3 奴隷のアナタも素敵な恋を始める準備をしなさいっ!
ホームルーム開始のチャイムが鳴ると、生徒会室から上機嫌な金城コミンが出てくる。
恐る恐る覗き込むと生徒会室の中で果てている騎士たちの哀れな姿が見え、俺は目をふさいだ。
「みんなのサンタ衣装の寸法は把握したわ! アナタはトナカイが希望なんですって?」
コミンは手の感触を思い出しながらメモに数字を記している。
「なあコミン、この手紙に心当たりは?」
「なによ?」
「お前の知っている、どこかの魔族の仕業なんじゃないのか!?」
白紙になってしまった脅迫手紙の経緯を簡単に説明しながら、廊下を歩くコミンの目の前に突きだす。
「すごく熱い思いがこもってる! 素敵なラブレターね!」
「は!? 違う! 脅迫状だっての! 俺を脅すような文章が消えた!」
「とても切ないわ、恋の聖霊を呼んでしまうほどに――」
コミンはスキップをしながら、廊下の風船の装飾を手直ししながら歩く。
「こっちは真面目に聞いてるんだ! ……それに、俺が捕まったらお前がクーラーだってこともバレてしまうんだぞ」
「アタシとのアナタの秘密を赤の他人にしゃべる予定なわけ!?」
突然振り返ったコミンはほほを膨らませて俺をにらむ。
その頭にはサンタの赤い帽子が乗っている。
「い、いや、……その――」
「いいわ! もうすぐ安息日よ! イブの今日も一切の生徒会活動を禁止! パトロールも不要よ! 奴隷であるアナタも素敵な恋を始める準備をしなさいっ!」
コミンは何の前置きも前触れもなくそう言った。
「またわけのわからないことを――! 話をすり替えるなよ!」
俺はまったく相手にしてくれない上機嫌なコミンの後ろについていき、いつもの中庭にたどり着いた。
コミンは指をくるりとまわすと棚からさまざまなポットが飛んでくる。
そして宙に浮かぶポットを吟味する。
「どこのどいつが犯人なのか、お前には見当つきそうに思えるんだが……」
コミンは『学内での失恋はご遠慮ください♪』と書かれた張り紙を見つめて紅茶をすすっている。
「しつこいわね、知らないわ。自慢げに見みせびらかして……! ラブレターくらいでいちいちわめきたてないで!」
コミンは目もくれずに俺の手紙を払いのける。
「いいこと!? それくらい自分で考えて行動しなさい! いつまでもアタシがアナタの主人で人生を導く案内人でいられるなんて思わないでよね!」
「俺は奴隷じゃない!」
コミンは俺に向き直り関心したように言う。
「あら、そうよ! わかってきたじゃない! いつまでも奴隷に甘んじてちゃダメ! 主人意識は芽生えたみたいね、奴隷から下僕に再昇格! そしたらラブレターの送り主の気持ちにきちんと答えてあげなさい!」
「脅迫に答えるって……俺にくたばれってことかよ」
「アタシだって命を懸けて、堕す覚悟で愛の理論を追及してるの! アナタだけ安全圏から愛も恋も手に入れようなんて卑怯よ! いばらの道を裸で突き進む覚悟で! いい!?」
冬の肌寒い時期なのに、コミンはまったく厚着などせず、腕まくりをして、短いスカートから生足が輝いている。
春先に見たニーソックスも履いていない。見ているだけで寒そうだが、魔戒で最強の魔女に寒さなんて問題ではないのだろう。
「ラブレターは脅迫状よりも慎重に扱うこと!まさか、その手紙に背を向けて逃げるつもりじゃないでしょうね!?」
俺はコミンの話題を変えようとした。
「コ、コミン、あのニーソックスは、また来年なのか?寒くないのか!?」
「気になる?」
「べ、別に――」
「興味あるでしょうね、仕方ないわねー、じゃあ1足あげる!」
金城コミンは空中からニーソックスを取り出して差し出す。
「お、俺が履くんじゃなくて!」
