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セカンド・ワールド〜女神救出から始まる物語〜  作者: 唯ノ蒼月
第2章 攻勢作戦

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第24話 進軍開始

アリシア様がこの地に来られてから数日後。

単独でやって来たアリシア様を追って護衛部隊が到着。

事前にアリシア様から話を聞いていたので護衛部隊達が寝泊まりする為の家は建築済み。


冬の寒さが増す中、これから魔族に対して反撃を開始する為に部隊を形成する。

部隊を形成すると言っても勇者シャルルと聖女クロエを中心とした部隊だけど。


部隊も決まり早速出発の為に準備を始める。

出発は翌朝である。

ラニ達はミミティの居た孤児院に預けようかとも思ったが本人達の希望で一緒に連れて行く事となった。

またミミティも一緒に付いてくるとの事。


悪魔は俺達からしたら敵だがミミティからしたら味方。俺達とは一緒に居づらいだろうし孤児院に行っても良いぞとは伝えたが余りその辺は気にしてないらしく、大丈夫との事。

ミミティを見て思ったが悪魔達は仲間意識が薄いのだろうか?


傷薬や風邪薬、食料等も荷馬車に詰め込み終えたら明日に備えて眠りに就く。

翌朝、朝食を食べ終えたら出発だ。


「そんなに熱烈に見つめてどうしたの〜?」


「シャルル、あまり昇を困らせないで下さい」


「いやなに、2人共綺麗だなって思ってな」


シャルルに答える。

今のシャルルは普段俺達が着ていた様な村人の服ではなく白銀色の鎧を身に纏っている。

またストレートに伸ばしていた腰辺りまでくる金髪は三つ編みにしていたりと雰囲気が全然変わって綺麗だからだ。

クロエも同じく聖女としての白装束を身に纏っている。

助け出したあの日と違い、汚れが消え、破れた箇所も補修された装束はよりクロエを輝かせて見せている。

勇者と聖女としての自覚がシャルルとクロエをそうさせているのだろう。


「き、綺麗……綺麗かぁ……えへへ」


「綺麗だなんてそんな……えへっ」


当の2人は紅く染まった頬に両手を添えてなんかくねくねし始めた。


「朴念仁」


「女誑し」


その光景を近くから見ていたフィアナ達から口撃された。


「後ろから刺されて死ね、なんならこの場で燃やしてやる」


中でも一番厳しいのがラニでした。

毒というか刃が鋭すぎる。

ラニは最近保有する魔力量が多い事が判明しセレスティナやマリアが魔術を教えている為真面目に燃やされかねない。


荷馬車に乗り込んだ後俺はラニを膝に乗せて頭を撫でてご機嫌を取る。


「髪が乱れる」


「ご、ごめん……」


撫でるのをやめようと思って手を退けたらラニにその手を掴まれた。


「やめろとは言ってない、続けろ」


「はい」


撫でられるの自体は嫌じゃないようだ、本人から許しも得たのでそのまま続けて撫でる。


「私も撫でて」


隣に座りそう言ってきたラピスの頭を優しく撫でる。


『大人気ね』


(心を開いてもらえて有難い限りです)


