表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カミーユとロザリーの話  作者: 十月猫熊
第2章 カミーユのお話
100/101

75僕らの結婚式


僕はダンジョンから出た後の1週間の休暇の間、ダンジョン攻略の報告書の作成のために6人で魔法庁に集まったり、魔術師の塔の研究者たちに色々な聞き取りを受けたり、数カ月放置していた領地の確認などもあり、目の回るような忙しさだった。


マルセルさんとオルガさんも、あの日は魔力回復薬の副作用でひどい状態だったけど、次に会ったときは元気そうだったし、オルガさんは蘇生薬のことを特に興奮してまくし立てていて、魔法庁の役人さんが少し引いていた。


僕が、ロザリーと無事に結婚することになったから、ハーレ領での披露宴には来てほしいことを伝えると、マルセルさんやオルガさんだけでなく、落ち着いたら一旦は自国に帰るというギーさんやアランさんやリュシーさんも、絶対に参加すると約束をしてくれた。


研究所に復帰してからも、結婚に向けた準備と、ダンジョンで僕がやらかしたことのせいで忙しい。


というのは、僕の結界がダンジョンの強制力に抗った、というのがなんでだかすごいことらしいのだ。


ついでにいうと、ロザリーにも、魔術師の塔から、僕の肌着やシャツやマントの刺繍の内容とともに、共同研究の申し込みが来ている。

オルガさんが鼻息を荒くしていた通り、塔の人達が大興奮しているようだ。



結局、結婚式の日取りは、僕の『早い方が良いな』、の希望と、両家の都合をすり合わせた結果、ひと月後の候補日に決まった。


ハーレ領主として、僕らの関係者を招いての披露パーティーはハーレ領で半年後に行うので、世の中的な周知は半年後になる。


でも、ひと月後、僕らは法的には夫婦になるのだ。


世間的には婚約から半年での結婚、という認識になるだろうけど、それでも随分と早い方だ。

披露パーティーと法的に結婚する日は、同じ日や、数日違い程度が多いので、まあ、僕や僕の一族の、ロザリーを逃がしたくない気持ちの表れだろう。


ロザリーのお姉さんのルイーズさんも、婚約期間を一年以上はあけていたな、と思い出す。


家族だけで行う結婚式なので、神殿も大神殿である必要はなくて、ただ、この国で一番由緒のある、ヴィリエ家の者が使う古い神殿で行うし、ロザリーのドレスも、サイズ調整は万全だ。


帰ってきたときは痩せてしまっていたロザリーだったけど、僕のつくるご飯を三食食べ始めたら、10日ほどですっかり戻ったようで、顔色も良くなって安心した。


ドレスの試着をした時、僕の好みで作った、裾が僕の髪のような青で、それからグラデーションで白くなっていって、ところどころに僕の目の色のような緑の刺繍がアクセントに入っているのをみて、ロザリーは目を丸くしていた。


以前に作った夜会用のドレスで、その色味がちゃんと似合うことは確認済みだ。


可愛らしいロザリーに、落ち着いた青だとどうかなと思ったりもしたけど、グラデーションで顔のそばは白いし、デザインをその代りに可愛らしいものにしたので、とても良く似あっている。


一着ドレスを注文したあとだったので、デザイナーがちゃんとロザリーをイメージして作ってくれていた。

僕の正装も、ロザリーと並び立つとお揃い感が出るようにしてある。


式への招待状も、親族だけなので少なくて済み、そこらへんはフレデリクがうまいことやってくれて助かった。


そんな感じで、とにかくバタバタと毎日忙しくしていたら、ひと月なんてあっという間で。


僕らはお互いの家族が見守る中、神に結婚を報告して誓いを捧げ、結婚誓約書にサインした。


家族だけだったから、今日くらいはいいか、と、おへそのピアスも外していたら、式の儀式の手伝いに入っていた巫女さんが腰を抜かして、巫女さんがするはずだった部分を神官さんが代理でやってくれるという、ちょっとした事件があったりしたくらいで、無事に、式を終えることが出来た。


僕の家族は、兄や妹含めて、僕が結婚できるなんて思っていなかったらしく、むしろ兄妹三人の中で最初に結婚したことに喜び、感涙にむせんでいる。


両親はヴィリエを娶った僕のこと、少しは褒めてくれてもいいんじゃない?


相変わらず、僕の執着の表れであるロザリーのドレスをみて、アルセーヌ君はげんなりした顔をしていたけど、ほんと、諦めて欲しい。


ロザリー本人が僕の執着をあまり良く分かってないんだからいいじゃないか。


お義姉さんのルイーズさんも、お義母さんも、ホッとしたような顔で見てくれていて、ロザリーがこんなに早くお嫁に行けるなんて、というのが聞こえてきた。


お義兄さんになることになったエーメ伯も、終始笑顔だ。

同じヴィリエを娶った者同士、爵位も同じ伯爵だし、社交界での過ごし方など参考にさせてもらうことは多いだろう。

抱っこされているシャルルも、良く分かっていないだろうなりに、皆が喜んでいるからか、嬉しそうだ。


まあ、僕らの結婚式において、しいて言うべきことがあるとするなら。


誓いのキスのとき、これで、ロザリーは僕のものだよ?もう逃がさないからね、と思いながら顔を寄せたら、ロザリーの表情に動揺がはしっていたことくらい、かな?


これだけみんなが僕らを祝福してくれてるのに、相変わらずロザリーだけが結婚に対して納得してないのか目が泳ぐのって……今夜は、徹底的に僕の奥さんになったんだってこと、思い知ってもらうしかないよね!


おわり


番外編を一話だけ続けます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