「ニーソもリボンもリップも、女の子が外敵から身を守る結界。御守りみたいなものよ。フィシス理論は意識外からのアンチテーゼにもろいわ。噴水でアタシに暴力したこと、覚えてる?」
「……あー、あの頃は俺も若かった。ニーソの生徒会長に逆らうなんてな」
「そう!アナタの口から突然飛び出す危険な愛の理論には特に要注意なのよね! あの時はニーソックスの加護がなければ、アタシも危なかったわ!」
金城コミンは俺を睨む。
「でも最近のアナタには警戒する必要ないからね。ニーソの出番はないわ」
「そうだろ、俺は無害だ。あの時からずっと言う通りにしてる」
鼻血が滴りそうなので、ティッシュを取り出す。
「そんな残念がらない方が長生きするわよ、もう忘れて? 新鮮な愛を語らないアナタにフィシス理論開発のための価値なんてない。用無しになって堕されたくなければアタシにニーソを使わせるように、愛のアンチテーゼを聞かせることに頑張ることね」
「あー、そうだな……。ちなみにそれ、もらえるとしたら中古か?」
コミンは紅茶に口を付けるが顔をしかめ、口をとがらせる。
「魔法使うといまいちコクに欠けるのよね~」
コミンは胸元から赤いハート型の生き物をひっぱりだした。
「ちょ、それ……!」
「なぁーに、コレ? 何故かさっきからビクビクしてるわ」
コミンは赤いソレを指でこねながらつぶやく。
「――ッ、な、なんのことだ――? お前までそんなもので脅す気か!?」
いつもの拷問に耐える準備をした。
「あら、少しは興奮してくれたようね、ジェントルマン?」
「するわけないだろ!お前のニーソなんかに!」
「アナタのご主人様は紳士ぶってるけど、心は正直でいい子ね。そんなにみんなのメイド服がよかったの? ――って、アタシのニーソに?」
「わ、忘れろ!」
指からぶら下げたハートに問いかける。
「愛してるっていってごらん!」
「あ、愛してる!」
俺は地面に向かって叫ぶ。
「違うわ! 唇より甘くタッチするように! もっと心をこめて! せーの……!」
「――あ、愛してるぁぁぁ!!」
「聞こえたぁ? ご主人は赤点以下ね」
「はぁ、はぁ、はぁ……もういいだろ……、俺のそいつを返してくれよ……安息日なんだろ――」
赤いハートを湯気がのぼるカップの上につるす。
心臓のあたりに温かい感触がしみわたる。
「おいっ、嘘だろ! まさか――!」
「四の五の言う前に、歯を食いしばったらいかが?」
「よせよせ、やめっ――ぐあぁぁあああ! 熱っちーって!!」
「うっさい心ね! だまっていい味だしなさい!!」
コミンはハートをカップに押し込む。
「熱ッ! な、やめろ! やめてくれって!」
「怒ってるつもり? 鏡で練習しなさい、よそでやったら笑われるわよ」
俺の悲鳴を気にも留めず赤いハートを湯気の上がる紅茶のカップにいつまでもおぼれさせている。
「恋におぼれたらもっと苦しいのよ! だからラブレターに込められた呪わしい心はかならず成就させてあげなさい! これは任務よ! わかった!?」
「ち、ちなみにだ! 安息日を破ったらどうなるんだッ!?」
金城コミンの手が止まる。カップを見つめながら真剣に言った。
「やられても、やりかえしちゃダメ。安息日は絶対に守りなさい、アタシの奴隷ならなおさら――」
「じゃあ、もし敵が襲ってきたら何もせずにやられろって?」
首だけで振り向いたコミンが人差し指で宙をひっかくとネクタイが強引に引っ張られる。
目と鼻の先に金城コミンの顔が迫る。
「う!?」
「……違反者はアタシに報告しなさい。お仕置きがある」
興奮気味なコミンの手に力が入り、ハートを握りしめる。
「痛ツ! わ、わかった、わかったから! 守るって」
