第5話 連行という名の謁見
目の前で言い争いをしている二人。
特にリテクスさんをじっとみる。そしてクラス委員長を思い浮かべてみる。
(双子みたいなのに、どこか違うんだよなー)
クラス委員長は表情豊かじゃないし、幼馴染みもあそこまでクソ真面目じゃない。
「外見が同じだけなのか」
「なんでしょう」
急に声をかけられて肩がはねた。
考えることに夢中になって声に出ていたらしい。
華やかな騎士は腰の剣をいつでも抜けるようにしているし。
ちょっとでも相手を怪しんだら罪人にするって、どんなムリゲーだよ !
「い、いえ。何でもないです」
あれ ? 声は戻って正常だったはずなのに。
やっとの思いで出した声はカスカスだった。
(何でだ ! もしかして知らない間に何かされたとか…)
不安になって自由になった手で自分の首に触れてみる。
「何をしようとしているんだ」
「いたっ ! 」
俺の一挙手一投足を見ていた華やか騎士くんは、素早く両腕を掴み後ろへ持っていったため、完全に身動きが取れなくなった。
「その手を離しなさい。自分で思っていたより声が出なくて驚いたのでしょう」
リテクスさんは華やか騎士くんの手をぱしぱしと叩いて拘束を解くよう促す。
彼は不承不承といった感じで俺の腕を離したが、痛みを与えたことについては謝罪する気がないようだ。
「まったく。あの脳筋の部下はすぐ力で解決しようとする」
誰の事だか知らんが、こっちにも脳筋という言葉があるんだと関心してしまった。
俺を挟んで前にリテクスさん、後ろに脳筋部下(華やかよりしっくりきた)の騎士くん。
一体どこへ連れて行ってくれるのやら。
しばらくふかふかな絨毯の上を歩かされて辿り着いたのは、ゲームでよく見かけるいかにもここが王の間です。と主張してる派手で重厚な扉の前だ。
「あー…。予定よりも中に居る人数が多いかも」
すまないね。と言って扉番に開けさせたその先は、悪い意味で期待を裏切らないものだった。
あるねぇー。
なんだろうねー。
この充満する冤罪臭。
どうすればいいのかさっぱりわからないので、とりあえずリテクスさんの後についてゆく。
急に止まるように促されても行動に移せるように、間は広めに空けておく。
ものすごく広い部屋の中央にも、ふかふか絨毯が一本長く敷いてあってその両脇には何か役職でも持っている人たちなのか、ファンタジーでありがちな派手な貴族服を着ている人が並んでこちらを見ている。
恐いんですけど。
「ここで止まってください。私の真似をして」
小声で教えてくれたリテクスさんに倣って、この部屋の一番奥にある厳つい椅子に座る人物に頭を下げる。
一瞬見えた感じ金髪でイケメンだったんだけど。
(王様若すぎねぇか。俺と歳近くない ? )




