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セカンド・ワールド〜女神救出から始まる物語〜  作者: 唯ノ蒼月
第2章 攻勢作戦

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第41話 イニッツィオ会戦3

月光昇Side


高台に本陣を移した翌日。

俺達は早速部隊の統合を始める。

これまでは部隊規模での指揮が殆どであり、部隊同士での連携こそあれどここまで大規模に指揮系統を統合したのは無いと聞いてたから混乱するかと思ったがシャルルやアリシア様の声掛けもあり部隊の統合は順調に行われた。


……よく部隊同士の連携のみでアリシア様奪還とかの大規模戦闘をやったな……。


「暫しの別れですねぇ、旦那」


「おう、気を付けて行ってこいよ」


「死なないで下さいよ、昇様」


「いやそれこっちのセリフ」


部隊を統合すると言う事は勿論俺と共に来たフィアナ達も一時的にそちらに合流する事となる。

統合先はより連携の取りやすい第1軍だ。

俺とラニ達は申し訳ないが此処高台で待機。

なお俺は此処から全体を見渡してアリシア様を通じて全軍に指揮を執って欲しいとのこと。

後は準備を整えて丘の攻略を行うだけだ。


「そう言えばさ、シャルルって攻めと受けどっちが得意?」


「へ?!う、受けかな!?」


「シャルルは攻撃に転じた方が得意だよ」


「そうでしたか、ならシャルル率いる第1軍に丘の攻略に向かってもらった方が良いかな」


何処か慌てたように答えたシャルルにアリシア様が即フォローに入った。

急に話を振ったから慌てさせてしまったか。


「あ……そういう……」


「何を期待してたんですかぁ?」


「ち、違っ、ク、クロエ?ちょ、ちょっと怖いよ?」


アリシア様と相談しているその後ろでシャルルとクロエが仲良く話しているのが見える。

何処となくシャルルがクロエに詰め寄られてる様にも見えるけど。


「ならクロエ率いる第2軍を此処と前方の防衛に付かせようか」


「第3軍、第4軍はそれぞれ第1軍、第2軍の補助ですかね、と言っても1番重要なのは第1軍なのでそちらに重きを置く感じで」


話も纏まりシャルル達がそれぞれの軍へと向かって少しして。

第2軍へと向かった筈のクロエが指揮所に駆け込んで来た。


「昇、問題がっ!」


両膝に手を付いて息を荒げるクロエ。

急いで此処まで駆け付けてきた様だ。


「どうした?」


「第3軍、第4軍、共に丘の制圧に納得していなくて要塞の攻略をすると言って聞かないんだよっ!」


クロエの後ろからやって来たシャルルが同じ様に両膝に手を付いて言った。


シャルル達と共に俺達と合流し此処まで戦ってきた者達が殆どの第1軍、クロエが指揮を取る第2軍は然程問題は無かった(恐らく第2軍はクロエやノルン様が黙らせた)が接触が無い第3軍、第4軍は一見無意味な丘の制圧に納得出来ないのだろう。


