2つの国は
この話で完結になります。
ローザがドットーレ王国に帰れるようになって一年。
「ローザ様、お茶を」
「ありがとう、エリシャ」
一息をついてそっと窓の外を見るローザの目には両国をつなぐ汽車が映っていた。
まだ旅行としては富裕層しか気軽に行くことは出来ていないのだが、交換留学等での交流は盛んに行われるようになった。
これはフィンの留学と、ローザがアルレッキーノ王国にしばらく滞在していたことの功績が大きい。
特にローザは両国間をつなぐ柱として日々忙しく過ごしていて、時に子供たちに両国の文化の違いなど自ら教えに行くこともある。
教え子たちのほとんどはフィンの予定したように孤児院の子供たちが多く、しかし時に庶民の子や貴族の子もいたりする。
アルレッキーノ王国では特にごちゃ混ぜであり、あまり身分を気にしない性質によるところが大きいのだろう。
「お、いたいた」
「フィン様、何かありましたか?」
どうやらローザを探していたらしいフィンは空いている席に勝手に座り込む。
するとすぐにレンは水筒とカップをフィンの前に置くと下がり、エリシャに声をかけた。
両国間の行き来が多い2人なので、レンとエリシャも会う機会が多くあり国同士の伝達を任されていたりする。
「大したことはないんだけど。そうそう、観光案内ローザの日を増やせって声がやけにあるんだけど、どう?」
「それは嬉しいけれど、日を増やすとなると難しいわね」
どちらの国でも人気があるローザは、一ヶ月に数回だけ観光案内も請け負っている。
最近は子供たちに実践としてさせて、それを見守っているだけなのだがフィン曰くかなりの声が上がっているという。
「ま、そーだよな。そうなると現状維持といいが、今度ジェシカにでも頼んでみるか」
「ジェシカさんに?」
「愛想はいい方だし。いっそ観光客は失恋客のみみたくすんのもありかなって思ってんだよ」
同じ境遇の人と話すのも気晴らしにはなるだろとフィンは言って、実際やるかどうか未定らしいが。
「本題なんだけど、今度の合同パーティーにパートナーとして参加してもらえない?」
アルレッキーノ王国とドットーレ王国の合同パーティーが近々開かれる予定で、一応主催者側に当たるために1人での参加は格好がつかないらしい。
ついで言っておけば、散々連れを用意しろと大臣やら話を知った身分問わず国民から言われたとフィン。
ただ誰も誰かを紹介するわけで勧めてするわけでもなかった。おそらくだが、みんなたった1人を思い浮かべているのだろう。
いつものように気軽に誘ってくるフィンにローザは優雅に微笑んだ。
「ええ、私で良ければ喜んで」
どうやらローザもフィンと同じような状況だったらしく、それを口にしたローザは可笑しそうに笑うのだった。
拙い物語を最後まで読んで頂きありがとうございました!
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