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セカンド・ワールド〜女神救出から始まる物語〜  作者: 唯ノ蒼月
第1章 異世界転生

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第20話 来訪者

ラニの瞳も治り、役目を終えたエイア様は神々の都へと帰るのかと思ったらこのまま此処に泊まることにしたようだ。


「弟君!石の運搬終わったよ!」


「ありがとうございます〜休んでて大丈夫ですよ」


「大丈夫!ルナとノルンの手伝いしてくるね!」


当たり前の様にルナ様達に混じって作業し始めるエイア様。

この世界の女神様は勤勉ですねぇ……。


さて、エイア様の護衛で来てくれた人達も居ることで作業効率が大幅に上がるだろう。

ティガーの他にも男手も増えたし。

そんな俺達は今拠点周りに防御陣地を形成してる。

エイア様が奇跡を行使した事で魔族が此処に進軍してくる可能性が高いからだ。

拠点周りに空堀を掘り壁を木材で補強したり防護柵を増築したりしている。

またそれとは別に食料を少しでも多く蓄える為に狩りに出掛けている者達も居る。


さて、俺はこの後フィアナを護衛に付けてラニとラピスの2人を連れて周囲を見て回る予定だ。

奇跡により視力を取り戻したラニと同じくエイア様がラピスに瞳の力を抑える奇跡を施した事でラピスも目隠し無しで過ごせる様になった事で2人で周囲を見て回りたいと言ってきたんだ。

何故そのお供に俺が選ばれたかは知らんが。


作業を終えたルナ様達と合流、憑依したら出発。

見るもの全てが新しい世界に喜ぶラニ、その様子を見て喜ぶラピス。

そんな2人を見てニコニコしてんのが俺。

2人共出会った頃と違って肉付きも良くなってきて安心だ。

そんな2人を見守りつつ周囲の作業進捗を見て回った。


昼食は人数が増えた為、何人かに分かれて準備をする。

ちなみに俺は女神様達の担当をすることになった、ちょいちょいラニやラピスが盗み食いしてるが問題無く完成。


「美味しっ」


俺の料理を初めて食べるエイア様、お口に合ったようで良かった。


「……これアリシアには言ったの?」


「アリシア姉様には言ってないわね……」


「……拗ねるんじゃない?」


そんなに拗ねる様な物ではないと思うが……。


昼からも空堀と防護柵等の構築を進め陣地をどんどん広げていく。

そうして夜になって風呂に入り疲れを取って夕食を食べて眠りに就く。

ルナ様は言わずもがな、ノルン様やエイア様すら風呂に入ってくるようになったんだが。

そして当たり前の様に俺の家に眠りに来る、一応3つある家の1つは女神様用で作ったんだがな……。


それから数日拠点の防御面の強化をしていたある日。

いつもの様にフィアナを護衛にラニとラピスを連れて森を歩いている時。


「っお下がりください!」


突然フィアナが前に出る。

なんだろうと思ってそっと見てみると其処には小さな竜がいた。

微かに香る血の匂いから傷付いているようだ。


「グルァ……!」


此方に気付いた竜が口を開く。

威嚇、だがそれは余りにも弱々しかった。


「昇様っ!?危ないですって!」


フィアナの静止を聞かずに俺は小さな竜を拾い上げる。

どうしても俺にはこれを放っておけなかったから連れて帰り手当てすることにした。


ちなみに後でノルン様に聞いた所未来視では問題なかったから何も言わなかったとの事、ただ『私が事前に視ていたから良かったけれどこれからはちゃんと聞きなさいよ』とノルン様に叱られてしまった。


拠点に帰りローナ達に包帯や薬品を持ってきてもらい竜の手当てを始める。


『やっぱり……手当てに手慣れてるわね』


「まぁそれだけ数こなしましたからね」


『昇、今度貴方の記憶を見させてもらえないかしら?』


「別に構いませんが何故です?」


『より深く、昇を知りたいのよ』


話で聞くより実際に見て知りたいとルナ様は言った、別に隠す様な事でも無いし構わん。

俺の許可も降りたことでルナ様は今日の夜、寝る時に見るとのこと。

竜の手当ても無事に終わったので取り敢えず俺の家に置いとく。

手当て中凄く大人しかったから苦戦することもなかった

喉が渇いたりお腹が空くかも知れないので飲水や食料等も置いて家を出た。

その後何度か様子を見に戻りながら作業を繰り返し夜眠りに就く。

竜は暴れることなく運んだ場所で眠っていたが水や肉などが減っていたから全く食べてないと言う事は無いので一先ず安心だ。


翌朝起きたら全裸の銀髪ロングの女の子が俺に抱き着いて寝ていた。

ラニでもラピスでもルナ様達でも無い全く知らない少女が抱き着いて寝ていた。


「え???」


誰この娘?????????