俺は許され、地面に落とされる。
「ふん!」
「俺はどうなってもいい! だけど頼むからクリスマスくらい長津田さんはそっとしておいてくれないか……?」
「あの! 悲鳴が聞こえましたが大丈夫ですか!? 会長さん!? 問題ですか!?」
小窓から長津田さんがのぞき、心配そうに言っている。
コミンは長津田さんのノックを無視して紅茶をゆすっている。
「ちょ、こんなところ長津田さんに見られたら! 生徒会長のクセに暴力はまずいだろ!?」
「会長さん?」
金城コミンは笑顔を繕い、長津田さんに手を振る。
「あら! 丁度いいところに来ちゃったわね、涼子ちん」
長津田さんは、コミンが差し出したハートをつけこんだカップを受け取り、覗き込む。
「いい香りですね。会長さんが淹れたのですか?」
「アタシじゃないわ――」
長津田さんがカップに口を付ける。
「長津田さん! そ、それは……――飲んじゃ……」
「放課後のパーティ用にブレンドを考えていたところなの、よかったらどうぞ、涼子ちん♪」
コミンはいたずらっぽい声でそういうとカップを長津田さんに勧め、俺を見下ろして笑顔を見せる。
「アナタの自信作なのよね」
長津田さんは倒れている俺の顔を見る。
「そうなんですね、いただきます!」
「いや、……ちょっと待ってくださ――うぐっ!」
手を伸ばすと悪い顔をした金城コミンの足が俺の腹にのしかかる。
「アナタの心からのラブレター、味わってもらいなさい!」
カップに口を付けた長津田さんは表情をにごす。
「……苦いです」
そして眉をしかめ目をつぶってそれでも無理矢理飲み干そうとする。
「でも、個性的ですよ! こほッ! 大人の味って感じがします、私にはちょっと早かったかも……」
すると涙を指で拭い、我慢をごまかした笑顔で言った。
「……あれ、どうしちゃったんだろ――私、なんか変――!」
長津田さんは胸を抱えたまま部屋を飛び出した。
「アナタの紅茶、あんなに無理して……。とても飲めたものじゃないのに。こっちまでぞっとするね」
いたずらっぽい瞳を見せるとカップの底に残っていた赤いハートをつまみあげ、出がらしのように地べたに捨てる。
「長津田さんに変なものを飲ませやがって……!」
コミンは俺を無視して次のカップの吟味を始める。
「わ、わかったよ! お前の言うとおりにする! 脅迫のラブレターな!」
「ふーん」
立ちあがると、ゆっくりとコミンの顔が迫ってくる。
「ね!」
フルーツのような香りが鼻をくすぐる。
「な、なんだよ――!」
「口に嘘がべったりくっついているわよ」
「なわけないだろ――!」
口をぬぐう。
「アナタの嘘つくときの顔なんて食事中の失恋話より遠慮したいわ!」
安息日だかクリスマスだか知らないが、この魔女は騎士たちを油断させてまた妙なことやらかすんつもりだろう。
「クリスマスくらいフィシス理論は置いておいて、おとなしく頼むよ!」
「どうしてもおごりが過ぎるようね。恋を追いかける勇気が足りないならいくらでも注ぎ込んであげる!」
「な、何する気だよ――……!」
コミンはスカートの中から相手を一撃粉砕するあのヤリをのぞかせた。
「ハンティング・イン・ハー・ハート、されたいの?」
「やめろ、そんなのしまえって!」
「そこにおすわり!」
「……ぐっ――!」
不思議な力で膝が折れ、四つん這いになる。
久しぶりに見たクーラーが振りかざすヤリはいつもより凶暴に見える。
「そ、そんなヤリは……! や、やめろってッ―!」
「勇気がでるよう心のツボを突くから、ほら向こうむいて」
「生意気言って悪かったって! ちゃんとやるから、か、考え直してくれよ!」
コミンは首を振り、うしろを向けと指図する。
「ペペペペペ!」
