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セカンド・ワールド〜女神救出から始まる物語〜  作者: 唯ノ蒼月
第3章 雪の里

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第56話 地下の通路

俺達は和解したルミと共に地下空間を進む。

地下の通路には明かりはない為マリアやセレスティナが光魔術で明かりを灯して進む。


「ごめんなクロエ」


「気にしないで下さい、私がやりたくてやっているんですから」


俺は現在クロエに支えられながら歩いている。

エイア様の奇跡によって怪我はある程度癒えたが完治はしていない。

クロエに包帯を巻いてもらったので一人でも歩けなくは無いが、クロエから「支えます」と申し出があり、その申し出を受けた次第だ。


「こんな所に通路があったなんて……」


此処は雪の里を守っていたルミですらも知らない場所の様だ。


「ルミに雪の里を守らせていたと言う事は隠したい何かがあると言う可能性が高い、恐らくだが此処もその1つじゃないか?」


守るというのはそこに守るべき価値のある物があってこそだ。


「本当はゆっくりと調べたい所だけど……」


「そう言う訳にはいかないな」


シャルルの言葉に頷きながら呟く。


俺達はゆっくりでも良いがルミはそうもいかない。

ルミは人質を取られている。

ルミの役割は雪の里に人を近付けさせない事。


その為に氷狼と氷の戦士を生成して近付くものを追い払ったり撃退していたのだ。


だがそれを破られ侵入を許した今、ルミは悪魔との約束を反故にしたと言う事だ。


人質が危険だ、時間との勝負になる。


周囲を警戒しつつ道なりに進む。


剥き出しの岩壁、人工的に作られた通路だと言うのは分かる。

だが何の為に此処を掘り進めたのかは分からない。


「あれ?分かれ道だ」


先頭を行くシャルルが呟いた。

俺もクロエと共にシャルルの隣に行けば確かにT字路になっていた。

此処に来て分かれ道、どちらも必要だから作ったと思うが……。


「どうする?余り時間を掛けてられないぞ」


本来なら隈なく調べるんだが今は時間が限られている。

極力無駄は省きたいが俺達にはその術が無い。


「ふっふ〜ん、此処は私の出番ね!」


「女神ノルン……」


どうしたものかと頭を悩ませていると自信満々に胸を張ったノルン様が憑依を解いて現れる。

その姿を見て呟いたのがルミ、最初よりは落ち着いているがそれでも驚きを隠せてない。


ノルン様が出てきた理由は……なるほど、未来視か。


「お願いしますね、ノルン様」


「任せなさい!」


そうして待つこと数秒。


「こっちね」


「ありがとうごさいます、行こっか」


俺達はノルン様が示した方へと進む。


「ちなみにもう一つの道はどうなるんです?」


「あれは進むと幾つもの枝に分かれるわね、そしてその全ての枝が雪の里の民家の下に通じてるわ」


「……なるほどね」


「何か分かったの?」


ノルン様の話を聞いて一人納得した俺にシャルルが首を傾げて聞いてきた。


「確定って訳では無いが、恐らくこの通路は雪の里の少女達を攫う為のものだ」


この通路を用いれば誰にも見つからずに連れて行くことは可能だ。

まさかルミ達も自分の家の下に通路を作られてるとは思わんだろうしな。

それも一応は味方である魔族側が。


「ところで、なんでルミはわざわざ自分の家以外は板で封をしたんだ?」


「見知らぬ奴らに家を居ないうちに荒らされたら誰だって嫌でしょ、けど鍵とか持ってないから外から塞ぐしか無かったのよ」


「その為にあんな氷狼と戦士まで生成するとはねぇ」


「氷狼?戦士?なにそれ、私は知らないんだけど?」


首を傾げるルミ。

ルミでなければ一体誰が作ったと言うのだ?悪魔か?


「……火の悪魔の他にも居ると思った方が良さそうだな」


「そうだね……」


俺の言葉に同意したシャルル。


悪魔1体でも手に余るのにそれが2体、3体と居るかも知れないと思うと頭が痛くなる。

しかもそれぞれがミミティやイェーガーの様に何かに特化した能力持ち。

考えただけで厄介過ぎる。


仮に複数の悪魔と接敵したらシャルルやクロエだけだと厳しいだろうな……。

アリシア様にも頑張って貰わないといけないか……。


申し訳無く思うがアリシア様自身はその辺は余り気にしていない様だ。

寧ろ率先して戦うつもりだったらしい。


そんな話をしながらも警戒しつつ地下深くに潜っていく。


進んで行った通路の先、開けた場所に出た。

暗くて見えない此処もマリアとセレスティナが光魔術で隅々まで光球を行き渡らせ明りを確保する。


広い空間に複数の穴が掘られている。

どうやら此処も通路が分岐している様だ、またノルン様に視てもらうか。


「……敵っ!」


「昇様!」


突如響くノルン様の言葉に皆即座に反応、俺はフィアナに腕を引っ張られ後方に移動させられる。

どうやら既にノルン様が未来を視ていた様だ。


身構える俺達の前に複数の穴から敵が姿を現す。


「また氷の女戦士っ!」


フィアナの言う通り、姿を現したのは里に辿り着く前に襲ってきた氷の女戦士と同じ者達だった。


「こ、これが里の前の広場で襲ってきたの?!」


驚きの声を上げるルミ、その様子から本当にこの戦士達の存在を知らなかった様だ。


今回は氷の女戦士だけで氷狼は居ない。

しかしその手に持つ武器がそれぞれ違う。


大剣、直剣、短剣二刀流、曲刀。


「各個撃破が望ましいけど難しいかもね」


シャルルの言う通り、全員を纏めて相手するのは厳しい。

出来れば各個撃破が良いが相手がそれを許すとも思えん。


「出し惜しみは無し、初手から炎を使ってけ」


俺の言葉に皆頷きそれぞれがそれぞれの獲物に氷の戦士達の弱点である炎を灯していく。


「来るわよ……!」


響くノルン様の声と共に俺達は氷の女戦士達との戦闘に突入した。

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