「美味いっ!美味いのじゃ!」


焼いた骨付き肉に齧り付く銀髪ロングの少女。

取り敢えず全裸は困るので俺のシャツを着せてある。

さて、この少女だが……頭に生えた2本の角と尻尾がある事から人族では無い。

と言うか助けた竜の子が居ない事と身体に巻かれた包帯から多分この娘があの竜なんだろうけど両手で抱えられる程小さかったあの竜の子がこんな大きくなるのだろうか?

あれか?人の年に換算するとこんなもんってことか?

そうこう考えていたら少女がご飯を食べ終え此方に向き直った。


「妾の名はリーゼロッテ!人の子よ、助けてくれた事誠に感謝するぞ!」


「おう……一応聞くがあの助けた竜なんだよな……?」


「そうじゃ!」


やっぱりあの助けた竜の様だ、名前はリーゼロッテと言うらしい。

取り敢えず拠点の仲間にリーゼロッテを紹介した後作業を始める。

最初こそ恐れられたりとギクシャクしていたが害が無いと分かれば皆落ち着いて作業に戻った。


俺は荷車を引っ張って石を取りに向かう、今回の護衛はローナである。

そして当たり前の様に付いてくるラニ、ラピス、そしてリーゼロッテ。


「これから何をするんじゃ?」


「石を取りに行くんだ」


「ほうほう、それでこの荷車に乗せると言うわけじゃな」


「そういう事だ」


俺の直ぐ側を歩くリーゼロッテ、

懐かれたか……?

結果、今日リーゼロッテがこの拠点から羽ばたいて行くことは無かった。

もしかしてエイア様同様住み着くつもりかだろうか。


翌朝


「昇〜!来たよ〜!」


なんかシャルルとクロエが大荷物を持ってやって来た。

君達女神側の主力だろ?こんな所来て良いのか?


「「ん???」」


固まる2人、その視線は俺の隣に居るラニ達に向けられていた。


「ね〜昇〜?その女の子達は誰かな〜?」


「私達の知らない内に随分可愛らしい娘達を侍らせてますね?」


「侍らせてないって」


なんか圧が強くない?

シャルルとクロエに事情を説明した。


「竜にも懐かれるなんてね〜」


「俺もビックリだよ」


ちなみにこの2人、此処に来る前に他の前線を押し上げて来たとのこと。

流石勇者と聖女である。

そんな2人も今日から此処で泊まるらしい、だから荷物が沢山あるのか……。


更に翌朝


「来たわよショウ!」


「ミミティは当たり前の様に来るなよ」


今度はミミティが来た。

まるで友達の家に遊びに来るような感じで来やがったなコイツ。

あまりの気楽さにシャルル達も呆然としてるじゃんか。


「なによ!来ちゃだめだって言うの!?」


「お前仮にも悪魔だろうが」


「仮じゃなくて本物の悪魔よ!」


「だから不味いんだろうが、此処には勇者と聖女が居るんだぞ」


「はぁ?そんな小娘より私の方が上よ!」


「俺達にボコボコにされてたのにか?」


「それは貴方が不意打ちするからでしょ!?」


「悪魔が何でここにっ!!!」


まずいっ!シャルルが正気に戻って剣を片手にこっちに来たっ!

シャルルの肩に手を添えて押さえ━━うおっ力強くて押し返されるっ!

申し訳無いがシャルルの身体を抱きしめて俺の全身を使って踏ん張る。


「退いて昇!その悪魔殺さなきゃ!」


「殺さなくていい!敵じゃないから!」


「ふっふ〜ん!昇は私の味方なのよ!ざまぁみなさい勇者の小娘!」


「っ!コロスッ!」


「おめぇは何煽ってんだよハッ倒すぞてめぇ」


ただでさえ抑えるのに大変なのに火に油を注ぐなよ!


「なんで昇はあの悪魔と親しげなんですか?」


「前の街で会ってから妙に懐かれてしまったみたいです、あと圧掛けないで下さい、子供達が怖がります」


シャルルの後ろでクロエとフィアナが話しているのが聞こえた。


「子供扱いするな、お前とは一つしか変わらんだろ」


「あら?でも震えてるわよね?」


フィアナに子供扱いされたラニがそう言えばフィアナがニヤニヤと笑いながら言い返す。


「黙れ年増」


「誰が年増よ!?一つしか変わらないって言ったでしょうが!?」


ラニの切れ味が鋭すぎる……。


「相変わらず元気ね、あんた達」


「元気だけが取り柄で悪かったな」


「そんな事言ってないじゃない?!それで、私は来ちゃいけないのかしら?」


「いや構わんよ、ミミティが来たいなら来れば良い」


悪魔ではあるがミミティは敵対してないから問題無いだろう。

居場所も既にエイア様の奇跡の行使で判明してる可能性が高いから気にしない。


「よ〜し!今日は私も此処に泊まるわよ〜!」


いやお前も泊まるんかい。

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