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セカンド・ワールド〜女神救出から始まる物語〜  作者: 唯ノ蒼月
第2章 攻勢作戦

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第38話 イニッツィオ要塞攻略準備

シャルル達と合流から5日程休息を取り、その翌日の朝から俺達はイニッツィオ要塞攻略の為の準備を始めた。


「それじゃまずはイニッツィオへの攻撃に向けて前方に居る魔族の戦士達を倒さないとね」


「そうですね」


「他方面の部隊には連絡はしてあるのか?」


話し合いをしているシャルルとクロエに気になった事を聞いてみる。

アリシア様達から聞いているのはシャルル達は他方面への援軍に向かった際、敵陣地の突破をしたら直ぐ様次へと向かって行ったと聞いている。

だから他の部隊とその辺の連絡が出来て無いんじゃ無いのだろうかと思った。


「その辺はもうクロエが連絡してくれてるよ〜!」


「はい、抜かりなく、です!」


二人揃って此方に振り向き笑顔でそう言った。

クロエ曰く既に連絡をしてあり、今日イニッツィオに向けて進軍を開始するらしい。

また魔族のイニッツィオへの合流を出来る限り防ぐ為に敵陣地を撃滅しながら進軍する為それなりに時間が掛かるだろうとの事。


「他の部隊とは小まめに連絡した方が良いだろうな」


「え?そのままイニッツィオ手前の合流地点まで行けば良いんじゃないの?」


俺の発言にシャルルとクロエが首を傾げた。

いやまぁ別に合流地点まで行っても良いんだけど万が一に備えてね。


「敵の動きに合わせて此方も動く必要がある、例えば相手がそのままイニッツィオまで下がり続けずに道中で何処かに集まって籠城する場合とかもある」


「別に放置で良くない?」


「……いえ、駄目ですね。規模こそ違えどイニッツィオを無視して進軍した際と同じ状況に陥ります」


「へ?」


「そう、相手が何処かに籠城し俺達がそれを無視してイニッツィオへと進軍した場合、俺達はイニッツィオの敵部隊とその無視した敵部隊の2つに挟まれる事になる」


理解したクロエと違いまだ少し分かっていないシャルルに説明すれば納得したようで頷いた。


「他にも味方が敵の陣地を突破出来なかった場合や逆にやられた場合とかも小まめに連絡をしておけば援軍に向かう事もできる。またイニッツィオ前の合流地点に進軍したは良いが味方の合流が遅れた場合に敵の攻撃を受けたら此方がやられる」


「なるほど、クロエ」


「分かっています」


俺の話を聞いてシャルルがクロエに指示を飛ばす。

と言っても長い付き合いからか名前を呼ばれる前に既にクロエも行動を起こしていた。

風魔術で人を呼び掛け、他の部隊に連絡を取り合う準備をする。


呼ばれたのは数名の少女達。


「羊皮紙を渡すのか?」


「ううん、違うよ。この娘達はアリシア様達と交信出来るからこの娘達を他の部隊に送ってアリシア様達を通じて連絡を取り合うんだ。風魔術は距離が遠くて届かないし羊皮紙じゃ時間が掛かるからね。ちょっとした連絡とかならまだしも小まめに連絡を取り合って動きを合わせるならこっちの方が良い」


「なるほどね」


「それじゃこの娘達を早い所送りたいし、目の前の奴等を片付けよっか!」


シャルルの言葉を合図にそれぞれが準備に動き出す。

まずは連絡要員を安全に送る為に目の前の魔族を倒すことからだ。





「行くよっ!!!」


「「「「「おぉ!!!」」」」」


魔族軍を撃滅、または撤退させる為に先頭を駆けるシャルルの掛け声を聞き味方から鬨の声が上がる。


どういう訳か今日は白銀の鎧を付けずに黒色のインナーの上から外套を着ているのみ。


「大丈夫だよな?」


「大丈夫です、あれでも勇者ですから」


俺の呟きに反応したのは隣に居た聖女クロエ。

彼女もまた法衣は着用せずあの薄着の上から外套を被っていた。


「それに鎧やら法衣やらを常に身に着けていると気が張ってしまい疲れてしまいますからね。イニッツィオ攻略までに疲れてしまわない為にも楽な格好の方が良いです」


「それもそうか」


クロエの言い分も一理ある。

特にシャルルなんか鎧なんて重い物を常に着てたら疲れるわな。

この後大事な要塞攻略があるし。


最初は2人ともあの薄着なまま戦うのかと心配だったが外套を着たので一安心した。

だってあんな格好で動けばシャルルの大きな胸が暴れるじゃん、クロエだってシャルルよりは控えめでも傍から見たら分からんくらいに大きいんだし。


「にしても凄いな」


先頭を駆るシャルルは次々と魔族を倒している。

流石は勇者だな。

そんなシャルルの勢いに味方も乗じ、上手く魔族を後ろに押し込んでいっている。

このまま行けばそんなに時間も掛からず倒せるはずだ。

その予想は当たり、魔族軍は撤退を開始。

今回も多少の負傷者を出したものの死者を出すこと無く勝てた。


「では行ってきます」


「気を付けて行っておいで」


魔族が撤退した事で他部隊への道が拓け、連絡要員達はそれぞれ馬に乗りシャルル達に見送られながら旅立った。


「良し、俺達も進もう」


「うん!」


一度陣地に引き返し荷馬車を引っ張り出して進軍を再開。

荷馬車に腰掛ける俺の膝上には相変わらずラニが座っていた。





そんな風に魔族軍を撃退しつつ他部隊とも連絡を取り合いながら進む事数日。


「セレスティナ!ちゃんと合わせなさいっ!」


「わ、分かってますよ!」


行軍中、セレスティナとマリアにはある事をやってもらっていた。

それは2人で一つ魔術の行使である。


1人では出来ないが2人なら出来ると言う事があるように1人で強靭なゴーレムが作れないなら2人でやれば良いと思い立っての事。

協力することから儀式魔術と言うべきだろうか。


さて、何故こんな前例のないことをやっているかと言うと、これから行う要塞攻略の為である。

強靭なゴーレムが作れる様になれば要塞攻略において有利となるはずだ。


またこうして作っていき、勝手が分かるようになれば2人じゃなくても1人でも作れる様になるかも知れない。

要は経験値稼ぎみたいな物だろうか。

何度も何度も繰り返せばそれは間違いなく自身の経験値となり己の技量を上げるだろうから。


まぁこれが駄目なら駄目で他にも色々と考えているから2人には出来なくてもそこまで気にしなくても良いと伝えてある。


「大丈夫……きっと上手くいくさ……」


膝上に座るラニの髪を撫でながら不意に漏れた言葉。

その言葉は他人か、それとも自分に言い聞かせたのか、誰にも分からない。












「髪が乱れる」


「ごめんて……」

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