表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カミーユとロザリーの話  作者: 十月猫熊
第2章 カミーユのお話
91/101

66ダンジョン攻略~連戦?!

ブクマ、評価、いいねをくださる読者様、有難うございます!励みになります。


おそらく最後のこれを嵌めたら、ボス戦になるだろう。


誰しもがそれが分かっていたので、ボス部屋の手前でがっちり休息をとった。

全員の傷もなく、魔術師組の魔力も満タンになったところで、いざ、と最後の石を嵌める。


全部の石が埋まった台座が光ったと思ったら、ボス部屋恒例の、部屋の扉が閉まり…そしてボス部屋が急に広くなった。


「えええ?こんな事珍しくない?」


「やな予感しかしないー」


女性陣がぼやく中、現れたボスは…ドラゴンだった。


「あー!炎吐く奴の最上級といったらやっぱりかー!」


リュシーさんが叫ぶと、ドラゴンがあいさつ代わりとばかりに炎の息を吐きだした。


ドラゴンキラーになる!と言っているロザリーだったら大喜びしたかも。

なんてことをちらりと考えられたのも、本当にその最初だけだった。


ぼくら6人の総力を挙げて…一体どれくらいの時間をかけたのかも分からないほどに戦い続けて…。


僕らはなんとか誰も死なずにドラゴンを倒すことが出来た。


回復魔法を使えるのがオルガさんと僕で、耐ブレス結界を張ったりするのも、僕とマルセルさんができる。

さらに、合間に氷の槍で攻撃したりして、僕が一人加わったことは、戦力として確かに足しになっていることを実感できた戦いでもあった。


でも…明らかにドラゴンを倒したのに、様子がおかしい。


宝箱が出ないのだ。


「ねえ…まさかドラゴンがボスじゃないとか言わないよね…?」


オルガさんがぽそっと呟いたとき。


部屋の広さはそのままに、部屋の景色が変わった。

陰鬱な雰囲気の薄暗い広間になったのだ。


そして…。


「ぎゃー!嘘でしょ?」


またリュシーさんの叫び声が広間にこだました。


「みんな回復薬を飲め!」


息を切らしているギーさんの声にみんなハッとして、大急ぎで回復薬を飲む。


たった今倒したドラゴンが真っ赤な体躯だったのにみるみる紫色になっていく。

お腹の肉がどろり、と落ちて肋骨があらわになり、体の周辺に鬼火が飛び交いはじめ、かっと開いたその目の片方はずるり、と眼窩から落ちた。


「ドラゴンゾンビか…全く厄介な…」


マルセルさんが珍しく忌々しそうにつぶやいているのが聞こえてきた。


回復薬を二本なんとか飲む時間があったけど、すぐに戦闘開始だった。


ドラゴンは生きていた時と属性が変わっていて、物理攻撃は効きにくくなっている。


ただ向こうもしっぽが千切れそうなためか、しっぽを振り回しての物理攻撃はしてこなくなったので、気を付ける攻撃の種類が減った。


吐くブレスは毒となっていて、毒にやられてしまった毒消しは極力魔法ではなく毒消し薬を使うようにする。

オルガさんと僕の聖属性魔法が効くのだけど、魔力の残りがあまりないのだ。


さっきドラゴンを倒すとき、もちろん連戦だなんて想像もしていなかったから、魔力を節約、という意識も無かった。


でも出し惜しみをする余裕も無かったのが事実だ。


そんなことをしていたら、誰かが死に、そこで戦力が落ちたことで一気に崩れただろう。


ギーさんとアランさんは聖属性の武器に取り換えて攻撃をしてくれていて、それがそこそこ効果が出ていたことは幸いだった。


「カミーユ君、回復係は君に任せたから!」


オルガさんがそう叫ぶと、しばらくしてから僕が見たことも無いような聖属性の攻撃魔法を放った。


さすがヴィリエに連なる者、と感心するような魔法だった。

ものすごく効いて、ドラゴンゾンビが苦しんでのたうち、こちらに攻撃をすることができない。

その間にギーさんとアランさんが盛んに攻撃して削っていく。


でも、どうやら、オルガさんのその魔法は詠唱に時間がかかるものらしい。


すぐに次の詠唱に入っているのだけど、まだ練りあがらないようだ。


僕はオルガさんに頼まれてもいるので、回復薬と回復魔法を使い分けながら、誰も死なないように必死に支援する。


オルガさんの聖属性魔法をその後さらに数発くらったドラゴンゾンビは、ようやく昇天してくれた。


またなんとか僕らは誰も死なずに済んだ。


最初のドラゴンとの戦いから、一体どれだけの時間が経ったのか、もはや分からなくなっていた。


全員が声も出せないほどに疲弊している。


僕も息が上がって汗だくだし、他のみんなもそうだ。


アランさんが剣を地面に突き刺して、剣にもたれるようにしているところなんて初めてみた。


魔術師組はもう魔力がほとんどなくて、これ以上使ったら倒れてしまう、というところまできている。


誰もが声を上げないけれど、皆が気付いていた。


ギーさんがまたマジックバッグから回復薬を取り出して飲んだ。

僕らも皆、手持ちの回復薬を飲む。


宝箱が出ないどころか、辺りの空気が変わっていた。


禍々しい空気に、皆が察した。

ここはきっと邪神の神殿の中だ、と。


とりあえずすぐに襲い掛かってくるようなものがいる気配はない。

でも、魔力も体力も、その場にいるだけでじりじりと減っていっていることに気が付いた。


「手持ちの回復薬、お互いに融通し合って、まずは回復させろ」


ギーさんの指示で皆が持っているだけの回復薬を鞄から出して、自分の体力に見合うように飲んだ。

そして、残ったものはそれぞれが1、2本ずつ鞄に持ち、それ以外は僕やオルガさんが持つことになった。


「これ。副作用だのと言っていられないわ。飲みましょう」


オルガさんが魔力回復薬を僕らにくれて、魔術師三人は魔力も回復させた。

二瓶飲んだけど、お酒のような焼けつくような独特の感じがしたあとに、魔力がみるみる回復していった。


「ここは恐らく邪神の神殿内部だろう。じっとしていてもジリ貧になっていくだけだ、急ごう」


ドラゴンゾンビを倒した広間から、いつの間にか奥に向かって廊下が出来ていた。


廊下は僕らが進むと青白い炎の松明が次々とついて、先を照らしてくる。


リュシーさんが、見ていても神経を張りつめているのがわかるくらいに、慎重に先頭を行く。


かなり長かった廊下を抜けると、この世界の創造神をまつる神殿にかなり似通った神殿が、巨大な洞窟の中にあった。


日も差さない洞窟の中に大きな神殿があるのは、かなり異様な光景だった。


ライトの魔法で照らしてもはじの方まで見ることが出来ない。

魔力が勿体ないので、僕らはさっさと先に進む。


ようやく目的地に着いたのだ。

ここが神殿として機能しないようにする。それが今回の仕事なのだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