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セカンド・ワールド〜女神救出から始まる物語〜  作者: 唯ノ蒼月
第4章 吸血鬼の古城

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第81話 暴走した翌日

俺の血を飲み暴走が収まった吸血鬼の始祖エルトリーデ。

正気を取り戻した彼女は親友であるオリヴィアと抱き合いながら泣いた。

その後お互いに泣き疲れたのかそのまま眠ってしまったので待機中の第1軍に連絡を入れて物資を幾つか搬入。


エルトリーデとオリヴィアを簡易ベッドに寝かせ毛布を掛けた後、俺達も眠りにつく。


翌朝。


両サイドで眠るラニとラピスが起きるのを2人の頭を撫でながら待つ。

2人が起きたら手を引いて顔を洗いに行く。

近くに川は無いので木の桶に汲んだ水で顔を洗う。

洗い終えたらフィアナの案内で朝食を食べに行く。


戦闘した広間とは別の広間にて朝食を食べる。

エルトリーデとオリヴィアも落ち着いた様で二人も一緒に朝食を摂った。


「改めてありがとう、助けてくれて」


「お礼なんて良い、血を飲ませたのは本当に偶然だから」


エルトリーデが頭を下げた。

プライドとか高さそうなイメージだがそうでもないのか。


「素直じゃないですね、元々血は飲ませるつもりでしたでしょう」


ラピスが食べ終え空いた隣にしれっと腰掛けたクロエが暴露した。


「そうなの?」


「そうです、悪魔の力による暴走と当たりを付けて血を飲ませれば抑えられる筈だと」


「あのクロエ?普通答えるの俺だと思うんだけど?」


「私が言わなければ教えませんでしたよね?」


そりゃわざわざ言う必要無いからな。

実際確証があった訳では無いし。

そこまで恩着せがましいのも嫌だしな。


「……滲んでますね、食べ終えたら包帯を取り替えますからね」


「はいな」


当たり前のように拒否権は無い、だから正直に従う。

それを見たエルトリーデとオリヴィアはクスッと笑った。


朝食を食べながらエルトリーデから聞いたのは配下の吸血鬼は2つの派閥があると言うこと。

エルトリーデに忠誠を誓っている者とそうでない者。

クロエの話ではそれらの吸血鬼達は現在地下牢にて確認されているらしい。

その話を聞いたエルトリーデは。


「分かったわ、後で一緒に行きましょ」


と小さな声で言った。

その後朝食を取り終えたエルトリーデと共にシャルルが向かい、エルトリーデの指示の下、始末された吸血鬼が大半を占め、残ったのは数名と極少数となった。


処理……と言って良いのか分からんがやることやって地下牢から帰ってきたシャルル達。

……ものの見事に女の子の吸血鬼しか残っとらんやん。

残った数名の吸血鬼は皆が皆俺の方を見ては一礼してシャルル達に連れられていく。

その後シャルルはエルトリーデ達を連れて湯浴みに向かった。


「皆汚れてるからね、女の子なんだから綺麗にしなきゃ」


と言ったのはシャルルだったか。

出会った当初はシャルルもそこまで綺麗とか拘って無かった気がするが……まぁ生きてれば変わるか。


シャルルがフィアナ達と協力してエルトリーデ達の身体を綺麗にしてる間、俺はその辺に腰掛けてクロエに治療をしてもらう。


「今回は塗り薬を塗りますね」


俺の目の前に屈むクロエは両手に小瓶を持ってそう微笑んだ。

今までは飲まずに包帯を巻くだけだった。

この世界の薬では俺に効果が無いからだろう。

それを今回塗ると言うのならその塗り薬にもルナ様の血が含まれているのだろう。


ルイナさんに噛まれた首元、エルトリーデが噛み付いた手のひらの2点にゆっくりと薬が塗られていく。


「痛くないですか?」


「首は大丈夫、手のひらが少し染みるかな」


ルイナさんに噛まれた所は日が経ったからか染みることは無い。

流石に昨日今日の怪我は染みる。


塗り終えたら丁寧包帯を巻いてくれる。

キツすぎず緩すぎない丁度良い加減だ。


「これでよしっ終わりましたよ」


「ありがとう」


治療も終わったのでその場から立ち上がる。

そっと傍によって支えてくれるクロエ。

クロエに支えられながら古城内を歩き外へと出る。


外では第1軍がせっせと物資を運んでいる。


「此処も拠点にするのか?」


「はい、前線への物資を補給する拠点として活用するつもりです。エルトリーデにも許可を得てますよ」


なるほどね、確かに此処なら万が一の時の籠城にも使えるか。

よく見れば物資の搬入以外にも壊れた箇所の修復なども行っている。


俺とクロエは再び城内へと戻る。

城内にはシャルル達が湯浴みを終えて戻っていた。


「昇、ちょっと良いかな?」


シャルル達に合流しようかと思った所にアリシア様が呼び掛けてきたのでそちらを見れば手招きしていた。


クロエと共にアリシア様の方へと向かえばアリシア様は個室へと入って行った。


個室に入ると其処にはアリシア様の他にノルン様やエイア様もいらっしゃった。

ルナ様とミミティ以外は皆憑依してなかった訳だが何故この様な場所に全員集まっているのだろうか。


「昇にお礼をしようと思ってね、まぁあげるのはルナなんだけど」


「お礼……?」


何やらお礼をする為に女神様達は此処に集まって話し合いをしていたらしい。

だがお礼と言われてもピンとこないのだが……?


「悪魔を単独で撃破したのだもの、ご褒美をあげなくてわね」


そう言ってルナ様はそっと両手で俺の頬を覆う。

そしてゆっくりと近付くルナ様のお顔。


チュッ……


ルナ様の唇が優しく俺の唇に触れる。

女神様の甘い甘い口付け。


「良くやってくれたわ昇……ご褒美は私の初めて……よ」


真っ赤な顔で、けど見惚れる程に美しく微笑むルナ様。

きっと俺も顔が赤いのだろうな。


「俺も初めて、です」


「あら♪良かった♡」


その口付けは確かに、俺にとってはご褒美だった。













「本当は私もしたかったのだけれどね」


「駄目よ、私の昇だもの」

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