「ぐぁっ!!」
空からペッキンコッキンが落ちてきた。そいつは俺をクッションにして地面に転がる。
「痛ッ――! 何する、馬鹿魔族!」
ペッキンコッキンが地べたで舌を出している。
そして傍らには、プレゼントの箱が見え、その崩れた箱から人形が顔をのぞかせている。
「そ、それは! また俺のロッカーを物色したな!」
「ぺ!?」
俺が持って来たクリスマスプレゼントだった。
「あら? 何、これ? お人形さん?」
コミンは俺のプレゼントの人形をみつめる。
「お、俺のだ!」
長津田さんにあげるために買った。何時間も街の雑貨屋をふらふらして選び抜き、風邪をひくかと思った。
「お願いだ、それ返してく――」
「かわいいじゃない! 素敵ねッ! あははは!」
それまでの恐ろしいげな顔に輝く笑顔がパシャリと張り付いた。
そして俺を突こうとしたヤリが消えている。
「迷い人形ちゃんね! かわいそうに、アナタは誰への贈り物なの?」
人形に向かって問いかけると人形は口をぱくぱくして身ぶり手ぶりでコミンに答え始めた。
「嘘だろ――……!」
「うんうん! それでそれで!?」
コミンは笑顔でうなずいている。
「――や、やめてくれ! 大切なものなんだ! 変な魔法をかけないでくれよ!」
「何よ」
そして思い出したように再びヤリがのどに突きつけられる。
「いや、じゃなくて――……あの――」
「口をとじて――。力を抜かないと、余計に苦しいわよ……」
「そそ、そのプレゼント、お、お、お前にって――!」
「――は?」
「き、気にいってくれたか!? ――そ、そうか! それなら、よかった!」
「へー。アタシに」
「ああ、そうだとも! どうしても喜ぶ顔が見たくて!」
「ふーん」
そういうと、前のめりで俺の口をみつめてくる。
俺は口を隠す。
「き、機嫌直してくれよ、な?」
コミンは人形の頭をなでて考える。
「だから、このヤリをどけてくれないか?」
「仕方ないわね、そのラブレターは安息日前には決着つけなさい! 恋は戦と同じよ! じゃないとアナタの心臓をこの子にあげちゃうわ!」
そう言うと『ねー』と人形に同意を求め、また笑顔をこぼす。
「あの生徒会のチンピラ男子! 私たちの金城さんにプレゼントしてるわ!」
「金城さんをひとりじめするな!」
小窓から生徒たちが俺を睨みつけ不平を叫んでいる。
「チンピラって……俺の方がかよ――!」
コミンはドアを詰まらせている生徒たちに気がつく。
「みんな、こんなところで何しているの! 今日という日が何の日だか知らないわけじゃないでしょ!?」
コミンは女子生徒たちを指差す。
「今日の恋愛レッスンはお休みに決まってるじゃない! とにかく、バッグに忍ばせているプレゼントを出してはやく実践してきなさい! ただし、デリケートな恋愛の聖霊たちを泣かせたりでもしたら許さないわよ!」
ひとりの女子生徒が前に出る。
「前から憧れてまいた! その、好きです! うけとってください!!」
「ん~、25点。ぜんぜん赤点よ!」
「そ、そんな!」
女子生徒にはとことん優しい金城コミンにしては、さらりと厳しい評価を告げた。
「あとアタシで練習しないで!」
「れ、練習なんかじゃないですっ! 本気なんですっ!」
「その気もないくせに――! ……もう! ……いじわる!」
その女子生徒はコミンにそっぽを向かれると泣き崩れる。
それを見た群衆が『フられたフられた』とつぶやく。
そして生徒たちは次に誰が立候補するかお互いの顔をうかがっている。
「ちょうどいいわアナタ! みんなに愛を叫ぶお手本みせてあげて!」
コミンがあごで俺のネクタイを引っ張った。
「――ッんだよ!」
「あと、そこの三つ編みの女の子! 前へ!」
