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神獣テイマーの異世界放浪記 〜未知なる食を求めて〜  作者: 葉山ローリエ
第一章:最弱テイマーの規格外な旅立ち 〜最強の神獣たちとの出会い〜

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第17話:見なかったことにしたい夜と、朝の絶叫

ギルドマスターとの面会を終えた俺は、真っ直ぐに受付カウンターへと向かった。


「あの、この前は親切に色々教えていただいて、本当にありがとうございました。おかげで無事に冒険者になれました」


「いえいえ! 本当に無事に帰ってこられてよかったです。今日はどうされたんですか?」


「実は俺、料理人でして……これから冒険に役立つ調理器具を探したいんですが、いいお店を知りませんか?」


「料理人だったんですか! だから無欲というか、落ち着いてらっしゃるんですね。……それなら、中央通りにある『ドワーフの金床亭』というお店がおすすめです」


「ありがとうございます。今度、美味しい料理を持ってお礼に来ますね」


「えっ、本当ですか!? 楽しみにお待ちしてます!」


受付のお姉さんとそんな約束を交わし、ギルドを後にした。

その日の夜。

試験の疲労もあったため、夕食は街の定食屋で軽く済ませることにした。

しかし、俺の料理の味を知ってしまったリコとタンクにとっては、外食の串焼き程度では全く物足りなかったらしい。


『リオン、わたくしたちは夜の散歩がてら、明日の食材を調達してきますね』


『おう。あのトカゲ戦で暴れ足りなかったからな。ちょっと運動してくらぁ』


二匹はそう言い残し、夜の街の外へと出かけていった。

宿屋の一室で久しぶりに一人になった俺は、窓枠に肘をつき、夜空に浮かぶ見知らぬ二つの月を見上げていた。


「……俺、本当に異世界に来たんだな」


そんな感傷に浸っていた、その時だった。

ピカァァァッ! ドゴォォォォン……ッ!!

遠くの森の方で、時折不自然な光が瞬き、少し遅れて建物を揺らすような地響きが伝わってきた。


「…………」


あいつらだ。実技試験で俺を見守るしかなかったから、ウズウズして魔法をぶっ放してやがる。


「気のせいだ。……これは、見たらあかんやつや」


嫌な汗をかきながら、俺はそっと窓を閉め、布団の奥深くへと潜り込んだ。

◆ ◆ ◆

翌朝。

スッキリとした顔で戻ってきた従魔たちと共に宿屋の外に出た俺は、その光景に絶叫することになった。


「うわぁぁぁぁっ! なんだこれ!?」


宿屋の裏路地に、巨大な鳥系の魔物、丸々と太った豚系の魔物、そして牛ほどもある巨大な蜘蛛の魔物が、山積みにされて転がっていたのだ。


『ふふん、どうですか! 鳥と豚は定番ですが、この大蜘蛛は脚の中身がカニのようで絶品なんですよ! もちろん、わたくしの結界で鮮度は最高の状態です!』


『がははっ! 準備運動にはちょうど良かったぜ!』


ドヤ顔で胸を張る二匹。


「鮮度より先に、ホログラムの結界で周りから見えないように隠せよ!」


朝から目立ちたくないのに、路地裏を覗き込んだ街の人々がすでにざわつき始めている。

俺は頭を抱えながら、慌ててマジックバッグに巨大な魔物たちを突っ込んだ。

このサイズの魔物を素人が解体するのは不可能だ。

俺たちは街の冒険者御用達の『解体屋』へと向かった。


「ほほう……こりゃあ久しぶりの大物だ! 『ロックバード』に『グランド・ボア』、それにBランク魔物の『シェル・タランチュラ』まで! 俺の腕が鳴るぜ!」


血の匂いが染み付いた工房で、職人気質の解体屋の親父が目を輝かせている。

解体にはしばらく時間がかかるとのことなので、俺たちはその間に、昨日受付のお姉さんに聞いた店へ調理器具の買い出しに行くことにした。


「じゃあ親父さん、よろしくお願いします」


店を出る直前。リコが誰にも気づかれないよう、しれっと解体部屋の全体に『鮮度保持の結界』を張っていくのを、俺は見逃さなかった。どんだけ食い意地が張ってるんだ、お前は。

呆れながらも、俺の頭の中は「この新鮮な肉をどう調理してやろうか」というワクワクで満たされていた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

「面白い!」「神獣たちが可愛い」「続きが読みたい!」と少しでも思っていただけましたら、

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