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セカンド・ワールド〜女神救出から始まる物語〜  作者: 唯ノ蒼月
第3章 雪の里

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第48話 久々の旅

イニッツィオを発ち、荷馬車に揺られること1日。

北上すると言ったが魔族の支配地域で危険だからゆっくりと進んでる。


「それでね、ノルン姉様がアリシア姉様のおやつを盗み食いしてすごく怒られてたんだ〜」


「アリシア様怒ると怖そうですよね」


「すっごく怖いよ!この前も━━」


荷馬車内で談笑するヴィシー様と他女性陣。

単独にて一緒に行動するのが初めてのヴィシー様も問題無く慣れた様で一安心。

なお唯一の男仲間のティガーは現在御者を務めている為荷馬車内で男は俺一人。


そんな俺の膝を占拠しているのがラニである。

なんか俺の膝、ラニの特等席になりつつない?


ちなみにラピスは隣に座って寄り掛かって眠っててルナ様は憑依してらっしゃる。


「旦那ぁ、馬を休めるついでに俺らも昼食にしやせんか?」


「あー、そうだな、そうするか」


腹の空き具合的にも昼食を摂るのが良さそうだ。

荷馬車を止めて、馬に水を与えて休ませる。


「マリア、火」


「はいはい、待ってて頂戴」


俺も俺で皆の分の食事を用意する為木を集めて焚き火の準備をしマリアに火付けをお願いする。

マリアに火を付けてもらってる間に肉を切る準備をする。


「ルナ様」


「何かしら」


「危ないので離れてもらってもよろしいですか?」


「嫌」


「さいですか……」


準備も終え肉を切ろうと思ったので後ろから抱き着いているルナ様に離れてもらおうと思ったが断られたのでそのまま続行する事にした。


「昇〜」


「ほい」


すぐ隣で竜の姿になったリーゼロッテが声を掛けて来たので切った肉を放り投げる。


「あむっ」


放り投げられた生肉を口でキャッチしそのまま食べ始めるリーゼロッテ。

堂々としたつまみ食い……いや俺が与えてるからつまみ食いにはならんか……。


「これ美味いな」


「ね〜これ美味しい」


「ちょ、2人とも!?」


別の食べ物を食べているラニとラピスを見てセレスティナが慌てて止める。


「大丈夫だよセレスティナ、それは食べても大丈夫なやつだから」


「あ、そうなんですね」


ラニとラピスが食べているものは俺が予めおやつを与えておけばつまみ食いも減るだろうと思い用意しておいたものだ。

だから食べてても大丈夫。


「今日も昇君が料理当番なんだね」


「はい、危ないので離れてて下さいね」


「へ?あ、うん?」


「何よ?」


「な、何でもない、あはは……」


言いたい事は分かるし、矛盾してる事も分かる。

危ないから離れてと言ったのにルナ様は後ろから抱き着いて離れてないから困惑してるのだろう。

苦笑い浮かべてるし。


しかしこれがルナ様の望みなのだ、致し方ない。


「昇君は本当に凄いよね、私達が複数憑依してもなんともないし」


「慣れて忘れてたけど異常なのよね……」


ヴィシー様の言葉に同意するルナ様。

俺はなんともないから分からんがやはり異常らしい。

料理も出来上がったので皿に盛り付けて配る。


「そう言えば気になったのですが、アリシア様は何故ヴィシー様なら問題無いと言ったんですか?」


俺はヴィシー様に気になった事を尋ねた。

なにせ俺は他からは余り好かれていないからな。

そんな俺に女神様を付けるとあーでもないこーでもないと騒ぎ立てる奴らがいる訳だ。

だがアリシア様はヴィシー様なら問題無いと言った、その理由が単純に気になった。


「私生まれたてでね、信者が1人もいないの」


あっ……そういう事……文句言う奴が1人も居ないって話か……。


「すいません……」


「謝ることないよ!大丈夫!」


微笑んでそう言って下さるヴィシー様。

実際ヴィシー様も全く気にしてなさそうだし良いのだろうか……?


「生まれたてとなるとまだ1年とかです?」


女神様だから生まれた時から姿もある程度成長した姿だったりするのだろう。


「ううん、違うよ、100年くらい前に生まれたかな」


「ひゃくっ?!」


100年!?

神様にとって100年はまだ生まれたてなのか……。

スケールが違い過ぎる……。


「昇」


「はい?何でしょうかルナ様」


ご飯のおかわりだろうかと思ったが皿は置いてるし違うっぽいな。


「昇、ヴィシーの信者第一号になってあげなさい」


「ほえぇ?」


俺がヴィシー様の信者に……?


「別に私の信者を止めなさいと言う訳では無いから安心しなさい」


それは安心。


「良いんですか?」


「良いわよ、だって私が昇の一番である事に変わりないもの」


俺の疑問にそう答え、微笑むルナ様。


「分かりました、ヴィシー様」


「月光昇、私の信者になってくれますか?」


そっと差し出された手を取る。


「はい」


「ふふっこれからよろしくね、昇君♪」


こうして俺はルナ様に次いでヴィシー様の信者にもなった。



昼食を終え、片付けたら荷馬車に乗り再び進み始める。


「ルナ様、雪の里や其処に住む女性たちの特徴ってどんな感じですか?」


此方では雪女と言う名称では無く雪の山や雪の里に住む女性と言うので『雪の里』と言わせてもらう。

これからその雪の里に向かう訳なので事前にある程度の情報が欲しいと思い隣に座るルナ様に尋ねる。


「そうね〜まず雪の里についてだけれど、雪の里はそこに住む娘達の力で辺り一帯を雪国になってるのよ、だから季節関係なく雪が振り積もるの」


「自分達で雪をずっと降らせている訳ですか」


「いいえ、違うわよ。力が勝手に雪を振らせるの、彼女達に取って最も良い環境にする為に力が勝手に作用するのよ」


「そうなんですね」


力が勝手に作用する……力を制御出来て無いのでは……?


「雪の里の女達の容姿だけれど、まぁ至って普通の人ね」


なるほど。


「ちなみに彼女達の力は凍結ね、氷を生み出しそれを武器にするわ。過去に氷漬けにされた者も居るそうだから気を付けなさい」


「分かりました」


会って早々に氷漬けにされるとか笑えんからな、気を付けないと。

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