「えっ!?」
指名を受けたのは入学直後に俺が泣かせた女子生徒だった。
その三つ編みの女子生徒は戸惑いながらも、コミンの命令で慎重に俺に近寄る。
「いいアナタ!? いつもアタシにしているように、この子に、愛してる! って怒鳴ってみせてあげて! そしてみんなは参考にすること!」
「何よあの生徒会のチンピラ!金城さんにそんなことを!?」
「まったく違う! ――そんなわけ――ッ」
「ほら、お腹に力入れて! せーのッ……」
「できるかよ――!」
「さっきやれたでしょ! はい、せーのッ……」
「絶対に言うもんか! ふざけやがって!」
「――ぅぅ」
その三つ編みの女子生徒はうつむき、目に涙をため始め、耐えられず逃げ出そうとした。
俺を睨む金城コミンが俺のネクタイを使って締め上げる。
「……女子に恥をかかせて……ここで突かれたいの?」
俺は逃げ出そうとするその女子生徒の手を掴む。
「――えっ!?」
「あ、あ……、ッもう! 愛してるぁッ!」
俺は三つ編みの女子生徒の足元に叫んだ。その女子生徒は顔を赤らめた。俺は顔をそらす。
群衆はどよめき始めた。
「――ぉお……すげぇ……」
「――……わぁ! 素敵!」
そして小さい拍手がおこった。俺は三つ編み女子を睨む。
「勘違いするな……、これは無理やり――」
「か、考えておきますっ!」
そう言い残した三つ編みの女子生徒は群集の中に逃げて行った。
群集の中には長津田さんがいて、同じように拍手をして驚いている。
俺は膝をつく。
「なんだよ――、どうしてこんなことを――」
「勇気を分けてもらったなら、ほら! みんなも急ぎなさい! 時は待ってはくれないわ!」
「――は、はい!」
群衆はコミンの指さす方向に散っていった。
「これでよし――っと!」
「なーにがいいんだ……」
「あとそれ」
人形の頭をなでるコミンが指さした棚には、プレゼントが山のように積んである。
「高級ぶどう酒……ワイン――?」
それらのプレゼントに添えられているメッセージカードのようなものを覗き込む。
「『ビグニティ教会御中。フィシスより愛をこめて』って! 敵に塩をおくるのか!? どうして安息日前に挑発する!?」
「安息日を祝う贈り物よ。いつもお世話になっているお得意さんにってね」
「世話どころか、死に物狂いで手を焼いているお前からのプレゼントなんて教会が受け取るわけないだろ! そうやって挑発するから!」
「小僧」
プレゼントの山の横にあの執事がいた。裏の倉庫からプレゼントを運んでくる役目を実行中のようだ。
「ヴァーサー・クーラーさまの安息日の贈り物を遠慮した者などこれまでひとりたりともいない」
「あんなかわいいマリアちゃんやアクりんを差し向けてくれた教会には感謝しなきゃね! 義理や人情は命よりも大切よ! その子と一緒に頭を下げて配って回りなさい!」
呪われてしまった人形は俺のズボンのすそを引っ張る。
「そのお役目はワタクシメでは……」
横から執事が主に懇願する。
「若い衆に任せなさい。執事の仕事はもう忘れてよし。もう楽になさい」
変わらず機嫌のいいコミンは廊下に走り去っていった。
コミンに命令された人形はワインを抱えてそそくさと走り出す。俺がついてこないことを確認すると手招きしている。
俺は執事と顔を見合わせる。俺はプレゼントに指をさす。
「譲る」
「小僧よ、良い安息日を」
首を横に振った執事は、俺の目の前でもったいぶってワインを開け口の中に流し込むと、気分よさげに壁に吸い込まれて消えた。
人形が地面を蹴って催促するので、俺はプレゼントの一つ選んで抱え、人形についていく。
◇─◇─◇─◇─◇─◇─◇─◇─◇─◇─◇
【作者つぶやき】コミケディスク。