ラニとラピスの頭を撫でていると念話で話し掛けてきたルナ様に返答する。

出会ったまま心を開いてもらえなかったら互いに気まずいし、本当に良かった。


それから何日か野宿を繰り返しながら進んだある日。


「止まって、魔族だ」


森の向こう、静止を呼び掛けたシャルルの指差す方を見れば森を抜けた先に広がる平原の向こう側に魔族の大軍が目に見えた。


「あれが魔族の前線か?」


「多分ね、まだこっちには気付いて無さそうだしゆっくりと後退して作戦を練ろうか」


「そうしよう」


シャルルと話し合いどうするか決め、エルフの数名を魔族軍の動向を探る為に見張らせつつ魔族に見つからない様にゆっくりと森の中を後退する。


「とりあえずは大丈夫かな」


「これからどうしましょうか……」


魔族軍から十分に離れたと判断したシャルルが息を吐く。

倒木に腰掛けたクロエはこの後どうするかに頭を悩ませている。

魔族軍を相手にするとは言えまともに戦っては数で押されそうだしな……。


「取り敢えず此処を中心に陣地作って増援を要請すれば良いんじゃないか?」


「陣地は賛成だけど増援は難しいかな、他方面の部隊は呼べないし待機してる戦士達もそんなに数が居ないし」


「なるほどな……」


それ程までに人員も不足してるのか……。

取り敢えず俺達は空堀を掘り木々を伐採し加工したりして陣地の作成を始めた。

掘り終わった空堀は土壁のままだと崩れてくる可能性があるので伐採した木を組んで補強する。


「旦那ぁ、出来ましたぜ」


「ありがとう、助かるよティガー」


ティガーが伐採した木を加工して作った物を持ってきてくれたので受け取る。

受け取った物を持って空堀の向こう側に渡りまずは支えとなる木を地面に打ち込んでいく。

打ち込んだ木に今度は先端を尖らせた木を縄で括り付ければ簡易的なスパイクの出来上がり。

これを陣地の周りに配置していってもらう。


「マリア」


「はぁい、なにかしら?」


近くに居た精霊のマリアを呼べば彼女は黒い髪を靡かせながら此方へとやって来てくれた。


「この柵を魔術で補強出来ないか?」


「具体的にはどう補強するのよ?」


こてん、と口元に指を当てながら首を傾げて聞いてくるマリア。

仕草がいちいち可愛いんだが……。


「対魔術だな、ただの木だから魔術とかで簡単に壊れてしまうと思うから耐性を付けて欲しい……出来るか?」


「そのくらいなら可能よ、セレスティナ達にも声を掛けて皆で手分けして耐性魔術を掛けてくるわ。空堀の土留めにも必要よね?」


「そうだな、頼む」


「任せなさい」


マリアは踵を返しセレスティナ達に声を掛けて手分けしてスパイクの補強に向かった。

それから交互に飯を食べ、作業を進めて数日、陣地の構築が完成。

エルフ達の報告では魔族軍に動きはない。


「このまま後方の整地をするぞ」


「了解だぜ、旦那ぁ」


魔族軍を迎え撃つ為の陣地を構築し終えた俺達は万が一の時の為に迅速に撤退出来るように陣地の後方の整地を行う。

木々を伐採、抜根していく。

伐採した木々は獣人達にエルフ達の下まで運んでもらい、そのままエルフ達に木々を加工してもらう。

その間に俺とフィアナ、ミミティ達で抜根によって出来た穴を陣地の空堀作成時に出た土を使って埋め戻していく。

穴を埋め戻しつつ地面を平らに均していき迅速に移動できるようにしていく。

地面の整地が終わった後ろから加工済みの木材を持ったエルフ達に道の両端にその木材を打ち込んでいってもらう。

俺達の敵は魔族軍だけではない。

この森の中にも魔物は居る為、その魔物避けの柵である。

撤退中に魔物に襲われたらたまったもんじゃないからな。

それから更に数日程、伐採抜根と整地を続けてようやく森を抜けた。


「これで退路の確保は出来たな」


とは言え地面に石畳を敷き詰めた訳では無いので雨とかで泥濘む事はあるだろう。

流石に石畳を敷き詰めるのは時間が掛かり過ぎて整地が進まないので今回は後回し。

後日少しずつ石畳に変えていく予定だ。


「さて、問題はこの後だな……」


見張りのエルフ達の話では魔族軍は動く気配は無い。

だが此方から攻めるのもリスクが高い為様子見と言う状況である。

一応作った陣地は今後補強していくから時間が経てば経つほど守りについては此方側が有利となる、逆に魔族軍は此方ほど強固に陣地を作っていないので時間が経っても問題は無さそうではある。

だがいつまでも見てる訳にもいかないし、魔族軍だってずっと彼処で留まってる筈も無い。

いつかは接触し互いに戦う羽目になるだろう。


だから今、俺もシャルル達もより被害を少なくしつつ魔族軍を退け支配地域に侵攻する為の方法に頭を悩ませている訳だが。


「一人で考えても仕方ないし、一度シャルル達の下へ戻るか……」


そう考え俺は森へと入り整地された道を戻って行った。

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