのままだった。あれは別の借りだ。今日返すのは、縫い目に刺さっていたものだった。


彼の肩が一度、震えた。何かが彼の体の中で場所を空けるような震えだった。


秒針がまた進んだ。


そして、ベッドの上で音がした。


俺にしか聞こえない音だった。いや、あの子にも聞こえていた。


プツ。


糸が切れるような、小さな音だった。


あの子が言った。


「プツってしたよ。次はピリ。今、プツ」


宙で止まっていた拍子が、降りてきた。置く場所を見つけた足のように。


ピリ、プツ。そして次のピリ。その次のプツ。


遅かった。とても遅かった。なのに、止まらなかった。誰も押していないのに、その音は流れた。あっちの老司祭が言ったとおりだった。


その日、俺は捕まえてくれという言葉を聞きながら、一秒をそのまま過ぎさせた。


俺の前を通り過ぎていく一秒を見た。思ったより長かった。


掴まなかった一秒にも、一秒分の長さはあった。その長さを、俺はその日初めて測った。


俺はその音を掴まなかった。数えただけだ。七番目が頼んだとおりに。


声には出さず、頭の中で。一、二、三。


あの子には、俺が心の中で数える数字が聞こえたのだろう。あの子も一緒に数えた。四、五。


「夢の音もするよ。すごく小さいよ。どんな夢かは分からない。音だけ」


あの子が付け足した。


その子が人の頭の中を聞き始めた頃、眠っている人から漏れていた音。五月の病室にはなかった音だった。


看護師長がベッド脇のモニターを見た。数字はどれもそのままだった。脈拍、呼吸、酸素飽和度。


看護師長は記録用紙に数字を書き写した。そして備考欄でペンを止め、小さく書いた。


変化なし(数値上)。


括弧の中の言葉は、指針にはなかった。看護師長はその括弧を消さなかった。


数字の外のことを書く欄は、看護記録にはなかった。看護師長は今回、「目分量」とも書かなかった。


彼女の手の上で、子どもの指が一本、ごくわずかに曲がった。


それを感じたのは、彼女だけだった。


彼女はその手を離さなかった。手の甲を支えたまま、息をしなかった。


彼女が息を止めたのを、俺はその日、初めて見た。


* * *


壁時計を見た。3時27分。接見終了の3分前だった。


刑務官が腕時計を見た。記録紙を見た。それから、七番目を見た。


ガラスの前にひざまずき、額を押しつけている収容者。


刑務官は口を開けた。告知をする時だった。接見終了、3分前——そう告げる時だった。


去年の秋から、この部屋で刑務官は終了告知を一度も欠かしたことがなかった。その告知が割り込むたびに、刑務官は申し訳なさそうな顔をした。それでも、欠かしたことはなかった。


刑務官は口を閉じた。


告知はしなかった。ボールペンも持たなかった。腕時計を袖の中へ押し込んだ。そしてドアの脇の椅子に座ったまま、方向のない音を探すように、耳をほんの少しだけ傾けた。


相談員がファイルから顔を上げた。刑務官が告知をしなかったことに、相談員も気づいた。


相談員はファイルの空欄に、何かを書きつけた。後で聞いた。


担当刑務官、終了告知省略。収容者に変化なし。刑務官に変化あり。


3時30分になった。秒針は誰にも捕まらず、その数字の上を通り過ぎた。


七番目が額をガラスから離した。ガラスに、額の跡が残った。


彼はひざまずいたまま、ベッドの上の子どもを見た。それから、自分の手を見た。


爪の下は黒かった。手のひらの半月形の傷痕も、手の甲の白い線三本も、そのままだった。


なのに彼は、その手を初めて見る人間のように、長いこと見ていた。


縫い目がひとつ、空いている手。


彼は立ち上がった。脚を伸ばすのに、時間がかかった。


ガラスの向こうから、彼は俺を見た。彼女を見た。ベッドの上の子どもを見た。


最後に、彼女の肩の脇を見た。


ベッドが置かれている場所。先月、彼がそこが正しいと言った場所。


「すべて、返したのだ」


* * *


その日、その接見室の壁時計は、3分前の告知なしに接見終了の時刻を過ぎた。


時計は正確だった。去年の秋、班長が取り替えた時計だった。


その日、その病室の看護記録には、外出時刻と帰院時刻が記された。


二つの時刻の間の欄には、何も書かれなかった。


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