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セカンド・ワールド〜女神救出から始まる物語〜  作者: 唯ノ蒼月
第3章 雪の里

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第55話 雪の里の地下

「痛たた……」


突如現れた濡烏の髪の少女に飛び付かれたかと思えば背後の壁が壊れてそのまま少女と共に地下に落下したんだったか。


背中が痛い……落ちた時に強打したようだ。

身体が重いのはその影響か……?

両手はふにょんっと柔らかい何かを掴んでいる、手に吸い付く様に柔らかく、揉む度にその形を変えて……え?


「んっ……」


目の前には目を瞑っている先程の少女の顔があり、俺の手の動きに合わせて艶めかしい声を発している。

どうやら俺は少女の胸を揉んでいた様だ……。


ノルン『ラッキースケベって奴ね』


ルナ『昇……私以外の女の胸を揉んだのね……』


アリシア『なんかルナ、どんどん面倒くさい女になってってない?』


あ、少女と目が合った。

少女は顔を赤らめ勢いよく立ち上がると胸を両手で隠しながら凄まじい勢いで距離を取った。


「よ、よ、よよよよよくも、わ、わ、わわわわわたしの胸をっっっっっっ!!!!!!」


「「昇ーーーーーー!!!!!」」


「きゃん!?」


ラニとラピスの声が聞こえたかと思えば少女の上から降ってきた。

どうやら俺が落ちた後をラニとラピスが追ってきたようだ。

確か少女に落とされる直前にもラニとラピスの声が聞こえた気はした。


「昇大丈夫か!?」


「大丈夫?!」


ラニとラピスは下敷きになった少女の事など気にも留めず俺の方へとやって来た。

門番の時と言い今と言い、危ないから叱らなきゃいけないという気持ちもあるが俺の身を案じて此処まで来た2人が可愛くてつい許してしまう。


「こっのっ!」


ラニとラピスに踏み潰された少女が身体を起こし氷柱を生成、此方へと飛ばす。

襲い掛かる氷柱、だがそれらは俺達に到達する前に出現した炎の壁によって溶かされた。


「危ないなぁ」


そんな言葉と共に赤いポニーテールを揺らした少女が目の前に現れる。

そう、ティア様によって守られたのだ。

迎撃を試みたラニやラピスよりも速くに炎の壁を出現させた、流石女神様だ。


「女神?!そんなっ気配は無かった筈っ!」


俺に憑依中は気配を遮断出来るからな、まぁそんな事は教えるつもりは無いが。


「女神の気配を消す道具があるって聞いて信じてはいなかったけれどまさか本当にあるなんて……」


以前イニッツィオにて相対した狩人の悪魔、イェーガーからの情報だろう。

アリシア様の思惑通りそう言った道具があると誤認させれた様だ。

少女の顔に焦りが見える。


「此処は逃げるっ!」


「逃がすわけないでしょ」


「え?うそっ!?」


踵を返して逃走を図ろうとする少女、しかしマリアによって行使、構築された光の鎖によって捕縛された。


こうして突如勃発した雪の里の少女との戦闘はその里の地下にて少女を捕縛した事で終了した。


少女との戦闘が終わったなら次に行われるのは話し合い。

少女には能力があるので捕縛しただけでは本来は戦闘は終わらないのだが此処に居るティア様とマリアが彼女の能力を封殺出来るので大人しくしているらしい。

実際、マリアの火魔術とティア様の火の奇跡は少女の氷を簡単に溶かしていたし。


「貴女は自分で望んで魔族側に付いてるの?」


マリアからの率直な質問。

と言うよりは確認だろうか、仕方なく魔族、強いては悪魔に従っている者もいると聞く。

彼女含めた雪の里の者達が仕方なく従っているのなら、原因を排除出来れば中立になってくれる可能性もある。

無駄に戦って戦力低下を招くのは嫌だからな。


「望んでなんかないっ!」


マリアの言葉に少女は凄まじい勢いで否定した。


訳あり確定か。


「殺したくなんかない、けどやらなきゃっ!」


感情的になって少女から吐露された衝撃の事実。

1年程前のある日を境に一人、また一人と里の人が行方不明となっていったという。

そして遂には少女の姉が居なくなり、入れ替わるように現れた悪魔によって族長である母や姉と他の村人を人質に取られていると知った。


そして少女は里に近付く者達を遠ざけさせる守り人にさせられてる。

その命令に逆らえば人質達の命はないと。


人質を取っているのは火を操る悪魔フラムマ。

ミミティの情報通り此処には火の悪魔が居る様だ。


「その悪魔を倒せば貴女達は中立になるのね?」


「ぐすっ……うん……」


泣きながら事情を話してくれた少女の拘束を解き、マリアは手を差し伸べる。


「私の名前はマリア、貴女は?」


「……ルミ」


どうやら一件落着の様だ。


そうして動き出そうとした時。


「痛っ……」


足が痛むから今まで座っていたのだが……やはり駄目か。


ラニ「昇!大丈夫か?!」


ラピス「あ、足が!」


「大丈夫、少し切っただけだ……」


落ちた時に足を切った様だ。

足からは少量の血が流れている。


「少しじゃ無いわよ!」


慌てた様子のマリアが此方に駆け寄ってくるが魔術が効かないことを思い出しあたふたしだす。

申し訳ないがその様子の少し可笑しくて笑いそうになった。


「お、大袈裟ね、治癒魔術を使えば」


「効かないのよっ」


「へ?」


治癒魔術で治せば良い、普通ならそうだ、誰だって思いつくだろう。

だからこそルミはそう提案したのだが精霊のマリアから告げられた言葉に呆けた表情をした。


「彼に治癒魔術は効かないのよっ!」


「そんな事あるわけ無いじゃん、ほら、私が掛けて━━━えっ……」


マリアが治癒魔術を扱えないと思ったのかルミが変わりに治癒魔術を行使する。

ルミが掛けた治癒魔術は間違いなく発動した、だが俺の怪我を治すことは出来なかった。


「弟君!お姉ちゃんが直ぐ治してあげるからね!」


「女神エイア?!それに弟君って……え……?」


あ〜あ……エイア様が突然現れて弟君って言うからルミが困惑してるじゃんか。


「まさか神……?でも見たこと無いし神の気配も微塵も感じられないし……えっ?」


「彼、ジョンは人間ですよ」


「…………」


「あっクロエ」


「また怪我されたのですね、私もエイア様のお手伝いさせて頂きます」


背後から聖女クロエが現れた事でルミの脳はキャパオーバーしたらしく固まってしまった。


その後エイア様とクロエに足の治療をしてもらいつつラニ達と同じ様に上から降りてきたシャルル達と合流し先へと進む事になった。

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