「……マリア」


「ゴーレムね?分かったわ」


傍で待機してるだろうと思い名前を呼べば直ぐに現れた。


マリアの言う通り第3軍、第4軍を納得させる為にゴーレム兵のみで正面突破させる。

兵達を無駄に消耗させる訳にはいかない。


但し普通のゴーレムでは上手く誘いに乗らない可能性もあり本来の結果を見せれないかも知れない。


そこで用意するのがシャルルの髪、俺の髪が編み込まれた外套、ミミティの擬態である。


まずシャルルから少量髪を貰い、それにアリシア様に力を込めてもらうことでシャルルの囮が出来上がる。

このままでは効果は薄いのでシャルルに俺の髪が編み込まれた外套を着てもらうことで勇者としての気配を抑える。

マリアに作ってもらったゴーレム達にミミティの擬態を掛けて貰い此方の軍勢に似せる。

擬態したゴーレム軍団の1体にシャルルの髪を括り付ければシャルルの気配を色濃く宿したゴーレムとそれに付き従う者達、第1軍に擬態したゴーレム軍団の出来上がりである。


後はゴーレム軍団を差し向ければ良いのだが此処でまた問題が発生。


なんとこの軍団に俺も付いて行けと御達しが来た。

発言したのは言わずもがな第3軍、第4軍団長とその兵達だ。

まぁ言いたい事も分かる。

シャルルやアリシア様達以外とは接点もなく、それでいて何処から来たかとかもよく知らない訳で知っているのは魔族の支配地域から来たと言う情報くらい。


普通に怪しまれるよな、魔族の仲間なんじゃないかと。

魔族と裏で繋がっていれば確かにゴーレム軍団だけの迎撃も容易くなる。


だからこそ俺も共に進軍し身の潔白を証明しろとの事だ。

もし仲間であるなら魔族は攻撃して来ない筈だと。

攻撃してきたら白、攻撃して来なかったら黒と言うことである。


但し普通に危険だし、命の保証なんて何処にも無い。

だからフィアナ達は勿論、シャルル達すら反対、現在揉めに揉めている訳だ。


「ショッ、ジョンを死なせに行かせる気かい!?」


「何故そいつを信用出来る?!」


「そいつが何処出身で何処から来たと言うのを誰も知らないそうではないか!」


「そんな奴の言う事をこの大事な局面においてどう信用しろと言うのだ!!」


「そもそも魔族の支配地域に1人で居たのも怪しいわ!」


4軍団長「そんな奴、信用なるか!!!」


3軍団長「そもそも裏切りの女神の信者だぞ!?何故あんな者の指示に従わねばならんのだ!」


「あいつ悪魔の女も侍らせているらしいではないか!」


「ショ、昇、行かなくても大丈夫だからね」


シャルル達が言い合ってる中、アリシア様が此方にやって来て俺の両肩に手を置き優しく告げる。

けれどその声は震えていて、笑顔も無理して作った物だと言うのが分かる。


実際、俺が行く事にメリットは無い。

ただアリシア様達が困るだけだ。

シャルルやクロエ達は離れないだろうが第3軍、第4軍は不満に思えば女神様達の下を離れ魔族側に付くだろう。

だからアリシア様達は強く出れない。

幾らアリシア様が強くとも多勢に無勢、また神であることから信仰心を失う事による弱体化等も懸念される。

此処で否定し自分達の下から離れて行ったら悪魔達を相手に継戦が難しくなるだろう。

人がいなくなったその先に待つのは暗い未来。

自分達の尊厳が踏みにじられる未来だ。


と言うことで俺もマリアのゴーレム軍団に付いて行こうとは思う。

此処でシャルル達が揉めても良いこと無いし。


「大丈夫です、行ってきますよ」


心配させないよう、笑顔でアリシア様に告げる。


「ごめん、本当にごめんね……」


アリシア様はそっと抱きしめる。

これはどうしようも無いこと、誰も悪くない。


アリシア様の抱擁が終わったので直ぐに支度を始める。


またマリアが俺と共に進軍する事を最低条件として提示してきた。

しかし俺としては子供であるマリアをみすみす死なせに行かせたくはない。


そこでセレスティナの協力の下、マリアは自身の作り上げたゴーレムに意識を憑依させて共に行くこととした。


それともう一つ俺が行くのに条件を付けた。


それは俺が前線に出ることで敵の目を釘付けに出来るだろうからその間に丘を制圧して欲しいと言うこと。


第3軍、第4軍共に俺が前線に進軍し、相手がそれに釘付けになるようなら丘の攻略に向かうと約束した。


「ルナ様は待ってて━━━」


「私も一緒に行くわよ」


「……死ぬかも知れないんですよ?」


「貴方一人を死なせるものですか、そんな事より昇、私と一緒に死んでくれない?」


「一緒に死んでくれるんですか?」


「ええ、同意も得たし魂を結びましょう」


「ちょっ、ルナ?!」


アリシア様が慌てて止めに入ろうとするよりも早く、ルナ様は俺の手を取りそっと口付けをした。

……こういうのって普通男女逆じゃない?


「はい、終わり」


嬉しそうな表情のルナ様とは別にアリシア様は頭を抱えている。


「……今昇はルナと一心同体、つまり片割れが死ねばもう片方も死ぬ」


「……俺は良いんですけどルナ様は良いんですか?」


「構わないわよ、昇と一緒なら」


意思は硬いようだ。

魂を同化させた様だし、それもそうか。


そんなこんなで数日分の食糧と水、傷薬に包帯、スコップと剣を数本準備しマリアが意識を移したゴーレムに持ってもらう。

準備は整った。

時刻は夜、本当なら今から行きたい所ではあるが今回は正面突破をした際の危険性を第3軍、第4軍に見せる為明日の朝出発する事とした。


そして翌朝。


「……んじゃ行ってくる」


シャルル「気を付けてよ……」

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