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セカンド・ワールド〜女神救出から始まる物語〜  作者: 唯ノ蒼月
第2章 攻勢作戦

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第32話 罠の活用

セレスティナSide


昇様達と別れて陣地を出発した私達は森の中をゆっくりと進む。

アリシア様達を狙って付近にまで来た魔族に見つからない様に進み、奇襲を仕掛けてそのまま罠を張った場所まで誘い込む。

罠は目印を付けてあるので私達が引っ掛かる事は無いでしょう。


「しっ……敵部隊を見つけました」


そうして敵部隊を見つけた私は即座に仲間達に知らせ、敵に見つからない様に草木から様子を伺います。


「偵察部隊のようですね、丁度背中を向けていますし攻撃して誘い込みましょう」


偵察部隊なら私達を見つけたら仲間に知らせる為に角笛とか持ってるでしょうし、敵の半数を減らして残りの半数使って相手を誘い込みに利用させて貰うとしましょう。


「穿て!」


私の号令と共に仲間達から放たれる様々な属性の魔術攻撃。

それは寸分狂わず魔族の戦士達を背後から襲い、一瞬の内にその半数を地に伏せさせました。


「背後から奇襲だっ!」


「わざわざ姿を現せたあの馬鹿共を捕えるぞ!」


「最初の一撃で倒せなかった事を後悔しろっ!」


先程の攻撃を無事に過ごした魔族の戦士達が振り向き此方に駆け出す、そして鳴り響く角笛。


「引きますよ!」


「逃がすな!」


予定通り撤退を始める私達。

罠を張った場所まで距離がありますが大丈夫でしょう。

敵から放たれる魔術は防壁を張って防ぎます。

一々振り返って魔術をぶつけて相殺していては立ち止まってしまって前に進めませんからね。

実際相手は偵察部隊だからかそこまで魔術が上手い者は居らず上手いこと対処出来てますし。

とは言え角笛で増援を呼ばれているので楽観視は出来ませんが。


全員無事に罠を張った場所まで到達。

予定通り敵の増援が合流する前に到達出来て良かったです。


「う、うわぁぁぁぁぁ?!」


「よ、横から丸太がっ!?」


「上からも丸太が落ちて━━━」


前後左右、そして上からも落ちてくる丸太に襲われ魔族の戦士達が次々と倒れていきます。


「罠は上手く機能してるね、セレスティナ」


「そうですね、ではこのまま後退しつつ魔族の戦士達に魔術攻撃を加えましょう」


私達は慌てふためく魔族に対して魔術攻撃を開始。

罠によって混乱に陥っていた魔族の戦士達はまともに抵抗出来ずに被弾して倒れていきました。


「増援の到着ですね」


偵察部隊を全滅させてから少し。

角笛で呼ばれた増援部隊が姿を現しました。

最初こそ罠によって混乱していましたが直ぐに持ち直し私達の魔術攻撃にも対処し始めました。


「なっ、足元がっ!?」


仕掛けてある罠は丸太だけではありません。

上を気にしていた魔族の戦士達の足元に仕掛けてあった落とし穴に引っ掛り、数人がその落とし穴へと落下していきました。

そしてそのタイミングで下を見てしまった残りの魔族達の背後から縄で縛られた丸太が勢い良く飛んできて━━━━


「がっ!?」


「うぁぁ?!」


また数名を落とし穴へと落としていきました。


「回り込めっ!」


左右に分かれて落とし穴を避ける魔族。

そんな相手にも容赦無く私達は魔術をぶつけます。

罠の存在が相手の集中力を欠くのか普段なら容易く相殺されるであろう私達の魔術は難なく魔族を一人ずつ行動不能に追いやっていきます。


「クソッ……撤退しろっ!一時撤退だっ!!!」


これ以上の被害は認められなかったのでしょう、一人の号令と共に魔族の戦士達が撤退を始めました。


「炎の矢」


そんな中私は昇様の言葉を思い出し、号令を出した魔族に火魔術の矢を放ちます。


『撤退を指示する奴はだいたい指揮官だろうから潰せば幾らか命令系統を麻痺させられると思うぞ』


罠の存在に混乱し、撤退する魔族達の影で分かりづらかったのでしょうか。

火魔術の矢は驚く程簡単に狙った魔族を穿ち、その命を刈り取りました。


「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


倒れた魔族、その魔族を見た他の魔族が悲鳴を上げ逃げ去る。

それは1人、また1人と伝播していく。

そうして撤退はあっという間に敗走へと変わっていきました。


「取り敢えず良し、ですかね」


こうして最初の魔族の迎撃戦は終わりを迎えました。





それから何度か魔族の戦士達の侵攻がありましたが被害無く迎撃出来ました。

木々の影で体を休めていると少し離れた所から爆発音が聞こえてきました。


「また引っ掛かったみたいね」


「その様ですね」


仲間の呟きに私も頷く。

昇様が仕掛けた爆発する罠に魔族が引っ掛かったのでしょう。

丸太、落とし穴と続いて今度は爆発。

激しさを増す罠に魔族の戦士達は侵攻速度がかなり落ちています。


「魔族が撤退したよ、多分このまま夜営に移ると思うけどどうする〜?」


偵察に出ていた仲間が戻ってきました。

確かにもうじき日が沈みますし暗い中罠のある中を進むことも無いでしょう。


「……昇様に連絡してみます」


「分かった〜」


私は昇様の傍にいるであろうマリアに魔術を用いて此方の状況を報告してマリアを通じて昇様から指示を貰う事にしました。

魔術の行使によって居場所がバレる、というのは既に相手に大体の場所がバレているので問題無く、昇様から魔術の使用も許可されています。


「マリア?聞こえますか?」


〔ええ、聞こえるわよ〕


何の問題もなくマリアと繋がり私は直ぐに自分達の状況を報告する。


〔……分かったわ、暗い中だとセレスティナ達も危ないし陣地に戻って来なさい〕


「魔族を追撃しなくても良いと?」


てっきり夜営中の魔族に襲撃を掛けるものと思っていましたが……。


〔……戦力を削ぎたいのも分かるけど私達の目的はあくまで時間稼ぎ、無理に攻めて反撃を受けるのは避けたいそうよ。罠でそれなりに削った様だし侵攻も遅れさせてるから気にしなくてもいいって〕


「分かりました」


事実、魔族は罠と私達の迎撃によって既に多くの戦士を失っていますし侵攻を大きく遅らせてもいます。

ここは昇様の言う通り無理に攻めずに撤収する事にしましょう。


「陣地まで撤退します」


「分かった」


私達は昇様の指示通り罠を仕掛けた場所から陣地へと戻る事にしました。

陣地に戻る道中、何体ものゴーレムを見かけました。

私達の中で実用出来るゴーレムを作れるのはマリアだけですし簡単に誰が作ったか分かりますね。

ゴーレムが居ることで更に侵攻を遅らせられそうですね。

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